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2015年4月13日 (月)

91歳最年長、25歳若手に託す 相模原市議選

4月12日に投開票された相模原市議選(南区、定数18)で、首都圏の議員候補で最高齢の91歳現職は議席を逃し、初当選した平成生まれの25歳に「社会のために尽くしてほしい」と託した。
「介護改革などを実現し、四年後の選挙に一人でも多く行ってもらえるよう頑張りたい」。十七番目で初当選した鈴木晃地さん(25)は十三日未明、小田急相模原駅近くの選挙事務所で決意を語った。その少し後、十二期連続で当選してきた溝渕誠之さん(91)は一票差で落選が決まり、市内の自宅で支援者数人を前に「選挙は天の声だから仕方ない。四月から始めた認定こども園に本腰を入れ、新しい人生を切り開きたい」。代わって政治の世界に飛び込む鈴木さんに「資質があるかないかは、年齢ではなく、社会のために活動することに情熱を持てるかどうかだ」とエールを送る。
鈴木さんが政治を目指す原点になったのは、高校三年の夏休みに経験したボランティアだった。十七歳、同級生は大学を目指していたが、やりたいことが見つからず、母の知り合いのケアマネジャーから誘われてお年寄りの話し相手になった。「ありがとう。また来てね」。人に感謝される喜びを知った。地元の福祉専門学校で介護を二年間学び、東海大健康科学部社会福祉学科の三年に編入。「社会保障が破綻の危機にあるのに無関心な人が多い。自分たちの世代が声を上げなければ」と政治家を志した。初めての選挙、告示後に駅頭で演説していると、中年男性から「期日前投票で入れたのは、将来のためだ」と激励された。自分が出ることで同世代の若者にも投票に行ってほしい。低投票率の原因は、政治家が選挙のときにしか姿を見せないからだと思う。「どんなに忙しくても、週に一回は駅頭に立って活動報告をしたい」と誓う。(東京新聞:4月13日)


地方議会議員選挙について考える。


相模原市は平成の合併により政令市になっている。神奈川県には政令市が三つあり、横浜市、川崎市、相模原市である。神奈川県全体に対し人口で65%、面積で38%を三市で占めている。人口と面積を下に示す。

■ 神奈川県と県下の政令市の人口と面積
              人口(万人)      面積(km2)
   神奈川県       909          2,415.8
   横浜市        371           437.4
   川崎市        146           142.7
   相模原市       72           328.8

政令市は県と同等に扱われるから、記事で扱われている選挙は県議会議員選挙と同じ日程で実施されている。神奈川県の人口は東京都に次いで二位であるが、政令市を除くと320万人で10位の静岡県の376万人の下になる。静岡県には静岡市と浜松市という政令市があるから、10位と思えば良かろう。政令市を除いても一定の規模があるといえる。しかし、二重行政が生じている部分は懸念される。
政令市が人口を目安に規定している状況からすると、都市部に発生する必然性はあるし、政令市が効率化を促すとしても、政令市を除いた県の非効率化の心配は排除出来ない。市町村の合併によって市町村の数は減ったにしても、県の数が増えたのと同じであれば県単位では効率が低下することになる。それなら県の合併をすれば良いことになる。人口100万人未満の県は、香川県、山梨県、佐賀県、福井県、徳島県、高知県、島根県、鳥取県と七つある。隣接する県と合併してしまえば数は減らせる。しかし、島根と鳥取がくっついても人口は130万人程度である。人口基準の合理化は馴染まない。ということは、都市部の政令市が何を目指しているかというと、政治家や役人のプライドの為だけなのではないかという疑問が出てくる。
市町村の合併の宣伝で、行政の効率化を掲げていたが、公務員数の削減をサービスの低下を受け入れ可能なレベルで実施するとなると、効果が出てくるのは二十年先だと思って良いだろう。サービスの低下を許容するなら、合併しなくても達成されるだろう。ということは、行政の効率化を行うには、環境の変化というトリガーがないと動かないという役所の体質があるという想像がなされる。財政破綻が心配される地域の問題は別にして、都市部の合併は看板倒れの印象が残る。

さて、本題に戻す。相模原市は政令市になって中央区、南区、緑区の三区になった。命名にセンスの欠片もない。方向を示す言葉を地域名称に入れると、その後に問題が発生することがある。将来人口が増えて南区の北部に新たな区を分割しようとしたら、北南区とでもするのだろうか。東西南北や中央という言葉で地域を示すのは数字で表記するのと同じくらい抽象的になる。百年先を考えて行動するテーマに対して思慮が足らな過ぎる。緑区というのも良く使われる名前である。名古屋市、横浜市、千葉市、さいたま市にもある。山の方という程度の意味である。差別的ではないが、差別的になりそうな言葉である。
まったくもって本題に至っていない。相模原市南区の市議選の結果を下に示す。

