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2015年5月20日 (水)

スポーツタイプの電動アシスト自転車 ヤマハ発動機

ヤマハ発動機は6月22日、スポーツタイプの電動アシスト自転車「PAS VIENTA5」を発売する。スポーティーさと実用性を両立させた。フレームの形状を女性でも低く乗り降りしやすいよう工夫し、爽快感のある走行を楽しめる内装5段変速を採用した。自転車と接続しているサークル錠があることで通勤や買い物でも気軽に使いやすい。幅広い年代が楽しめるスタイリッシュなカラーリングを採用した。希望小売価格は税別12万円。全国の自転車販売店で発売する。1年間で4500台の販売を計画する。(日経QUICKニュース:5月20日)


電動アシスト自転車について考える。


自転車の性能は、エンジンは自己責任になるから、車重と転がり抵抗を決定するタイヤサイズで決定することになる。自転車の車重は、記事の自転車に近いクロスバイクで10kg前後である。形だけ似させて13kgあるモデルもあるが、重い癖に剛性も低いとなると粗悪品ということになる。価格もその程度なら受け入れなければならないということか。PAS VIENTA5の車重は20.6kgである。軽くないが、快速車の代表的な車重も20kgくらいだから、電池とモータ付きでこの重量は頑張ったというところである。参考の為に記すと、同じ8.7Ah電池のモデルのPAS CITY-S5の重量が25.1kgである。
タイヤサイズはというと、PAS CITY-S5が27×1 1/2WO、PAS VIENTA5が26×1.5HE となっている。タイヤ外径を1サイズ落としている違いがある。タイヤの幅については同じ1.5であるが、WOがワイヤードオンという英国、フランスの規格であり、HEがフックドエッジという米国の規格で、ビード部の形状が異なりWOと互換性はない。同じサイズの場合、HEの方がWOより一回り小さい。
26インチサイズでHE規格のタイヤを採用している例は少ないようだ。HE規格は小径で多いようである。ヤマハがHE規格を採用したのは、タイヤ幅を狭くして転がり抵抗を小さくするのに最適と判断したからだろう。WOが多く流通しているだけで、入手が難しいという訳では無いから実用上問題の範囲での最適な選択ということになろう。
26インチにしたのは重量対策で、タイヤ規格の選択は転がり抵抗を意識しているようだ。転がり抵抗を重視すれば27インチになる。これだと20kgを超えて、その結果タイヤ幅も広いものになる。つまり、PAS CITY-S5に限りなく近付く。これだと、スポーツタイプの称号が怪しい話になる。ただでさえ、無関係な自動車ブランドを使ったり、恰好だけはスポーツタイプだが早くないという商品が市場に溢れている。この列に加わるのは容易だが、ヤマハのブランドを傷付ける心配がある。そうはいかないところである。

電動アシストには規制がある。電気だけで走ったら電動バイクになるから、必ず人力があることが求められる。規則では10km/h未満の低速度においてペダルを踏む力と電動補助力の比(アシスト比)が最大で1:2まで許される。10~24km/hでは走行速度が上がるほど電動補助力が減少し、24km/hでは電動補助力が「0」になる。この間の補助力は速度に対して直線的に減少する。バッテリがなくなったらただの重い自転車になるが、PAS VIENTA5では、一般の快速車くらいのイメージだろう。
ロードバイクに用いられるタイヤサイズは700Cであるが、インチ表示すれば28インチに相当する。自転車は標準化作業がなされないまま市場が拡大した商品であり、いろいろな規格が並立している。インチ表記のもの (英、米系) と、メートル表記のもの (仏系) がある。イタリアはフランスと同じ規格と思って良いが、英と米とは違いがある。自転車の部品の仕様を眺めていると、国際標準というのは必要だと感じる。
700Cでは、幅が20mmから45mm程度まである。1.5HEはインチ規格だから、38㎜幅に相当する。転がり抵抗の小ささには、幅が狭いことが好ましいから、街で見掛けるロードバイクは25や28の幅が多いようだ。23までいくと走ること以外に目的がない世界に入っていく。幅が狭いのは良いことばかりではなく、荷物を積むことや、段差でのパンクの発生などを考えれば問題もある。幅が広ければ安定性も増す。20kgの車重があれば32mmは実用性を損なうだろうが、スポーツと名乗るなら35mmでも良さそうである。

重量を減らすにはフレーム素材を変更するのが基本になっている。代表的な素材がクロムモリブデン鋼である。特に表記の無いものはこれである。軽くするとなると、アルミ合金やカーボンが候補となる。アルミ合金は軽く、剛性が高くなるので有利な点が多いが、実用車として考えると、振動吸収性がクロムモリブデン鋼に比べ劣ることで乗り心地が悪くなることや、アルミ素材の金属疲労の進行が発生することで、一般モデルとして販売するには不安がある。炭素繊維は振動吸収性が優れるし、軽いから性能上好ましいが、保守性に専門性が必要など別の課題もある。

この国の良質な自転車を広く普及しようと考えるなら、カーボンフレームの標準化を行えばよいだろう。炭素繊維の先進技術を有しているのだから、自動車の羽根に使って喜ぶような一部のマニア向けに留めていてはいけないだろう。スポーツタイプと実用の中間くらいの狙いを定めて標準化したフレームを決定すれば良い。標準化すれば高いカーボンフレームも安くなる。その先でより実用的に振るか、スポーツ指向とするかは組み立て会社が決定すれば良い。もちろん、フロントフォークもカーボンである。先端技術は実用品に適用することで新たな価値を生むものである。


電池とモータ付きで12万円なら、5万円の軽い自転車でエンジンを鍛えるのが理性である。

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