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2015年4月 6日 (月)

基地移設、埋まらぬ本土との溝 翁長知事は激しく反論

米軍基地の移設問題をめぐって対立する安倍政権と沖縄県のキーパーソン同士の初会談は、平行線のまま終わった。翁長雄志知事は菅義偉官房長官に、語気強く沖縄の民意を訴えたが、埋まらぬ本土との溝に、県民の不満は膨らむ。 「上から目線」「政治の堕落」「国民を洗脳」――。翁長雄志知事が菅義偉官房長官に投げかけた言葉には、社交辞令のかけらもなかった。
4月5日午前9時半、那覇市のホテル。小学校の教室より一回りほど狭い会議室に、100人近い報道陣や国、県の職員が詰めかけ、廊下にまで人があふれた。 翁長氏が先に部屋に入り、菅氏を迎えた。2人は「どうも」と短く言葉を交わすと、テーブルを挟んで向かい合って座った。 まず菅氏が約15分、手元の原稿をベースに考えを述べた。基地負担軽減を強調し、「辺野古が唯一の解決策」などと国の主張を語っていく。翁長氏はあまり視線を合わさず、メモに書き込みをしていた。 そして翁長氏の発言する番。約15分にわたり、激しい口調で反論を展開した。 「国民や県民を洗脳するかのように『唯一』とおっしゃるが、辺野古ができなければ、本当に普天間は固定化されるのか」。菅氏が普天間を「世界一危険」と評したことを受け、固定化を許すのかとただした。 菅氏が辺野古での作業を「粛々と進める」と繰り返してきたことに対しては、「問答無用という姿勢が感じられる。上から目線の『粛々』という言葉を使えば使うほど、県民の怒りは増幅していくと思う」。在沖米軍の抑止力についても、中国を念頭に「ミサイルが発達している」とし、「米軍はもうちょっと遠いところに行きたがっているのでは。日本がかえって止めている」と批判した。 菅氏が政府の立場を淡々と述べたのと対照的に、翁長氏は日ごろあまり見せない身ぶり手ぶりを交えて熱弁。菅氏は表情を変えずにテーブルの上で両手を組み、小声で「うん、うん」と何度もうなずいていた。(朝日新聞:4月6日)


沖縄基地問題について考える。


1月7日に沖縄県知事が、当時農相であった西川公也にサトウキビ交付金の要請をする意向だったが、面会を断っている。沖縄の自民党県連も翁長知事に非協力的な態度をとっている。県知事に対する政府の対応として問題があるのではないかと、物議を醸したものである。沖縄では、キビ農家など県民から「黙っておれない。植民地扱いだ」という声が出たというし、自民党県連に対して、「(県民同士で)足を引っ張り合っては駄目だ」と指摘する牽連経験者もあったという。政府の対応について、地方自治法に違反するのではないかとする声も識者から出たようだ。地方自治法の第一条を下に示す。

■ 地方自治法 第一条
この法律は、地方自治の本旨に基いて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体との間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする。

細かな規定について議論するつもりはないが、妥当性を欠く対応であるのは間違いないところだろう。選挙で支援した候補を倒したのが知事だから協力しないというのは随分な態度である。逆に言えば、何とも自民党的ではある。最近のと付けないといけないのかもしれない。いずれにせよ、宮古島がサトウキビで生計を立てていて、大きな影響があると言う事実は動かない。沖縄のサトウキビを保護する必要があるかどうか、あるいは、どういった保護が可能かということはいろいろな意見があったよいテーマである。TPPで得られる利益もあれば、失うものもある。その中で何を選択するかは、密室で決定されるべきものではない。話を聞かないというのは、お話にならない。

1月に会わなかった本当の理由は、記事にある基地問題に反対の知事を懲らしめようという浅はかな考えがあったからである。前の知事である仲井眞弘多が、札束で頬を叩かれて命令に従ったのに対し、翁長雄志は刃向うから気に入らないという論理もまた何とも自民党的である。(最近の、は任意に解釈するとして省略する)
辺野古埋め立てに反対する翁長は、知事選でこの問題を全面に出して戦い、そして勝利した。それは県内の問題に過ぎず、国防上の重要課題は国が判断するという論理をもって、横車を押すことに恥ずかしさは感じないようだ。自民党的なということか。アメリカとの信頼関係なる言葉が菅義偉からあったと記憶する。卑屈な態度である。
アメリカ軍が中東地域に出兵する論理に、民主的な政治の実現というのがある。独裁的で自由が制限されている国に、民主主義を定着させることが国際的な平和の実現につながるという考えである。この論理は素朴であると思うが、アメリカと言う国が素朴な論理で成立しているのだから当然である。彼らの論理の根底に、国民が民主的な方法で公正に決定された事項は尊重されなければならないという principle (原理、原則) が横たわっている。これは交渉するという類の話ではない。国益が短期的に損なわれることがあったにせよ、principle を崩すことなどない。その行為は、彼の国の国体を崩壊させるほどの問題なのである。
アメリカ軍関係者は、国防上の重要な要件と説明するだろう。アメリカ政府も公式見解としては、計画通りに実施されるものと考えると言うだろう。基地移転に関わる諸問題は日本の内政に関わる問題であるのだから、アメリカ側から指図する筋合いのものではない。ということは、政府の最初の仕事は、沖縄県知事選挙において、沖縄県民は基地移転に関して明確な民意が示されたので、これまでの計画を修正する必要があると説明することである。その上で基地を作ることを強要するのなら、アメリカは自由を愛する国ではなく、どこぞの国が揶揄するように帝国だということである。

現実的なアメリカの防衛上の戦略として、基地を危険地域に集中する方式を、危険地域外を含めて分散させる方式に改めようとしている。アメリカの仮想敵国は、北朝鮮と中国になる。緊急度の高いのは前者であるが、この国の有するミサイルの射程距離内に集中的に基地を置くと言うのは危険が高い。ミサイルの距離が伸びたことを考慮すると、現実的な範囲に置けないことになるが、次善の策として距離の離れた地域に同程度の能力のある基地を設けて、有事に補完し合う体制を構築するというのがリスクの点で求められる。中国の海洋進出に対しても、沖縄一極集中は好ましくない。南北東から取り囲むようにするというのが防衛上のセンスというものだろう。
防衛上の将来像を理由に基地移転を変更させるというのは、相互の信頼関係を傷付ける行為であるが、民意というのはステージの違う決定事項である。菅はどこを向いて考え、判断しているのだろうか。


自衛隊をアメリカ軍のコマにするにしても、相応の準備期間を要するものだろう。

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