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2015年3月13日 (金)

首相「消費税率は10%まで」 財政再建で発言

安倍晋三首相は3月13日の衆院財務金融委員会で、財政再建に関連して「10%までは消費税を引き上げていくが、それ以上の消費税の引き上げで税収を増やすことは考えていない」と述べた。2017年4月に消費税率を10%にした後、さらなる引き上げには否定的な考えを示した発言だ。
首相は昨年11月、15年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを1年半延期することを決めた。税収などで政策経費をどのくらい賄えるかを示す基礎的財政収支を20年度に黒字化する目標は堅持する方針で、今年夏までに新しい財政健全化計画をつくる。首相は「構造改革を進めていくことでどういう効果が出るかも議論していく必要がある」と語った。
内閣府の試算では消費税率を10%に引き上げ、名目で毎年3%超の高い成長を続けても、20年度に9.4兆円の赤字が残る。首相は「政府で行っていた部門を民間に任せることで歳出の削減を図れるだろうし、産業として様々な活力を生み出していく。それがさらなる税収を生んでいく可能性もある」と強調した。いずれも民主党の古川元久氏への答弁。(日本経済新聞:3月13日)


消費税の税率発言について考える。


財政再建を目指すなら、歳出を減らして、歳入を増やすことしか手段はない。近年の歳出で支配的な要素として、公共工事の拡大、福祉関係予算の増大がある。国土強靭化計画を実施するとなると前者は減らせない。少子高齢化で、人口減少が始まっている国で、福祉関係の費用増大は必然的であり、減らすというのは大幅なサービスの見直しを行わなければならない。この国の保守政党の政策は、国の予算はコンクリートには金を掛けるが、人間には掛けないというのが原則だと理解している。それに従えば、福祉というのは人に関わる話だから、自己負担が原則と主張するものだろう。
安倍の答弁の内容は、かなり贔屓目に見ても、財政健全化と消費税を10%を限度に据え置くというのは両立しない。日本共産党なら法人税を上げるとするだろうが、自民党は下げる方向に動いている。これは法人税の国際競争に負けると、企業が外国に出てしまうからという考えに依っている。いけしゃあしゃあとこんな矛盾した話を出来るのも、何も考えないからとも言えるが、思慮深さ故の発言である可能性もある。
この国を輸出国と考えて、輸出することが大切とする考え方がある。恐らく、安倍の考え方もこれに近いだろう。輸出国か輸入国かというのは、相対的な要素があるが、内需の大きさを持って判断すればこの国は輸入国である。つまり、輸入と輸出の比や差を議論するのではなく、国の消費力を評価するという考え方である。農水産品の輸出が主たる産業である国、あるいは、エネルギー、鉱物資源の輸出割合が大きな国は、国内の消費力が小さい。TPPの参加国であるブルネイ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、ペルーはこれに該当する。逆に、これらの国の国内消費力は小さいから、日本の輸出機会が増加するとはならない。逆に日本への輸出機会が増えると考えて居る筈である。日本が輸出するであろう自動車は、これらの国で自動車産業が乏しいことを考えれば、TPPの有無に依らず一定量期待できるものである。一方、日本への農産品の輸出は関税という壁が低くなる、究極的には無くなれば、大幅な増大が期待できる。自動車が1tの重量で100万円、牛肉が1kgで1,000円とすれば、重量当りの単価は似たレベルである。牛肉は小売段階の価格を用いたから、もう少し安い評価が適当かもしれない。それにしても10倍の違いはないということである。野菜の大根なら1㎏が100円くらいだろうから、こっちなら自動車より安い。

毎度のことながら、横道に逸れてしまった。法人税の税率を下げて国内に企業を誘導するというのも、比較的近いところで限界に届いてしまうだろう。日本の法人税を実効税率で比較する。税率の高い国から順に示す。

■ 法定実効税率比較 (単位:%)
  アメリカ     39.09
  日本       36.99
  フランス     34.43
  ベルギー    33.99
  ポルトガル   31.50
  ドイツ       30.18
  オーストラリア 30.00
  -------------------
  韓国       24.20

日本は二番目に高いのだが、仮に30%まで引き下げてもまだ韓国との差は大きくある。3ポイント下げたのは、徴税当局からすれば大きな変更だが、多国籍企業化していればその程度では動機としては弱い。
税金をどこから取るかということであれば、国内の消費力が大きいのだから、消費税を高めて50%にするのが良いと思っている。本当は100%が良い。理由は計算が簡単になるからである。軽減税率の導入が必要だという話があるが、人が飲み食いする量など決まったもので、衣料についても同じだろう。むしろ必需品を高くする方が良いと思う。この国のシステムを動かしてる税金を払っている人が大切なのである。逆に逃れる行為は罪悪である。例えそれが合法的であっても、犯罪と同等に扱われて当然となる。
財政再建には、税金を増やす方法と、支出を抑制する方法の両方を行わなければならない。少しの手当で何とかなるとする考えは楽観的過ぎる。考えていないということの証左とも言える。困ったものである。


支払った税金の累積金額に応じて、特殊年金を支払うようにしたらインセンティブになる。

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