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2015年4月16日 (木)

マクドナルド、15年12月期最終赤字380億円 131店閉鎖へ

日本マクドナルドホールディングスは4月16日、2015年12月期の連結最終損益は380億円の赤字(前期は218億円の赤字)になる見通しだと発表した。「使用期限切れ鶏肉」や「異物混入」問題の影響で売り上げが低迷しているうえ、信頼回復のための店舗投資など「ビジネスリカバリープラン」での投資負担が重荷となる。
売上高は前期比10%減の2000億円の見通し。1月からの異物混入問題の影響が長引き、売り上げが落ち込む。営業損益は250億円の赤字(前期は67億円の赤字)と、前期の上場来初の営業赤字から赤字幅が拡大する。期中に131店を閉鎖する計画だ。
同社は2月5日の決算発表時点では、「1月に報道された商品への異物混入問題」の影響を見積もることが困難なことから、15年12月期の業績見通しを発表していなかった。業績悪化に対応し、役員報酬を6カ月間減額する。サラ・カサノバ社長は20%の減額となる。(日経QUICKニュース(NQN):4月16日)


マクドナルドについて考える。


日本マクドナルドHDは異物混入で社長のカサノバを出さない対応を取った。中国の工場での期限切れ食品の取り扱いに端を発した問題で、被害者であることを前面に出した対応でお客とマスコミに叩かれた。カサノバを出さなければ幾らか和らぐと会社が判断するなら、カサノバは不要というより、いてはならない経営者になっていた筈だ。それならここでクビになると思っていたが、そうはならないようである。カナダ人の女経営者がこの苦境を乗り切るのに最適ではないにしても、最適な経営者を確保することと、その人物が米国本社の承認を得るというのは達成されない課題であったのだろう。少なくとも、米国本社が考えるより、日本人の食に関する品質意識は高い。支払金額に無関係に高い要求を当然のようにする市場である。経済活動という尺度より、職業での倫理観が優先するというのは理解が難しい。異文化交流ということになる。
カサノバは逃げ出しはしなかったということだけが確かめられた。さて、経営状況について確認しよう。日本マクドナルドHDの12月期決算の推移をまとめた。合わせて、直営店とFC店の区分と合わせて総店舗数の推移を下に示す。

■ 日本マクドナルドHD 12月期決算推移と店舗数 (決算・単位:百万円)
   年   売上高   営業利益 経常利益 純利益 営業利益率  直営店  FC店  総店舗数
  2002   320,713    3,944   2,050   2,335   1.23%     2,801   1,090  3,891
  2003   299,823    2,842   1,896   -7,121   0.95%     2,637   1,136  3,773
  2004   308,079    7,244   7,277   3,680   2.35%     2,686   1,088  3,774
  2005   325,655    3,210   2,859     70    0.99%     2,785   1,017  3,802
  2006   355,696    7,380   5,708   1,549   2.07%     2,832    996  3,828
  2007   395,061   16,733  15,616   7,819   4.24%     2,674   1,072  3,746
  2008   406,373   19,543  18,239   12,393   4.81%     2,166   1,588  3,754
  2009   362,312   24,230  23,252   12,809   6.69%     1,705   2,010  3,715
  2010   323,799   28,135  27,161   7,864   8.69%     1,337   1,965  3,302
  2011   302,339   28,182  27,612   13,298   9.32%     1,269   2,029  3,298
  2012   294,710   24,780  23,770   12,870   8.41%     1,105   2,175  3,280
  2013   260,441   11,524  10,236    5,138   4.42%     1,013   2,151  3,164
  2014   222,319   -6,714  -7,974  -21,843  -3.02%     1,009   2,084  3,093

2000年代の前半の経営不振に対応する為に、マクドナルドが選んだ方法は直営店をFC店に切り替えることであった。2007年以降の決算はその効果があったことを示している。そして、2013年、2014年の決算結果である。直営店:FC店=3:1から1:2に逆転しているのだから、2003年頃の業績悪化とは影響の出方が大きく違う。2013年に売上が前年比一割減という段階でFC店の経営は圧迫されている。それが2014年になって更に一割以上減少してしまえば、店舗経営の見直しを強いられる。資金繰りの厳しい状況があれば廃業もある。直営店が多数であった時代なら、FC店を保護する政策も採用できただろうが、FCが六割を超えていては対処のしようがない。

マクドナルドという市場占有率が3/4ある会社は、大量のテレビCMを流して、安い商品を大量に売ることで利益を出すという方法で成功してきた。しかし、品質に難があると指摘されて客離れが進めば、成功の方程式はマイナス方向にしか働かない。マクドナルドの顧客が、子供連れの母親であったり、出張中のサラリーマンの休憩所だったりする。前者においては、席の数を増やす店舗改良を行い、ベビーカーが通り難くなってしまってはいけない。後者では、店舗を全面禁煙にしては客が離れる。事業は分かるが、店舗ごとに異なる事情を統一して対応するからこうなる。これを現場を知らない本社の社員が間違えた結果とするのは簡単だが、情報の伝達が十分できていないと読む方が正しいのだろう。本社は店舗からの大量の売り上げデータをもとに判断していると言うだろうし、店舗運営に関係している社員の勘が頼りというのではこの大きな会社を動かせない。
商品開発も当たっていない状況のようで、景品目当てというのも品質不安を払拭しきらないうちは効果は限定的であろう。苦しい状況がもう暫く続くというのであれば、FC経営者は別の判断をしなければならなくなる。一つは店じまいで、もう一つは、他のチェーンへの看板替えである。外資の新規参入がハンバーガーショップであるし、既存チェーンでも地域によったら取り込みたいとう会社もあるだろう。コーヒーショップはコンビニエンスストアとの競争に苦戦しているようだが、新たな可能性を考える会社もあるかもしれない。いずれにせよ、カナダ人の不景気顔はもう少し続きそうである。


ロッテリアになるのが最も現実的な選択になる。

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