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2015年5月14日 (木)

ハローワークで就職の障害者、最多8.4万人 14年度

2014年度にハローワークを通じて就職した障害者は前年度比8.6%増の8万4602人だったことが5月14日までに、厚生労働省のまとめで分かった。調査を始めた1970年度以降の過去最多を5年連続で更新した。
同省は企業に義務付けられる障害者雇用率(法定雇用率)が13年度に1.8%から2.0%に引き上げられたのを受け、企業が採用に積極的になり、障害者の就労意欲も高まっていることが背景にあるとみている。障害者の新規求職申込者は前年度比5.7%増の17万9222人。就職者数を求職者で割った就職率は同1.3ポイント増の47.2%だった。(日本経済新聞:5月14日)


障害者の就職について考える。


厚生労働省がまとめている障害者の職業紹介状況について推移を確認することから始める。結果を下に示す。就職率は、就職件数を新規求職申込件数で割ったものである。

■ ハローワークにおける障害者の職業紹介状況推移
  年度  新規求職申込件数 有効求職者数  就職件数   就職率
  2001       83,557      143,777      27,072     32.4
  2002       85,996      155,180      28,354     33.0
  2003       88,272      153,544      32,885     37.3
  2004       93,182      153,984      35,871     38.5
  2005       97,626      146,679      38,882     39.8
  2006      103,637      151,897      43,987     42.4
  2007      107,906      140,791      45,565     42.2
  2008      119,765      143,533      44,463     37.1
  2009      125,888      157,892      45,257     36.0
  2010      132,734      169,116      52,931     39.9
  2011      148,358      182,535      59,367     40.0
  2012      161,941      198,755      68,321     42.2
  2013      169,522      207,956      77,883     45.9
  2014      179,222      218,913      84,602     47.2

記事にある通り、企業が採用に積極的になっていて、障害者の就労意欲も高まっているのだろう。しかし、それを法定雇用率に求めるには疑問もある。役所の手前味噌資料をそのまま引用しているのではないかと意地悪に思えてしまうのである。視点を変えて、障害者の分類による就職件数の推移を確認したのが下である。

■ ハローワークにおける障害者別の就職件数推移
  年度     身体障害者    知的障害者   精神障害者   その他の障害者
  2001       18,299        7,069        1,629         75
  2002       19,104        7,269        1,890         91
  2003       22,011        8,249        2,493        132
  2004       22,992        9,102        3,592        185
  2005       23,834       10,154        4,665         229
  2006       25,490       11,441        6,739         317
  2007       24,535       12,186        8,479         365
  2008       22,623       11,889        9,456         495
  2009       22,172       11,440       10,929        716
  2010       24,241       13,164       14,555        971
  2011       24,864       14,327       18,845       1,331
  2012       26,573       16,030       23,861       1,857
  2013       28,307       17,649       29,404       2,523
  2014       28,175       18,723       34,538       3,166

障害者が仕事をするのは良いことである。障害者自身にとっても良いし、社会全体から見ても良い。家の中に篭っているのをよしとする時代があったようだが、強い差別意識があってのことである。少し前にこの国の大臣が、身体が動かない寝たきり状態になる前に死にたいというような発言をしていた。寝たきりは生きる価値がないに等しいという差別思想の持主であると、批判されることはなかったと記憶する。つまり、動きが制限される事態が大きくなってまで生きても仕方ないというのは、この国の多数の潜在意識にしっかりと根付いているようだ。逆に表現すれば、いつ表に顔を持ち上げないとも限らない強い差別意識が、保持され続けているということになる。差別意識の話を想像してもきりがない。障害者の社会進出が、福祉関係の支出を抑制することに繋がると理解すれば、単純に賛成できるだろう。それを実現する為の過剰ともいえる設備整備に、生産量の増加と見合っているかという意見もあるかもしれない。一定レベルのインフラ整備は、リターンの大きさで評価すべき仕事ではない。
障害者数の増加による因子が影響しているのではないかという疑問も出てくる。厚生労働省の資料で比較していた。結果を下に示す。

■ 障害区分による障害者総数の変化 (単位:万人)
  身体障害者    317.7 (1996年)    351.6 (2001年)    366.3 (2006年)
  知的障害者     41.3 (1995年)     45.9 (2000年)     54.7 (2005年)
  精神障害者    217  (1996年)    258.4 (2002年)    323.3 (2008年)

精神障害者の総数は増加している。母数が増えて、法規も変わって、仕事に就く者が増えたという図式での理解も可能である。しかし、身体障害者の人数の増加に比べれば就職件数の増加割合が大きいのだから、そんな意地悪な見方をしなくてもよいと思う。知的障害者についても同様である。

障害者が仕事をするのは結構なことというより、障害者であっても仕事をしなければならないと考える。気の毒な人という憐れみは、確実に差別を生む。障害があることで可能な行動に制限があるが、健常者においても行動範囲の大小は個体差としてある。個体差の大きさを拡大を社会が受け入れたとすれば、障害者だからという言い訳は存在しない。障害を個性と同じように扱う社会にしなければ差別は消えないし、障害者の社会進出も自ずと限界が来てしまう。
駅の階段を昇るのには、障害者でなくても、老人や幼児連れの母親でも不便である。これをなくせと、1日の利用者が1,000人に満たない駅まで対策するというのは経済的に難しい。経済的という言葉で中央突破できる理由は、営利事業の事業主に負担を求めているからである。それなら駅を閉鎖するという判断も出てきて当然だが、そこは許認可制度が活きてくる。いまだに、この国には麗しき行政指導が生きている。
すべてバリアフリーにしろというのは非現実だと思う。段差があって困っている車いすの人がいれば、押せばよいだけの話である。しかし、車いすを押さねばならない法律を設けるには抵抗がある、というより嫌悪感を覚える。自分の行動倫理は、法律などという低俗なものに縛られない。法律に書いてないからやって良いという行動指針があるようだ。こんなつまらないことばかり、怪しいグローバルスタンダードに準じるようになったようだ。

地方議会で、保守も革新も福祉の充実を宣うている。障害者も老人も働けとなぜ言わないのだろうか。楽することが最大の喜びだというのは、この国に昔はなかった価値観であるだろう。働きなさい。働く環境は政治が整えますということはいけない話だろうか。怠け者を賛美する国になっても仕方ない。老人ばかり増えても、老人が働けば労働人口の減少は少なくなる。長時間働けというのではない。力仕事をしろというのではない。個性として許容する範囲を拡大したのだから、その枠で考えれば良い。生産金額の大小だけで判断するというのでは、自由経済に脳みそを支配されてしまっている。


道徳の授業に点数を付けて、次に来るのは鎖国だろうか。その前に政治家の思想教育か。

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