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2015年5月27日 (水)

日・タイ、高速鉄道で覚書締結 日本勢4社が関心

太田昭宏国土交通相とタイのプラジン運輸相は5月27日、タイが計画する高速鉄道に日本の新幹線技術の導入を前提に、共同で事業調査する覚書を締結した。国交省によると東日本旅客鉄道(JR東日本)、三井物産、日立製作所、三菱重工業の日本勢4社が受注に関心を示しているという。
タイの首都バンコクと北部の観光都市チェンマイを結ぶ総延長約680キロメートルの路線が対象。沿線の観光地需要も考慮してルート選定などの事業調査を実施する。巨額な事業費が必要になるため、日本側の金融支援のあり方も検討していく。併せてタイ国内の在来線の改良や貨物輸送サービスの効率化などでも協力することで合意した。(日本経済新聞:5月27日)


タイの列車事情について考える。


タイ国鉄は、総延長 4,041kmである。日本の国鉄が最も営業距離が長かった時代で20,922km (JRに変わる直前の1987年で19,639km) であるから、タイでは日本のように細かく列車網が発展するものとは異なっている。タイ国鉄の路線は、北本線、南本線、東北本線、東本線で構成される。幾つかの支線もあるが、それは考えないことにする。
すべてバンコクが起点の路線である。南本線はマレーシアに向かう路線で 1142.99kmの距離がある。バンコクからマレー鉄道でシンガポールまで繋がっていると思っていたが、タイとマレーシアの国境での直接の接続はない。今回の記事は、この次に長い北本線が扱われている。

タイの鉄道が走っている地域は、川はあるものの険しい山はなく、道路の整備によって移動手段の主役はバスに移っている。バンコクとチェンマイの距離は、東京―姫路間より長い。この距離をバスで移動するというのは日本では考え難いが、東京と大阪ならバスで移動することもある。このイメージで考えれば良かろう。
バンコクからチェンマイに向かう手段は三つある。鉄道、バス、飛行機である。所要時間は、鉄道とバスが10時間、飛行機が1時間というところである。バスと鉄道が同じというのもあんまりな気がするが、日本のように高速鉄道が当たり前が、当たり前でないのが国際標準というものなのだろう。新幹線もガラパゴスと呼ぶのだろうか。料金は、バスが900バーツくらい、鉄道が一等個室寝台で2,000バーツくらい (二等寝台なら900バーツ)、飛行機が往復4,000バーツくらいだから、バスが安くて鉄道と飛行機は同じくらいということになる。飛行機は1日10便飛んでいるが、鉄道は3便のみである。

東海道本線で東京―大阪間をビジネス特急こだまが登場したのが1958年で6時間50分であったという。タイの鉄道の安全装備も、もしかすると日本の半世紀前に近い水準であるかもしれない。タイでは少し前に洪水で大きな被害が出た、これは海抜の差が小さい、つまり傾斜が小さいことによる。バンコクの海抜が1.3mで、北に70kmのアユタヤは海抜4.8m、チェンマイの海抜が310mである。バンコク―アユタヤは1kmで5cmしか下がらない。バンコク―チェンマイなら 50cm程度である。雨量の多い地域でもある。洪水対策も必要になるだろうが、現実的には高架にするのだろう。タイは比較的地震の少ない国だが、近年チェンライ (チェンマイの北部) を震源とする地震がある。地震のマグネチュードは6.0で過去最大級 (ただし、震源は7.4kmと浅い) というから、地震の心配は日本に比べれば低いと言えるが、何も問題ないというほどの安定な場所でもない。バンコク―チェンマイを4時間で、1日10往復走るようになれば状況も大きく変わるだろう。タイ国鉄は貨物用に近いので、近代的な鉄道による人の輸送を考えれば新たな価値が生まれるかもしれない。


タイの駅は見たことがあるが、列車が見たことのない理由が分かった。

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