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2015年2月25日 (水)

理想科学工業、年間配実質1.5倍に 15年3月期

理想科学工業は2月24日、2015年3月期の年間配当を従来予想より15円多い45円にすると発表した。前期実績は年60円だったが、1月に実施した株式分割を考慮すると、実質的に前期比で1.5倍の増配となる。今期は主力のオフィス向けインクジェットプリンター「オルフィス」本体や消耗品の販売が欧州や中国など海外を中心に好調で、連結純利益が前期比3%増の47億円になる見通し。(日本経済新聞:2月24日)


理想科学工業について考える。


理想科学工業の主要製品は、高速カラープリンターオルフィス、デジタル印刷機リソグラフのハード及び関連機器、消耗品である。決算の推移から確認していく。下に決算推移を示す。

■ 理想科学工業3月期決算推移 (単位:百万円)
          売上高     営業利益   経常利益   当期純利益
  2014年     83,938     6,588      7,192      4,578
  2013年     75,455     4,910      5,512      4,827
  2012年     74,847     4,050      4,309      2,886
  2011年     76,897     4,406      4,939      6,288
  2010年     78,469     1,669      2,113      -5,937
  2009年     83,774      -913      -695       -641
  2008年     92,621     5,397      4,709      1,657
  2007年     90,863     5,379      5,139      2,977
  2006年     87,601     4,812      4,552      2,154
  2005年     85,161     6,574      5,883      3,280
  2004年     83,666     8,353      6,680      3,604
  2003年     82,414     6,918      6,619      3,124
  2002年     81,906     5,595      4,538      1,595
  2001年     78,264     3,749      3,543      1,828
  2000年     79,771     6,906      6,507      3,025
  1999年     85,365     10,017      8,758      3,975

配当を増やすというから好調かと思ったが、特段の変化はない。決算としては、減少傾向である売上に抗うという表現でも良さそうである。それでも、配当を増やすのだからオルフィスが売れているのだろうと思う。オルフィスの仕様を確認するとインクジェット方式で、産業用途で利用されている高機能インクジェット技術をベースに開発された高速プリントテクノロジーであるという。高速であることが売りである。レーザーコピー機に比べて印刷コストが安いというのもある。その一方で、解像度を確認すると、300x600 dpiとある。インクジェットで写真印刷を行う用途だと、5760x1440 dpiという数字の製品が、本体価格1万円強で販売されていることからすると見劣りする。オフィス用のレーザーカラープリンターでも、9600x600 dpiというところからすると画像出力では品位が下がった印象はあるだろう。高速用途というのは、紙詰まり問題との戦いになる。使用環境 (湿度の影響を受けやすいようだ) や印刷に用いる紙質 (当然、推奨用紙があるが、守られない) で不具合が出るようだ。ユーザは理解した上で導入しなければならない。
セグメント売上高を確認すると、印刷機器事業と不動産事業とに分かれているが、不動産事業は売上高の2%前後で推移している。利益では10%前後あったりするが、これは印刷機器事業の浮き沈みの影響である。売上高について地域セグメントに着目してまとめる。2009年以降は不動産事業を別にしいて、それより前は含んだりと少々問題はあるが、気にしないことにする。結果を下に示す。

■ 理想科学工業3月期決算地域セグメント売上高推移 (単位:百万円)
             日本      米州      欧州      アジア
  2014年     48,662      5,728     16,191     11,777
  2013年     47,113      4,834     12,274     9,642
  2012年     46,572      5,177     12,390     9,008
  2011年     46,082      6,747     13,203     9,157
  2010年     49,501      7,937     13,866     7,164
  2009年     49,861      9,883     15,898     8,130
  2008年     50,927     12,133     21,149     8,410
  2007年     50,738     13,396     19,024     7,704
  2006年     48,913     13,040     17,670     7,977
  2005年     47,590     13,099     16,832     7,638
  2004年     45,431     14,056     15,920     8,257
  2003年     43,995     14,878     14,913     8,627
  2002年     43,410     16,225     13,186     9,084
  2001年     43,934     15,879     11,900     6,551
  2000年     46,462     17,171     11,829     4,309
  1999年     47,849     19,018     13,682     4,816

六割前後の売上は日本であげている。好調という欧州は、日本の1/3というところである。米州の悪さが目に付く。アジアは近年成長して欧州に近いレベルにきている。地域セグメントを利益で確認する。結果を下に示す。

■ 理想科学工業3月期決算地域セグメント利益推移 (単位:百万円)
             日本      米州      欧州      アジア
  2014年     6,047       -415        5       493
  2013年     5,557       -636      -877      404
  2012年     5,150      -1,110      -897      386
  2011年     4,147      -1,582        0      1,259
  2010年     1,040       -694      -276      515
  2009年     -1,010       -681     -1,491      378
  2008年     4,546      -1,237       467      690
  2007年     4,279       -394       449      617
  2006年     5,220      -1,070       549      605
  2005年     6,011       -379       745      390
  2004年     6,702        13        260       69
  2003年     6,926       -379       532      410
  2002年     5,510       337       428       387
  2001年     3,404       -88        27      -355
  2000年     7,121       511      -866      -295
  1999年     9,190      1,029        -1        66

米州の悪さが際立っている。この市場を整理した方が良さそうにも思える状況である。2010年の説明会資料にはテコ入れ予算が入っていて、その後の様子からすると改善はあったのかもしれないが、売上が増えていないことからすれば整理を行ったということではないかとも思える。これだけ悪い地域を抱えて指摘されないのも不思議な話であるが、アメリカで販売しているということが重要なのかもしれない。
欧州は利益が出ず、アジアは利益の伸びが乏しいということであれば、日本国内を強化すれば良いようにも思えるが、それだと成長のシナリオを書けないという事情が出てしまう。メンテナンス関係の体制整備が必要な仕事であるようなので、初期の段階では費用が嵩むという性質があるようだ。
何ともコメントし辛い会社である。


何かある会社なのか、何もない会社なのか。

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