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2015年6月22日 (月)

公道レース開催後押し、自民が議員立法へ

自民党は6月22日の内閣部会などの合同会議で、公道での自動車レースの開催を後押しするための議員立法を了承した。国や地方自治体が迅速に道路使用に関する手続きをするよう求める。公明党や野党にも賛同を呼びかけ今国会に提出、成立をめざす。
現行法でも道路使用許可が出れば公道での自動車レースは不可能ではないが、複数の車が一斉に走るレースは安全確保などの面で警察の許可が下りないという。法案をまとめた自民党モータースポーツ振興議員連盟(古屋圭司会長)は、F1のモナコ・グランプリのような市街地での国際大会を誘致するなどして観光振興につなげたい考えだ。(日本経済新聞:6月22日)


国内の自動車レースについて考える。


公道での自動車レースを考えた議員は、モナコGPをイメージしているのだろう。しかし、モナコGPのコースは安全でなく、追い越しエリアの少なさから、自動車レースを行うのに適切でないという指摘が以前からある。F1がDFVのワンメークレースの様相 (無論、フェラーリは存在した) であった時代でもそうだし、1.5リットルターボ時代でもそうである。DFVなら400~500馬力であるが、ターボ時代は1,000~1,500馬力になっている。安全性とレースを現実的な経済性を持って運営する目的で、3.5リットル→3リットル→2.4リットルと自然吸気時代が続き、現在は1.6リットルシングルターボになっている。直近の変更で、800馬力から700馬力になったと推定されている。人間が制御して、現状あるサーキットで速く走らせようとすれば、この位の出力が上限になるようだ。なお、F1の重量は600kg以上となっているようだ。
国内のサーキット場の状況を確認する。小さなカートコースと比較するのも意味が無さそうだから、JAFの国内認定基準以上のコースで、サーキット場のコース長、営業開始年などをまとめた。結果を下に示す。

■ JAF国内公認基準を満たす国内サーキット場
    サーキット名          所在地   コース長  営業開始年  収容人数
  十勝スピードウェイ        北海道   5,091m    1993年
  スポーツランドSUGO       宮城県   3,737m    1975年     5万人
  エビスサーキット         福島県   2,061m    1986年
  筑波サーキット          茨城県   2,070m    1970年
  ツインリンクもてぎ        栃木県   4,801m    1997年
  袖ヶ浦フォレストレースウェイ  千葉県   2,436m    2009年     0.2万人
  富士スピードウェイ        静岡県   4,400m    1966年     11万人
  スパ西浦モーターパーク    愛知県   1,561m    2007年
  鈴鹿サーキット          三重県   5,807m    1962年     16万人
  セントラルサーキット       兵庫県   2,804m    1996年
  岡山国際サーキット       岡山県   3,703m    1990年
  オートポリス            大分県   4,674m    1990年

バブル期に企画された事業が多い。それ以前のものは、鈴鹿、富士、筑波、SUGOということで、財団法人が運営する筑波を除けば自動車会社が運営に関係している。バブル期のサーキットは次々に倒産し、支援を受けて再生している。オートポリスは1992年に倒産し現在は川崎重工が、岡山国際サーキットは2003年に民事再生法適用、十勝スピードウェイは2009年に自己破産と、コース長3,000mを超える規模の大きなサーキットは倒れている。
サーキット経営が大変そうなのは想像が付くが、どのくらいの売上があるかを確認したい。ツインリンクもてぎと鈴鹿サーキットなどを運営するホンダの子会社であるモビリティランドの売上高を確認した。上場企業でないので、ネットにある情報から拾ったものである。下に結果を示す。

■ モビリティランド3月度決算売上高推移 (単位:百万円)
   年     売上高    当期純利益
  2009    24,989      4,099
  2010    30,606     △4,348
  2011    24,885       ―
  2012    24,857       ―
  2013    24,410       275
  2014    25,131      1,438

売上高は250億円くらいと思って良い。二つのサーキット経営の他に、総合レジャー施設の運営を行っている。この手の100%出資の子会社の利益というのは、親会社が支援して出すようにすることがあるから、額面取りの評価は危険である。黒字経営で安定している会社ではないことが、ネットの情報からも窺える。

サーキット経営が大変な理由の分析もしないで、公道レースなら町おこしに使おうというのはあまりに短絡的である。会長の古屋圭司のブログを見たら、富士スピードウェイ視察というのが出てきた。ここには八校一宇先生もいっしょに参加しているが会員ではないようだ。自由民主党モータースポーツ振興議員連盟というのは53名の会員がいる。会則を見ると、趣旨として、

「自由民主党モータースポーツ振興議員連盟」は、自動車文化の向上と、先進国の中で著しく立ち遅れているモータースポーツを振興することを通じ、広く社会に貢献することを目的とする。


とある。公道レースを実施に向けるなら、どの程度の規模で行うかモデルケースくらい提示すれば良かろうと思うが、それは民間の仕事で、仕事をし易くするのが立法府の仕事という明確な分業意識があるのかもしれない。それで広く社会に貢献するなどと言って欲しくはないのだが。
駅伝や自転車のロードレースの開催も難しいようだ。自転車レースならスペースは小さいからそっちの検討も同時に進めたらどうだろうか。10kmくらいの周回コースを10周するレースなら、道路閉鎖は3時間くらいで済む。自転車の安全啓蒙活動と連携するという言い訳は、警察が反対し難い要素になるだろう。トラックレースだと公営ギャンブルに近い印象だが、ロードレースなら違ってくるだろう。起伏が必要だと山の方でやるのは結構だが、市民の目に触れない。多摩ニュータウンの中で周回コースを設定すればほどほど起伏もあって、差が付き易いだろう。まあ、住んでいる人には迷惑かもしれないが、それを何とかするのが政治というものだろう。老人世帯の割合が増えているというなら、別の意味で町おこしの必要がある地域ではないだろうか。


こいつら仕事をする気がないなと思わせるメンバーではある。心ここにあらずと言う。

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