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2015年1月30日 (金)

サッポロ、酒税115億円返還要求 「第三のビール」で

サッポロビールが昨年納めた酒税115億円について、国税当局に返還を求めたことが1月30日、わかった。過去に販売したビール系飲料「極ゼロ」が、税率の低い第三のビールと国税当局に認められない可能性が出たため、酒税の差額を自主納付していた。その後の社内調査で第三のビールだったと確証を得られたとして、1月下旬に返還を申し入れた。
サッポロは2013年6月に極ゼロを第三のビールとして発売した。昨年1月、国税当局から「第三のビールに該当しない可能性がある」として製法の照会を受け、同社はいったん販売を中止した。現在は製法を見直し、第三のビールより税率が高い発泡酒として販売している。国税当局は当時の極ゼロの原料や製法について調査するとみられる。(日本経済新聞:1月30日)


酒税について考える。


極ゼロは少々ややこしい経緯がある。もともとは税率の低い第三のビールとして発売していたものを、国税の指摘で発泡酒に変更している。この時点でも、サッポロビールは異議がある含みを持たせていた。酒税法のビール類の税率を確認する。

■ 税率 (酒税法 第二十三条)
       酒類     税率 (円/リットル)
  1.  発泡性酒類    220
  2.  醸造酒類     140
  3.  蒸留酒類     200 [アルコール21%まで。超える場合は1%につき+10]
  4.  混成酒類     220 [アルコール21%まで。超える場合は1%につき+11]

発泡性酒類の例外規定
  a.  178     発泡酒 (原料中麦芽重量が水以外原料の重量の50%未満、25%以上でアルコール10%未満)
  b.  134.25  発泡酒 (原料中麦芽重量が水以外原料の重量の25%未満でアルコール10%未満)
  c.   80    その他の発泡性酒類 (ホップ又は財務省令の苦味料を原料の一部とした酒類で次に掲げるもの以外のものを除く)
           イ 糖類、ホップ、水及び政令で定める物品を原料として発酵させたもの (エキス分が2%以上のもの)
           ロ 発泡酒(政令で定めるものに限る)にスピリッツ(政令で定めるものに限る)を加えたもの(エキス分が2%以上のもの)

350mlに換算すると、ビールに相当するのが1に該当し、77円になる。発泡酒は但し書きのbに該当し、47円になる。第三のビールは但し書きのcに該当し、28円になる。発泡酒と第三のビールには19円の税金の差があって、販売価格にもそのまま出るということになる。発泡酒と第三のビールの代表的な価格差は20円というところであるから、この差はほぼ税金ということになる。
酒税を複雑にしているのは、麦芽比率で区分けしていることにある。この区分など無くしてしまえば良いと思うし、ビールと同じ括りで良かろうとも思う。昨年11月に350mlで一律55円にする案が検討されていて、2015年の税制改正大綱で見直しする動きがあったが見送られた。夏に具体案をまとめ、実施にあたっては5~7年の猶予期間を設ける方針とされている。一律55円だとビールは22円安くなるが、発泡酒は8円、第三のビールは27円高くなる。この変更があると第三のビールは価格による差別化は出来なくなる。

税制の隙間を狙って新製品を開発してきたビールメーカに対して、徴税当局はそろばんを弾いて税率修正を決定をする。この作業を継続していては、ビール会社の商品開発力は低下することは必定である。国税は税金を徴収することは出来ても、新製品の開発は出来ないという当たり前の事実があるのだから、製品開発の意欲を削ぐような手法を採用してはならない。ビール会社を子飼いの犬と国税が思っているなら、それでも犬は噛むことがあるということを学べば良い。噛まないからサッポロビールが大人しいかというと、それは誤解となるだろう。外資系の企業から不公正な税制、あるいは非関税障壁だと指摘されれば変更せざるを得ない。サッポロHDの主要株主に外資の名はないが、過去に何度も話題になっている会社である。時価総額が2,000億円程度と保有資産に比べ安い。酒税115億円は5,000億円の売上と比較して無視できる金額ではない。つまり、経営者は許しても株主が許しはしない。国税は経営者と懇ろになるより、公平性の実現を目指すよりないという、素朴な原則に落ち着くのである。

そのうち、ノンアルコールビールに酒税を掛けるかもしれない。

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