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2015年2月19日 (木)

暴力団情報、預保機構通じ取得 全銀協が導入

全国銀行協会は2月19日、暴力団などの反社会的勢力との取引を排除するため、預金保険機構を通じて警察庁のデータを取得する仕組みを導入すると発表した。対象は新規の個人向け融資で、できる限り早期の運用開始を目指す。2013年に発覚した暴力団への融資問題を受けた措置で、警察情報を活用して取引の遮断を徹底する。
銀行は新規住宅ローンを契約する際などに顧客が暴力団組員か確認している。組員と分かった場合には契約を拒むなどの対応を取る。現在は自行で集めた情報や全銀協のデータベースを使っているが、精度が高い警察庁のデータベースには接続していなかった。日本証券業協会は13年から警察庁のデータベースに照会するシステムを運用済み。銀行は取引件数が膨大なため、どう接続するか、関係者間で協議を続けていた。預保機構は銀行から暴力団融資債権を買い取る業務を手がけており、情報の取り扱いに知見がある。警察庁や各行とつなぐ専用回線を設け、早ければ16年度にも照会システムの運用を始める計画だ。全銀協の平野信行会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は19日の記者会見で「反社会的勢力との関係遮断をいっそう確実にする」と述べた。(日本経済新聞:2月19日)


暴力団と金融機関について考える。


2014年9月1日の報道で、損害保険各社が暴力団関係者との取引を全面的に見合わせる反社会的勢力への対策を見直し、自動車保険に限って契約を容認する方針を固めたというのがあった。自動車保険に限っては、契約申し込みが暴力団関係者かどうか、自社のデータベースと照合して確かめる「事前審査」や、契約後の点検作業を実施しないことにする。また、交通事故の賠償に必要な保険金支払いの際にも、特別な審査はしないという。自動車保険が被害者保護に重きが置かれている状況を鑑みての話だろう。しかし、損保の多くの商品はそういうものだと思うのだが。他の話になるのでここまでにする。この記事を扱ったと思っていたら、当該時期のブログになかった。書こうと思ったが暴力団話を繰り返し扱うのもどうかと考えたと記憶する。それでも懲りずに扱うのである。

銀行が暴力団との取引をしないというのが今回の記事である。2014年4月10日の報道で、暴力団員であることを隠して口座開設したことが詐欺罪に問われるかが争われた事件で、最高裁第2小法廷は4月7日の決定で、「暴力団員の身分を隠しての口座開設は詐欺罪に当たる」との初判断を示している。一方、2014年3月28日の報道で、ゴルフ場で暴力団員の身分を明かさずにプレーしたとして、詐欺罪に問われた指定暴力団山口組系の組長と元組員の上告審判決で、最高裁第2小法廷は3月28日に、両被告をいずれも懲役1年6月、執行猶予3年の有罪とした一、二審判決を破棄し、逆転無罪を言い渡している。
有罪とされた前者については、反社会的勢力ではないと確約する」との申込書にサインし、ゆうちょ銀行に口座を開設して通帳などを入手している。無罪になった後者の裁判では、書類に暴力団関係者かどうかを確認する欄がなく、誓約書などを書かせることもなかったと指摘している。金融庁の所管で法律や政令で明確にしている銀行と、経済産業大臣所管で緩い指導しかしていないゴルフ場とでは、裁判所の立場として拡大解釈を許さないという結論に至るのは当然のことなのであろう。
反社会的勢力である暴力団を排除しようというのには賛成するのだが、今日において暴力団の看板を表にして行動する暴力団員がどれほどいるのだろうか。暴力団対策法によって、指定暴力団員はもとより、準構成員等指定暴力団と一定の関係にある者についても、その暴力団の威力を示して行動すると違反とされる。違反する行動というのは、従来から暴力団が資金稼ぎに用いていたものが網羅されているから、要するに暴力団であれば金品を求める行為は違法という法律になっている。この法律によって、暴力団員は直接行動しないことになった。ここでいう暴力団員は幹部のことで、他の構成員は暴力団員でなくして、バッヂや名刺を持たなくするという対策したようだ。警察は準構成員等指定暴力団と一定の関係にある者として取り締まりをしている。

暴力団に所属していると仕事にならないからと、フリーの立場で都合により組織と協力するという方法を取るのだろう。もちろん資金稼ぎに長けた者に限られる。資金稼ぎの特技が乏しい多くの非構成員扱いの者は、法律に触れる活動を行うときに臨時採用されるのだろうか。この非構成員は反社会的な活動を専ら行う一方で、組織に所属しないから取り締まりの対象にならない。取り締まりの対象になるのは、従来からある刑法犯として容疑が掛けられたときである。つまり予防的でない。
暴力団を辞めたといっても、偽装であることもある。警察は慎重に扱うようだが、今日の暴力団が昔の盃を交わした関係の様に明確にしなくなっているのだろう。盃など大きな行事を企画したら、警察が乗り込む口実を与えることになるというのが現在の状況である。暴力団関係者を予防的に排除しようとすると、暴力団員とそれに準じた者との金融取引を制限し、妻の名義で回避しようとすることを防ごうと制限を加える。きっと、兄弟や子にも制限を加えなければならないだろう。行き着くところは、暴力団員の子供は暴力団であり、暴力団員がいる家系は暴力団であるという差別であり、一度暴力団員になるとずっと暴力団員として扱われるという現実である。暴力団員を増やさないのには一定の効果はあるのだろうが、暴力団員が隠れることになり、組織の縛りが無くなれば活動は過激になる可能性もある。そもそも差別の拡大は避けられない。暴力団員の子供だと教育を受けられないという事態が生じることについて、銀行はコメントしないだろう。許されれば、警察は教育ローンを隠れ蓑にした融資の可能性を疑うものだろうし、そこを狙った暴力団の行動も予想される。反社会的な勢力を理由に、人権に制限を加えるのには一定の手続きがあって然るべきである。正義の為なら非合法活動もやむなしというのでは、おちおち街も歩けなくなる。


ヤクザが鶴田浩二や高倉健だというのは幻想に過ぎない。

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