■ 相模原市議選・南区得票数 (定数:18)
  当落  順位  得票数      氏名      年齢   現新元   政党
  ◎    1   5,608.54     石川将誠      38     現   自民党
  ◎    2   5,550       寺田弘子      61     現   自民党
  ◎    3   5,410       山下伸一郎    63     新   共産党
  ◎    4   5,020       阿部善博      44     現   自民党
  ◎    5   4,894       稲垣稔       71     現   自民党
  ◎    6   4,887.11     鈴木秀成      38     現   民主党
  ◎    7   4,574       桜井はるな     57      現   民主党
  ◎    8   4,293       大崎秀治      55     現   公明党
  ◎    9   4,032.46     石川達       45      新   維新の党
  ◎   10   4,024      久保田浩孝    54      現   公明党
  ◎   11   3,708      長谷川久美子   53      元   無所属
  ◎   12   3,656      金子豊貴男    65      現   社民党
  ◎   13   3,625      加藤明徳      57      現   公明党
  ◎   14   3,621      羽生田学      35      新   共産党
  ◎   15   3,547      古内明       51      現   自民党
  ◎   16   3,531      須田毅       73      現   自民党
  ◎   17   3,435.89    鈴木晃地      25      新   無所属
  ◎   18   3,304      小林丈人      43      新   民主党
  ×   19   3,303.34    大槻和弘      59      元   無所属
  ×   20   3,303      溝渕誠之      91      現   無所属
  ×   21   3,262      中村知成      45      現   民主党
  ×   22   2,941      折笠峰夫      71      現   自民党
  ×   23   2,663      市川圭       36      現   無所属
  ×   24   2,097.66    大槻研       40      現   無所属
  ×   25   1,366      内藤太輔      36      新   無所属
  ×   26   1,339      佐々木茂綱    35      新   無所属
  ×   27   1,078      松川公浩      53      新   次世代
  ×   28    885      渋谷浩       67      新   無所属
  ×   29    852      大田浩       39      現   無所属


一票に満たない票があるのは、石川、鈴木、大槻という姓のみの票があり、その他の獲得用数の割合で分割計算したことによる。最下位当選であった小林丈人と、次点の大槻和弘は1票に満たない差で、溝渕誠之が1票の差である。国会議員の選挙ではお目に掛らないが、市議会議員選挙だとときどき話題になる。しかし、1票差の中に3人いるのは珍しいことだろう。
1票の価値が注目される選挙結果であるので、この選挙区での投票行動を確認することにする。今回と前回の投票で、投票率と無効票について確認したのが下である。

■ 相模原市議選・南区投票結果
                    2011年      2015年
  有権者数           216,959      220,627
  投票者数           107,168      102,300
  投票率              49.40%        46.39%
  有効投票数          103,695        99,811
  無効投票数           3,467        2,487
  投票総数           107,162      102,300
  持帰りと思われる票数       6          2
  受理と決定した票数         0          0

無効票が最下位候補に全部入れば接戦になるくらいになる。まあ、棄権しているのが過半数あるのだから、誰でも当選出来るという話になるから価値のある仮定ではない。無効票や持ち帰り票の割合は市議選にしては高い印象だが、都市部であることを考えればこの位なのかもしれない。

溝渕の履歴を確認した。1945年9月に高知師範学校を卒業している。高知県下小・中学校教諭という職歴はその後のことだろう。しかし、記事では「国のために命をささげるのは日本人として当然だ」と陸軍予備士官学校に入学したとある。陸軍予備士官学校は四国にないから、どこかに行ったということになる。終戦後に師範学校を卒業したことからすると、教諭をしたのは戦後ということになる。学歴として、1947年27年3月に玉川大学教育学科を卒業とある。玉川大学は町田市にある大学であり、卒業と同時に書店経営しているから、相模原市の方へ移り住んだということのようだ。1964年に誠心幼稚園創立して、園長となっている。学歴や職歴に不思議な点が幾つか出てくるが、終戦前の学校関係の制度はたびたび変更があって素人には難解である。1967年に市議会議員になって、11期連続当選している。
91歳だから議員を辞めなければならないとは考えないが、選挙で当選するのは難しいだろう。同世代の支持は得られるかもしれないが、高齢者の投票率が高いというのはこの世代より下の世代である。年齢人口が少なくなるのだから仕方がない。

鈴木晃地の経歴で、専門学校を卒業後大学に編入したとある。そういう制度があることを知らなかった。確認したら東海大学の健康科学部社会福祉学科にあった。編入定数10に対して編入学者数が3であった。同じ学部の健康科学部看護学科は20で8であった。受験資格として、文部科学大臣の定める基準を満たす医療・福祉系専修学校の専門課程の修了者とある。学歴がなくても同等以上の学力があると大学が認めた者は受験可能になっている。四大の教養課程をスキップすることになるが、大学の在り方としてこれで良いのかという疑問も出てくる。多様なコースがあって良いと思うが、一年間の教養科目の履修が必要とするのが大学の理性ではないのだろうか。
相模原市の議員報酬は下記の通りである。期末手当は4.2775月とあるから、年収も示した。

■ 相模原市議員報酬
  議長      779,000円   (12,680,173円)
  副議長     713,000円   (11,605,858円)
  議員      670,000円   (10,905,925円)

1,000万円の就職先を確保したことになる。。「どんなに忙しくても、週に一回は駅頭に立って活動報告をしたい」と誓うを守って欲しいものである。


マスコミが綺麗事を好むのは、政治の世界が汚すぎる反動か。

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