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2015年6月17日 (水)

トマト栽培で技術革新 北関東の農業資材各社

北関東の農業資材メーカーがトマト栽培の技術革新に取り組んでいる。誠和(栃木県下野市)は来年夏、軒が高く太陽光や二酸化炭素を自動制御して成長を促す実験用ハウスを建設。関東農産(同那須町)はトマトの根が張りやすい特殊な土と専用のトマト品種を開発した。全国有数のトマト産地である北関東で農家の需要を取り込む。
誠和は下野市内に敷地面積1万8千平方メートルの「トマトパーク」を開く。投資額は約7億円。施設園芸の先進国であるオランダの技術を取り入れ、日本での有効性を検証する。農家の2代目や新規就農者を研修生として受け入れる予定で、近隣に寮も整備する。ハウスの軒高は6メートル。茎をまっすぐ上に誘引し、葉ができるだけ多くの太陽光を浴びるようにする。同時にハウス内の明るさ、温度、湿度、二酸化炭素を計測し、最も光合成が進むようにコンピューターで制御する。日本のトマトの収穫量はこれまで10アール当たり30トン台が最高で、これを70トンに伸ばすことを目指す。(日本経済新聞:6月17日)


トマト栽培について考える。


国内のトマト栽培は、ピンク系と赤系と緑系とあるなかで、ピンク系が多い。生食用に適するのがピンク系であることが理由であるが、近年は赤系、緑系で生食用という種類も市場に出ているようだ。もともろ欧州ではトマトは調理用であるので、それに最適な赤系の品種が多く栽培されている。この手の話で良く引き合いに出るオランダでのトマト栽培も、赤系で大量生産という流れのものである。日本でそのままやっても上手くいかないのは、数多の例があるが、計画発表はニュースになっても、撤退は扱われないということもあり、正しく分析するというのは難しいものだと感じる。
国内で販売されているトマトの多くは、タキイ種苗が販売するトマトの品種である桃太郎 (大玉のピンク系トマト) である。七割程度あるとされる。桃太郎もシリーズ化されて種類が多く、二十種類を超える。ホームセンターで、トマトの種や苗が販売されている、桃太郎シリーズも沢山見掛けるが、営農用とは別のものになっている。大玉のトマトは栽培が難しいとされる。それに対応した品種改良が施された種類であるようだ。完熟前に収穫されて販売されることが前提の営農用と、完熟直後に食する個人向けとでは違っていて当然ではある。

野菜工場にトマトが採用される事情というのは、市場規模に見合うという事情のようである。農水省の青果物の卸売市場調査結果と、同じく野菜(40品目)の10a当たり収量(全国)を合わせたのが下である。ただし、前者が2013年度、後者が2011年度である。理由は怠けただけなのだが、すぐに見付からなかったからである。

■ 青果物卸売市場調査結果 (農水省:2013年)
      種類               数量(トン)    価額(千円)     価格(円/kg)  10a当たり収量(kg)
  トマト         492,904     163,932,094       333       5,860
  きゅうり       517,354     144,643,959       280       5,000
  キャベツ      1,399,748     130,657,132        93       4,080
  レタス        601,192     117,958,512       196       2,620
  たまねぎ      1,170,377     108,038,787        92       4,410
  ねぎ         314,755     104,360,236       332       2,100
  だいこん      1,032,963      89,574,017        87       4,280
  にんじん       660,094      86,868,295       132       3,230
  なす         251,044      77,779,781       310       3,220
  ばれいしょ     726,144      76,739,944       106       2,960
  はくさい       874,813      61,447,311        70       4,950

トマトは金額で1位、量で9位である。上記で、土の中で成長する部分を食するもの、たまねぎ、だいこん、にんじん、ばれいしょは野菜工場に馴染まない。すると、トマトが最適であるのは分かる。キャベツ、レタス、はくさいなら、結球が緩いレタス、もっと好ましくは非結球を選ぶだろう。きゅうりはつる性のもので扱い難いし、なすはトマトに比べれば面積当たりの収量が少ない。トマトやレタスが上手くいけば、次の挑戦というところになるのだろう。

赤系がリコピンが多いと喜んでくれれば、加工系に出荷して経営を安定させ、別にレストラン向けに出荷するというのが良さそうに思うが、加工用の単価は安いから実際には難しいだろう。トマトのkg単価は300円を超えているが、加工用に契約栽培しているトマトでは70円程度の例もあるという。収量が増えてもそろばんに合わない例など幾らもある。
実際のトマト栽培では、大規模な病気が発生して全滅するというのがある。害虫の排除は可能だが、病気を排除するのは難しい。入室者を管理する方法しかないが、効果的な方法というのは見出せていない様子が見える。温度、湿度、二酸化炭素を管理するといっても、風通しを管理するのは難しい。湿度管理がなされていれば風の影響は小さいとも思えるが、葉の表裏の違いもあるのだから無視できないだろう。一般的な生育には影響しなくても、病気の発生には大きく関係しそうに思える。まだまだ解決すべき問題を抱えているという状況なのだろう。

記事には、ハウス内に密集して植えても病気になり難いトマトを、トキタ種苗が新しい品種未来116を用意したとある。トキタ種苗を知らなかった。国内の種苗の大手は、タキイ種苗、サカタの種、カネコ種苗、雪印種苗といったところだと思う。最初、トキタをタキイと勘違いしていた。規模の小さな会社は沢山あって、相互に補完し合うという商習慣が残る市場である。それでも中小の淘汰が進んだとされている。海外の大手とは規模が違うというのは、日本の農業市場の規模からすれば当然のことで、日本の種苗会社が輸出するというのも、日本の細かな品質対応を喜んで貰えない国なら、競争力は乏しいという結果になる必然性はある。


野菜栽培の経験がない人が1ダース集まっても枯らすだけというのは摂理である。

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