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2015年5月15日 (金)

「軽減税率」反対を再表明 スーパー業界団体

スーパーの業界団体、日本チェーンストア協会は5月15日、食品など生活必需品の消費税率を低く設定する「軽減税率」の導入に反対すると改めて表明した。「対象範囲の線引きが不明確になり不公平を生む」としている。
食品スーパーの団体である日本スーパーマーケット協会も反対を表明している。一方、ドラッグストアの団体は税率が10%になった際には大衆薬や食品に軽減税率を適用するよう求めている。日本経済新聞:5月15日)


軽減税率について考える。


消費税は複雑でない方が良いと考える。だから、軽減税率は筋が悪い方法だと認識している。低所得者に負担を強いるという意見があるが、累進性の課税のみで済まそうとするのが難しく消費税導入に至っているのだから、ここまで戻す議論は税体系全体の話になる。消費税導入前の課税方法である物品税に戻って考えれば、贅沢品に課税し、日常品に課税しないという意味において、軽減税率導入を目指す立場の人達の理想郷である。しかし、『黒ネコのタンゴ』は課税、『およげ!たいやきくん』は非課税、『めだかの兄妹』は課税ということを思い返せば、この煩雑さをどうしてくれようかと感じる筈だ。(レコードは一般的に課税であったが、教育に配慮して童謡と判定されれば非課税とされたことによる) 物品税は自動車でも複雑に設定されていて、普通乗用車が23%、小型乗用車が18.5%、軽乗用車が15.5%であった。一方、商用車は原則として非課税で、軽ボンネットバンについては非課税が幅広く普及した為に5.5%課税に変わっている。この引き鉄になったのが、1979年にスズキがアルトを本体価格47万円で売り出したことで、高級志向の軽自動車が大きく変化させた。最新のアルトの価格は、85万円からということである。200万円に届こうという軽自動車があるなかで、正しい動き方であろう。(スズキのソリオは200万円モデルであるから、高い製品がないということではない) 軽自動車を地方の足として重要だとして、税制上の優遇措置を残したいのなら当然である。

話が逸れた。軽減税率の実施によって複雑になるのは必然である。この複雑さで生じるコストは販売する商品に反映されることになる。便乗値上げと呼ぶ向きもあるだろうが、コストが生じたのだから吸収する手段を取らなければ経営の継続が困難である。消費税関係の仕事を便利にするという、会計や売上システムに関係している業者は新たなビジネスチャンスが発生する。ここに行く金も、野菜や魚を買った消費者からのものであるということを理解すれば、弱者保護という美しい言葉には、金の流れが弱者に向かわない真実が隠されている。
消費税の納税義務のある業者を確認する。現在の規定では、課税売上高が1,000万円以下の事業者は納税の義務が免除される。この上に簡易課税制度が設定されている。課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることが可能となる。
コンビニエンスストアを例に取ると、店舗当たりの平均売上高は、大手チェーンのセブンイレブンが2.3億円、ファミリーマートで1.8億円、ローソンで1.7億円ということろである。以前このブログで使った資料であるから、2010年頃の実績であろう。現在は店舗の大型化に向かって進んでいるようだから、この金額より増える方向であるだろう。何を言いたいかというと、街で見掛けるコンビニエンスストアの売上高がこれくらいということである。八百屋、魚屋であれば営業時間も短く、店舗面積も小さくなる。個人商店が簡易課税の限度ということになる。このような店で、全ての商品が非課税になれば簡易課税で処理できるだろうが、ジャガイモは軽減税率だが、スイカはダメだとか、サンマは軽減税率だが、タイはダメなどという条件が加わると、通常申告することになるだろう。
税金を納めるのは義務であり、正しい申告を行うのは当然求められる行為である。しかし、軽減税率という弱者保護の美しい制度が、実は中小企業の経営を圧迫することに繋がりかねないことも理解する必要がある。もちろん、体力のある大型チェーンであっても、コストは吸収しなければならないのだから、安いものを求める消費者に資金を求めることになる。

日本スーパーマーケット協会は2014年7月にも軽減税率反対を表明している。日本チェーンストア協会も同様である。逆の意見もあって、ドラッグストアの団体は税率が10%になった際には大衆薬や食品に軽減税率を適用するよう求めている。薬はレギュレーションの厳しい商品であるから、複雑化するのに対応する準備が取りやすいという事情なのだろうか。
電子マネーで補助金を出して、軽減税率の対象品を購入する場合に使えるというのが良い方法に思える。電子マネーの広がり具合が都市部では進んでいるが、地方ではそれほどではないという状況や、高齢者の対応の問題も考慮しなければならないから、すぐに行えるものでもない。マイナンバー制度が軌道に乗ったら、これに電子マネーを付加すれば少額の還付金に使える。行政は考えているかもしれないが、どこでオペレーションするかとなると悩ましい問題ではある。個人情報の観点からすれば、マイナンバーとのひも付きは難しいか。


CCCが還付金をT-POINTで対応するようにするかもしれない。

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