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2015年5月10日 (日)

防衛相、沖縄知事と会談 辺野古移設が「唯一の解決策」

中谷元・防衛相は5月9日午前、沖縄県庁で翁長雄志知事と会談した。中谷氏の沖縄訪問は防衛相就任後初めて。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設は「唯一の解決策」という安倍政権の方針を改めて伝えた。県内移設反対を掲げる翁長氏は「かたくなに固定観念に固執するべきではない」などと強く反発し、会談は平行線のまま終わった。
中谷氏は会談で、海洋進出を強める中国を念頭に「沖縄が戦略的に極めて重要な地域だ」との認識を伝えた。日米合意に基づいて辺野古移設を進める安倍政権の方針について「普天間を固定化させない、というのは日本政府も沖縄も共通の認識だ。どう考えても辺野古に移設するというのは唯一の解決策と確信している」と強調した。沖縄の基地負担の軽減については、「米国と協議して実現可能なものから着実に実施している」と述べるにとどめた。翁長氏は「辺野古が唯一の解決策だと日米が固執すると日米安保体制に大きな禍根を残す。辺野古に基地建設は不可能だ」と強く反発。「(辺野古への移設は)絶対反対だ。途中で頓挫したらすべて政府の責任になるだろう」と述べた。翁長氏は、中谷氏が「いま話し合っても溝が深くなるだけだ」などと述べ、これまで会談に応じなかったとして「高飛車な発言が聞こえてきた」と批判した。(朝日新聞:5月9日)


中谷元の行動を考える。


翁長雄志は2014年12月に沖縄県知事に就任している。知事選においては、日本共産党・生活の党・社会民主党・沖縄社会大衆党・新風会の支持を受けている。対立候補の仲井眞弘多は、自由民主党・次世代の党が推薦している。全体の結果と基地の関係の関係する市町村と那覇市の投票結果を下に示す。

■ 沖縄県知事選挙結果
           翁長雄志   仲井眞弘多   下地幹郎   喜納昌吉
  ---------------------------------------------------------
   合計      360,820     261,076     69,447      7,821
  ---------------------------------------------------------
  嘉手納町     3,548       2,895       341       66
  宜野湾市     21,995      19,066       3,959      464
  名護市      17,060      12,274       1,961      281
  宜野座村      1,832      1,178        137       31
  ---------------------------------------------------------
  那覇市      90,284      53,449      17,735     1,826

翁長雄志も仲井眞弘多も那覇市の出身である。特定の地域での強さというのが選挙結果に効いたということでもなさそうである。ほとんどの市町村で翁長が勝っているのだが、負けた地域もある。市としては、石垣市 (8,992 / 9,363)、宮古島市 (6,879 / 8,826)で仲井眞に負けている。島尻郡の村でも負けていて、全体として41の市町村で、26勝15敗 (勝ったのはすべて仲井眞) という結果であった。無効票も含めた投票数が 704,368票で、翁長はこの過半数を獲得している。言訳をする内容にはなっておらず、結果は基地反対で決まったと読んで良い。

米軍基地の在り方を問うて当選したのだから、知事就任後東京を訪問している。2月の訪問では、外務省、防衛省に知事は行ったのだが、いずれもとも、大臣、副大臣に面会は叶わなかった。中谷はこの時既に大臣であった。無論、安倍にも菅にも会ってはいない。
それを今更という時期に面会しても何も良い結果を得られはしない。それならなぜ2月に会わなかったのだろうか。在沖米軍における軍別面積の割合で、海兵隊 75.7%、空軍 8.9%、海軍 1.1%、陸軍 1.6%、共用その他 12.5% となっている。一番大きな海兵隊は日本に居るのは1/4程度だろう。想定しているのが中東の有事だから、沖縄の基地は訓練に不向きということだ。そこで基地の拡大もないものだと主張されると、反論することが出来ない。それも、翁長はもともと自民党の人間である。

反対されるというより、相手にされないのを承知して相手する中谷も大変である。あるいは、神経も面の皮も図抜けた人物であるのかもしれない。防衛大学校と陸上自衛官で培ったことかは分からない。制服組出身なら、沖縄の基地が重要だとする根拠を説明すれば良い。沖縄という地域が重要というなら、想定される有事は、朝鮮半島、中国と台湾、加えて中国の海洋進出となる。この有事に対応するのに相応しい軍の構成なのかを説明すれば良かろう。これでも必要というなら、翁長との交渉の余地は出てくる筈である。中谷は、再編はもっぱら米軍の計画に基くもので、日本は関与しないと説明するつもりだろうか。ところで、重要性とやらは誰が決めるのか。担当大臣が説明しなければならないことが幾らもある。
それならばと、翁長はワシントンに向かうことになる。当然、日本政府も想定していて、外交はプロトコルで動くものだから、沖縄県知事にワシントンが対応するには、駐日大使であるキャロライン・ケネディからの要請が必要になる。これを止めて置けばワシントンが対応することはない。マスコミがワシントンに行っても空振りするだけというのはこれが理由である。沖縄県知事もそれは想定していて、真の狙いは、沖縄が日本からは捨てられ、米国からは植民地のように扱われている地域があることを、国際社会に訴えるのだろう。現在の日本政府は人権意識が低いというのが国際評価であるから、これと米国をつなげればイメージ戦略としては非常に効果がある。安倍といっしょの評価は、自由と平等の国には屈辱に近いものだろう。ここら辺りから活路を見出すことになる。

米軍の制服組は沖縄の重要性を引き続き主張することだろう。しかし、制服組は決まれば従うものである。それが制服組の秩序の基本だ。制服組を相手に交渉しても妥協を得られる筈もない。本丸は人権意識にあるということである。


上の顔色を窺って2月に沖縄県知事に会わなかった中谷は、制服組で政治家ではない。

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