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2015年3月12日 (木)

東京ドーム、純利益44%減 16年1月期

東京ドームは3月12日、2016年1月期の連結純利益が前期比44%減の42億円になる見通しだと発表した。プロ野球でドームを本拠地とする巨人軍のクライマックスシリーズ(CS)進出を前提にしておらず、関連収入が減る。設備の除却損など10億円強の特別損失も見込む。
売上高は827億円と1%減る。年間で球場の稼働日数は増える見通しだが、巨人が前期にCSに進出した反動でグッズや飲食店の売り上げなどが減る。営業利益は11%減の100億円を見込んでいる。同日発表した15年1月期の連結決算は売上高が前の期比微減の832億円、純利益は8%減の74億円だった。年間配当は前の期に比べ1円増の6円とする。(日本経済新聞:3月12日)


東京ドームについて考える。


東京ドームという会社は、東京ドーム、東京ドームシティ、後楽園ホールなどを運営している。他に競輪場やホテルがあったりと、レジャー関係の事業を幅広く手掛けている。1月期決算の推移から確認していく。

■ 東京ドーム1月期決算推移 (単位:百万円)
           売上高   営業利益   経常利益  当期純利益
  2015年    83,215    11,270     9,136       7,441
  2014年    83,562    11,724     9,318       8,077
  2013年    80,763     9,646     7,410      3,914
  2012年    73,208     5,248     2,336       362
  2011年    81,404     8,663     4,835      -873
  2010年    81,924     8,398     8,295     -1,004
  2009年    87,489    12,455    10,528      6,676
  2008年    87,729    13,247    12,060      7,811
  2007年    96,751    13,645     9,255    -86,659
  2006年    98,370    12,588     9,448      6,651
  2005年    92,086    14,244     7,840      4,531

2007年1月期の決算で、純利益に大きな赤字を計上している。これは、金融事業で貸倒引当金等の損失計上が引き金となったことによる。その結果、リゾート事業はは売却、金融事業については清算、売却している。少し前に下がった売上高も、近年回復基調にある。事業内容を確認する為に、セグメント売上高から見ていくことにする。

■ 東京ドーム1月期決算セグメント売上高推移 (単位:百万円)
           レジャー     流通    その他
  2015年    72,389      7,095     4,707
  2014年    72,778      7,317     4,494
  2013年    68,517      7,586     5,560
  2012年    60,665      7,501     5,960
  2011年    69,383      8,114     9,230
  2010年    69,870      7,869    10,153
  2009年    74,713      8,107    10,714
  2008年    74,649      7,890    10,847
  2007年    78,336      7,721    16,351
  2006年    77,523      7,946    18,397
  2005年    74,885      7,981    14,774

2012年からはもう少し細かな分類で示されるようになっている。具体的には、レジャーセグメントが、東京ドームシティ、不動産、熱海、札幌、競輪に分類されている。その詳細になった売上高も参考に示す。熱海と札幌はホテル経営である。

■ 東京ドーム1月期決算レジャーセグメントの詳細売上高推移 (単位:百万円)
        東京ドームシティ  不動産    熱海     札幌     競輪
  2015年     62,895     1,538     4,519     2,702     2,273
  2014年     63,109     1,506     4,466     2,779     2,424
  2013年     59,475     1,552     4,286     2,698     2,058
  2012年     51,957     1,557     3,662     2,584     2,462

東京ドームシティがレジャーセグメントの85%強を占めている。売上高全体から見ても七割以上を東京ドームシティが占めている。東京ドームシティには、東京ドームなどの施設関係の売上が含まれる。利益について確認した結果を下に示す。

■ 東京ドーム1月期決算セグメント利益推移 (単位:百万円)
          レジャー     流通     その他
  2015年    14,845      -36       636
  2014年    15,317      -75       588
  2013年    13,323        -1       650
  2012年     8,807       58       711
  2011年    12,300      215       601
  2010年    12,093      204       832
  2009年    16,989      318       880
  2008年    15,840      283      1,045
  2007年    17,088      206       673
  2006年    15,032      268       595
  2005年    15,600      255      1,553

レジャーが利益の大半を占めている。東京ドームシティの利益全体に対する割合は92-95%と著しく高い。つまり、東京ドームの使用による売上、即ち、東京ドームを本拠地とする読売ジャイアンツに大きく依存している。プロ野球公式戦の観客動員数の推移をチームごとのホームゲームとして推移をまとめたのが下である。

■ プロ野球公式戦ホームゲーム観客動員数推移 (単位:人)
         2014        2013       2012        2011       2010       2009
巨人     3,018,284    3,008,197    2,903,947    2,716,974    2,966,626    2,934,370
阪神     2,689,593    2,771,603    2,727,790    2,898,432    3,005,633    3,007,074
ソフトバンク 2,468,442    2,408,993    2,447,501    2,293,899    2,164,430    2,245,969
中日     2,000,912    1,998,188    2,080,530    2,143,963    2,193,124    2,298,405
日本ハム  1,897,789    1,855,655    1,858,524    1,990,338    1,945,944    1,992,172
広島     1,904,781    1,565,598    1,589,658    1,582,524    1,600,093    1,873,046
西武     1,498,365    1,600,841    1,526,028    1,591,651    1,591,303    1,515,045
オリックス  1,703,734    1,438,467    1,330,676    1,400,961    1,443,559    1,285,907
ヤクルト   1,438,775    1,432,695    1,322,678    1,348,259    1,332,928    1,332,366
ロッテ     1,223,915    1,260,439    1,239,168    1,332,815    1,546,105    1,465,189
DeNA     1,564,528    1,425,728    1,165,933    1,102,192    1,209,618    1,246,967
楽天     1,450,233    1,281,087    1,177,793    1,168,188    1,141,640    1,203,169

阪神に一時抜かれたが、巨人はトップに返り咲いている。球団経営ではテレビ放送料などの収入があるが、球場経営では入場者収入が基本になる。野球で使用する場合の東京ドームの入場者数は、4万6000人と公表されている。上記の期間での1試合当りの平均入場者数は4万0621人であり、大幅な増員は期待できない。球場の使用料金の契約は分からないが、1日幾らというのが基本になるだろうから、入場者数の増加が期待できない中で値上げは受け入れられないだろう。
記事でCSのことが話題になっている。CSは主催者側の収入になるという、スポーツとしては危険な条件になっている。何が危険かと言えば、1試合増えた方が儲かると誘惑が生じるからである。それはともかく、東京ドームがCS売上を予定しないのは、1位か2位にならないと興行収入が生じないという事情による。巨人が優勝しないと思っているか、優勝を予定してしまうと経営に影響するかというところである。後者で理解するとして、なかなか難しいところではある。


冬場にアイドルコンサート興行が今以上に増やせるのだろうか。

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