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2015年5月11日 (月)

相続税の申告要否、国税サイトで判定可能に

国税庁は5月11日、相続税の申告手続きが必要かどうかを判定できるコーナーをホームページ(HP)に開設する。法定相続人の数や相続する財産金額などを入力すると、判定結果が表示される仕組み。入力結果が一覧になった「相続税の申告要否検討表」は印刷できる。国税庁は「申告の要否を調べる目安として活用してほしい」と呼びかけている。
相続税は、亡くなった親や配偶者らの財産を受け継ぐ際にかかる税。財産の合計金額が基礎控除額を超えた場合は申告が必要になる。今年1月の税制改正で、非課税枠である基礎控除はこれまでの「5千万円+1千万円×法定相続人数」から「3千万円+600万円×法定相続人数」に4割縮小。課税対象者は大幅な増加が見込まれている。(日本経済新聞:5月11日)


相続税について考える。


以前の規定であると、基礎控除が5,000万円で、相続人×1,000万円であったから、相続人が子供2人のような場合で7,000万円まで非課税であった。サラリーマンの生涯所得が3億円と言われていたが、最近はもう少し低いという話もあるようだ。この金額の二割を死亡時に残した場合には税金が生じないというレベル設定であった。当然、これに該当する人は少なく、被相続人基準で 5%程度が納税対象となっていた。新しい基準だと同じ条件で、4,200万円となる。これなら 10%を超えるだろう。想像の根拠は、住宅を持っていて、万が一に備えた資金を1,000万円あれば届きそうな額であるからである。
もちろん相続税にはいろいろな減免措置がなされている。中小企業のオーナーである社長が亡くなった時に、相続税を支払う為に企業を解散しなければならないとか、農地に関わる相続税の支払いが困難で子供が農業を継続できないといったケースが過去に問題になったからである。企業の融資を社長が個人保証するのが当然とする制度にも問題があるのだが、日本の金融というのはこんな保証によって保たれているのだろう。きっと個人保証を禁止する法律が出来ても、数年後には普通に企業融資がなされることになると思う。その程度の話であり、金融機関の臆病さを示しているところでもあるn。
課税対象が7,000万円から4,2000万円になって、これで税務当局が満足するかというとそうはいかない。そう遠くなく3,000万円程度まで引き下げることになるだろう。相続税・贈与税の税収は、年間1兆5,000億円程度である。1993年には3兆円近くあったの半減している。バブルの影響によるもので、最近十年は同じ様なレベルである。年間150万人の被相続人が出るとすると、被相続人1人当りの納税額は100万円となる (贈与税は無視した)。実際には20人に1人しか納税しないから、納税対象者平均としては2,000万円となる。上の例に従えば、1億円を超える相続財産があったということである。
1億円も財産がないから関係ないと思うのは当然であるが、相続税が大きくなったのは政府の無策と言って良い都市開発が招いた結果と言って良い。都市近郊で少しの土地 (住宅用には大きいという意味) を所有していたら、いつのまにか1兆円になったという例はいくらでもある。都市計画法の適用内で農業用に10アールを持っていたとして、平米単価が30万円なら3億円である。こんな土地を所有しているのだから当然だとする意見もあるだろうが、1アール程度の土地で農業をするというのは、広めの家庭菜園に過ぎない。周囲の環境のよる因子を考慮すれば、農業を行うというのは10アール (若干の違いは無視して1反と呼ぶ) というのは最少単位である。農地を取得する条件として農水省が科している条件に、50アール以上の農地面積というのがある。10アールがそれほど大きなものでもないのが分かる。買ったときは1,000万円であったものが、四半世紀経ったら30倍になったという話である。30倍のような土地はそんなにないだろうというなら10倍でも良い。値上がりした理由は、市場の需給バランスによる因子ではなく、有限な土地の価格を決定している最大の因子が政策である。土地の値段を無策によって値上げさせておいて、課税する (当然、途中で固定資産税を課していた) というのは如何なものか。

将来、相続税は一律課税の方向に向かうだろう。基礎控除を1,000万円程度まで下げ、二割程度の税率を設定する方が理解を得やすくなる。金持ちの税金を安くして、貧乏人から税金を取ると批判するだろうが、そもそもその財産は課税を経て作られたものである。蓄えをして老後に備えて、それが余ったものに課税する。逆に、蓄えなどせずに浪費して、老後は生活保護を受けるというやり方が推奨されるというのは、それこそモラルハザードというものだろう。浪費が景気を活発にするとするならそれで良い。それなら生活保護には、それ以前の納税額に連動するポイント制にでもしなければならない。その先にあるのは、貧富の差の固定化である。
生前贈与の方法を加えたりと複雑化していっているが、この複雑化が貧富の差を固定化する流れを作っているように見える。相続税を廃止したら子供たちが親の面倒を見るようになるかもしれない。強いインセンティブが発生するのだから。これこそは、一部の保守政治家の思い描くような世界である。金でつながっていても、家族であるのだから、ということで、ひとつの家族のように仲良く暮らしていける国と、なんだかフィクションにしか思えない世界を提案すれば良かろうにと思うのである。


何はともあれ、課税について明確にするのは良いことである。

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