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2015年3月 2日 (月)

18歳「カッター使い殺害」 川崎・中1殺害、関与認める

川崎市川崎区の中学1年、上村遼太君(13)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された少年3人のうち、グループリーダー格の少年(18)が「カッターを使い、殺害した」と容疑を認める供述をしていることが3月2日、捜査関係者への取材で分かった。少年は逮捕直後の調べに「当時のことは今は話さない」としたが、その後、関与を認めたという。川崎署捜査本部は供述内容の裏付けを慎重に進めている。(朝日新聞:3月2日)


犯罪報道について考える。


容疑者が逮捕される前からネット上で、犯人と称される人物の氏名や写真が出回っていた。少年犯罪が予想された事件であったから、少年法に守られて氏名の公表はなく、刑罰も軽く済みそうなことに憤りを覚えるということなのだろう。この国の法律は、市民による制裁をいつから公認することになったのだろうか。少年であっても、成人であっても、保護されなければならない人権はある。被害者の人権はどうなのかという話が出てくるが、それ以前にこの国は法治国家である。少年法に問題があるという指摘は傾聴に値するものであったにせよ、現時点で生きている法律に違反して良い話はない。亡くなった少年や遺族のことを考えると、という枕詞を用いる向きには、少年や遺族の知り合いである人の方がはるかに少ないだろう。もちろん、口寄せの能力があるという御仁には、反対する意思などひとかけらも持たない。
少年法の規定からすれば、ネット上に氏名や顔を公表されれば、名誉棄損罪で訴えることが可能だろう。今回の事件では複数の犯人と称される人が曝されているから、これらの人は名誉棄損罪で訴えれば良い。名誉棄損罪の法定刑は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金である。ネットが読んだから書いたということで免責になることもない。親告罪だから告訴がなければ公訴には至らない。社会正義を笠に着て法治国家を否定する延長線上には、仕事人が敵を討つ世の中があるのだろう。市中引き回しに仕事人と、時代劇は費用が掛かる割に視聴率が取れないと言われているが、心情的なファンはネットの世界には多くいるようである。この人たちはテレビを視聴しないのかもしれない。

テレビの報道で、ネットで使われている写真にモザイクを掛けて用いられているものがあった。モザイク処理で特定されないといっても、ネット上の写真と同じものであることを推定するのは容易である。名古屋の大学生のときにも同様のものがあったが、これはネット上の写真が正しいことをテレビ局が保証したようなものである。モザイク処理をしたことで免罪符を貰って、市中引き回しの手間賃はテレビ局に入るという構図らしい。事件と直接関係する写真、例えば防犯カメラの映像など、を独自取材で得て報道する際に、モザイク処理が必要というのは理解する。しかし、警察署に出頭する少年を確認して、ネット上の写真と同じだから使おうというのは浅はかである。取材というのは、ネット上の情報を拾い集めるだけで完了するようだ。

今回の殺人事件で、未成年者が実行したとすると、家庭裁判所で審判になるが、重大な事件では懲役刑などの刑事処分を相当と認めるときには、検察官送致を決定する。こうなれば成人の事件に近い扱いになる。 (故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件では、罪を犯したとき満16歳以上の少年については、原則として検察官に送致しなければならない) 家庭裁判所で審判となれば、長期の不定期刑 (最大10年) や短期の不定期刑 (最大5年) になる。より軽い処分も考えられるが、事件の主犯とされればこれより軽くなる理由は、事件の残虐性を考慮すればないだろう。従犯と判断されればいろいろな審判もある。事情も分からず先のことを心配しても仕方がない。
懲役10年が軽いという考えがあったとしよう。懲役期間に服役囚は何をするかというと、1日8時間以内の作業・矯正指導 (改善指導・教科指導) を行わせることになっている。この作業には報奨金が支払われるが、一般的な賃金とは異なるので、平均的な支給額は1カ月約4,000円と言われる。最初の頃は0円で、次第に増額される仕組みになっているが、懲罰を受ければもとに戻る。例外的に、自動車修理や溶接、理・美容師や介護など様々な職業の訓練もあるが、これは全体の3%程度である。この結果、出所時の所持金が1万円未満である者が全体の1/4である。刑務所内で金を使うことなどないのではないかとも思えるが、日常的に使う用品を支給品で済まそうとするのは大変だという。年間1万円貯めたとして、10年で10万円である。これで何の技能も持ち合わせていなくて、近しい人もいなかったのなら出所しても、再び犯罪に関係することになりそうである。刑務所は犯罪に関係した人を、世の中で差別する法的合理性を持たせる機関になってしまっている。職業訓練の充実を計れば良いと思うが、そうした動きは乏しいようだ。問題は予算にあるのだが、そもそも刑務所を充実させる必要はないと考えが強いのだろう。

刑務所に入れて置けば、犯罪が予防できるという考え方に立てばそれで済む。それが防犯に直ちにつながるかには疑問を持つ。説明できるほどの勉強をしていないから、これ以上書くことができないが、犯罪白書を読んだ2013年2月以降、機会あるたびに確認を行ったが結論に至っていない。(ココログ 犯罪白書 2012年版 で検索するとヒットする) 今回の事件の容疑者の家庭環境には何かしらの問題があったのだろう。実名を出し、顔写真を曝せば、事件に無関係な誰かの気持ちは収まるかもしれない。しかし、容疑者の周囲の人、被害者の家族や関係者はそれで済むものでもない。被害者家族が敵を取ってくれとテレビ局に頼みはしていないだろう。それを正義を気取ってネットに書き込みをし、法律を犯したといわれない範囲で報道する者の正義とは、実現したい世の中とはどんなものなのだろうか。新たな刑罰として、市中引き回しを作りたいのならそれで良い。しかし、もし無実の者が曝されたのなら、ネットに書き込みした者は懲役に、マスコミは会社や団体を解散するくらいの処分があって当然である。この国の国民が新たな法秩序の構築を望んでいると聞いた記憶がない。


まったく記事には無関係に、西川公也は鷹の爪団の総統に似ていると思う。

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