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2015年2月 2日 (月)

デジカメ世界出荷台数、4年連続減 14年31%減

カメラ映像機器工業会(CIPA)は2月2日、2014年のデジタルカメラの世界出荷台数が前年比31%減の4343万台だったと発表した。4年連続で前年実績を下回った。スマートフォン(スマホ)との競合でコンパクトデジカメの需要が大幅に落ち込み、一眼レフも不調だった。出荷額は同18%減の9645億円で、12年ぶりに1兆円を割り込んだ。
CIPAは15年に2割の出荷台数減少を見込んでおり、底入れには時間がかかりそうだ。統計はCIPA会員の日本メーカー10社を合計した。14年の出荷台数はピークだった10年の3分の1にあたる。コンパクト機の減少幅が特に大きく、35%減の2960万台だった。一眼レフとミラーレス一眼をあわせた「レンズ交換式」は1384万台で19%減った。レンズ交換式のなかでミラーレス一眼は比較的堅調だった。米州や欧州での販売が好調で、全体の出荷台数は329万台と0.5%減にとどまった。一眼レフは24%減の1055万台だった。ソニーや富士フイルムが10万円以上の高級機に力を入れ、一眼レフから需要を奪った格好だ。9645億円という出荷額は金額ベースでピークだった08年の半分以下だ。各社は高価格機種の品ぞろえを拡充したが、台数減によるマイナスは補いきれなかった。(日本経済新聞:2月2日)


デジタルカメラについて考える。


デジタルカメラは過去に何度も扱っている。扱う理由は、定期的にCIPAのデータをまとめて置こうというくらいで、これがないと放置してしまうというところである。時代の動きをスポットで判断するには知性が必要だが、継続的に流れを追えば無知であっても何か分かるだろうと考えている。毎度古いデータからまとめるのは、この位の努力で才能を補えるのなら簡単なものだと考えているからである。もちろん、昨日と今日とですべてを判断できるということもないが、昨日より一昨日を含めた方が良いだろうというところもある。無駄な言訳はこれくらいにして先に進む。記事では出荷ベースの数字で示されているが、過去に集計しているものが生産ベースになっているので、以下の数字は生産ベースである。出荷ベースの方が適するのは分かるが、生産ベースが左側に表記されていて扱い易かったという過去の事情による。大筋では変わらないからこれで進める。
まず、出荷金額の推移を、全体とコンパクト型、一眼レフ型と合わせて示す。

■ デジタルカメラ世界出荷金額 (単位:百万円)
   年   デジタルカメラ計  コンパクト   一眼レフ
  2000     425,708      425,708        0
  2001     551,388      551,388        0
  2002     686,020      686,020        0
  2003    1,071,991     1,006,308     65,683
  2004    1,381,405     1,222,347    159,059
  2005    1,276,228     1,065,686    210,542
  2006    1,403,323     1,152,005    251,318
  2007    1,657,917     1,330,347    327,570
  2008    1,765,283     1,349,363    415,920
  2009    1,347,610      998,464    349,146
  2010    1,372,441      977,401    395,040
  2011    1,165,538      766,886    398,652
  2012    1,189,256      617,327    571,929
  2013     885,023      404,352    480,672
  2014     713,023      308,338    404,685

携帯電話のカメラで画素数が800万画素を超えるものが発売されたのが2009年からである。スマートフォンが広まったきっかけである i-Phone の発売開始が2007年で、800万画素になるのは2011年の i-Phone 4S となる。200万画素だと携帯電話で2004年からで、i-Phone の最初もモデルがこれになる。動画の1080pは207万画素になるから、動画撮影が重要な機能だと考えればこの位の画素数が下限ということになる。もちろん、画素数だけで画質が決まる訳では無いが、スマートフォンで十分とする判断材料にして良かろう。出荷台数の推移を下に示す。

■ デジタルカメラ世界出荷台数 (単位:千台)
   年   デジタルカメラ計  コンパクト  一眼レフ
  2000     10,820      10,820        0
  2001     15,956      15,956        0
  2002     23,775      23,775        0
  2003     43,393      42,572       821
  2004     59,405      56,857      2,548
  2005     63,576      59,718      3,858
  2006     77,633      72,403      5,229
  2007    100,982      93,434      7,547
  2008    116,167      106,322      9,845
  2009    103,041      93,270      9,771
  2010    121,767      108,793     12,974
  2011    114,625      98,883      15,742
  2012    100,374      79,285      21,089
  2013     61,005      44,188      16,818
  2014     42,768      29,281      13,487

金額のピークが2008年であるのに対し、数量では2010年になっている。コンパクト型では2010年、一眼レフでは2012年になっている。低価格で市場を広げたものの、期待以上の広がりにはならなかったようだ。平均単価の推移を確認する。

■ デジタルカメラ世界出荷平均価格 (単位:円)
   年   デジタルカメラ   コンパクト  一眼レフ
  2000     39,346     39,346      -
  2001     34,557     34,557      -
  2002     28,854     28,854      -
  2003     24,705     23,638     80,037
  2004     23,254     21,499     62,424
  2005     20,074     17,845     54,575
  2006     18,076     15,911     48,062
  2007     16,418     14,238     43,402
  2008     15,196     12,691     42,246
  2009     13,078     10,705     35,733
  2010     11,271      8,984      30,449
  2011     10,168      7,756      25,324
  2012     11,848      7,786      27,119
  2013     14,507      9,151      28,581
  2014     16,672     10,530      30,005

平均価格は下がり続けていたが、全体と各タイプとも2011年が底で値上がりしている。低価格化による市場の拡大が期待したほどではなく、製品原価の低減効果が発揮されなかったという結果である。どの時期においても、携帯電話・スマートフォンとの競合では、価格と性能を考えれば低価格品以外は成長すると説明し、その後、より高画質を求めるユーザは一眼レフに移行すると説明していたのだろうが、思惑は外れてしまった。
カメラの古いユーザは頻繁に買い替えをするものではないのだろう。バルナック型のライカからMシリーズに至る期間は半世紀以上あり、ニコンF3の製造期間も20年に至る。この緩やかな時間の流れと、光反応素子をその周辺技術の技術革新の速度が違い過ぎることは確かである。しかし、カメラ事業の経営者は前者であり、後者に属する電子関係の会社の事業として行われている場合においても、顧客の中心が前者にあれば拡販は難しい。後者の方は、機械を長い期間愛でるユーザではないく、最新の高性能を追うタイプなのだろう。そう考えると、スマートフォンの方がユーザとの親和性が高そうである。
カメラ事業というのはそれ程大きな市場規模がある訳では無い。銀塩カメラではフィルムが消費財としてあり、こちらの技術革新が並行してなされたが、デジタルカメラではフィルム性能がカメラ本体に含まれている。カメラは暗室としての機能から、フィルムと画像素子のデータ処理に関するソフトウェアまで取り込んでしまえば、長期間継続販売する製品ではなくなっている。無論、保守期間も短くなるのだろう。そうすると、数多くの製品を並べる仕事は馴染まないと思うが、一度広げた規模を適正規模にするというのは、撤退に等しい判断を経営者に求めることになるのだろうか。

クォーツ時計に置き換わった市場が、高級品において機械式に戻るような現象は、カメラの世界では期待できないのだろう。なんといっても、必要なフィルムを製造する会社が限られてしまっているのだから。



スパムが "奈良の発砲2警官無罪確定へ 男性死亡の付審判(12/4)" に多いので一時非公開にした。

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