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2014年12月15日 (月)

衆議院の選挙制度改革の続き

先日の続きである。
ブログの中で候補者2名の選挙区を挙げた。自民と共産がほとんどであるが、自民でなく公明の場合が2件あり、共産が沖縄知事選の流れで候補者を立てなかったというのが3件ある。これ以外に、次世代の党と共産という選挙区があるが、自民党が次世代の党の候補者には無所属で立候補を求めたりしている。次世代の党の候補者がこの県で、自民党の県議会議員と関係が深いことが影響しているようだ。ということは、実質的に自民党ということである。各選挙区の政党別の獲得得票数を下に示す。上記の理由により、次世代の党は自民に、沖縄の非自民は共産として示した。(大阪3区がこぼれていたので加えた)

■ 候補者2名の小選挙区の選挙結果 (政党候補の獲得得票数)
            公明   共産     自民     投票者数   無効票数  無効率
  茨城2区      ―   43,303    142,238     195,233    9,692    5.0%
  神奈川11区    ―   33,930    168,953     209,494    6,611    3.2%
  富山3区      ―   32,118    138,991     178,858    7,749    4.3%
  岐阜2区      ―   35,092    108,234     150,206    6,880    4.6%
  大阪3区    84,943  63,529     ―      175,189    26,717    15.3%
  大阪5区    92,681  68,430     ―      189,310    28,199    14.9%
  和歌山3区    ―   33,260    108,257     148,332    6,815    4.6%
  兵庫8区    94,687  60,849     ―      173,617    18,081    10.4%
    9区      ―   42,694    126,491     177,533    8,348    4.7%
  岡山5区     ―   27,693    105,969     139,327    5,665    4.1%
  鳥取1区     ―   22,888    93,105     120,227    4,234    3.5%
  徳島2区     ―   29,996    85,979     122,723    6,748    5.5%
  福岡6区     ―   45,357    116,413     174,397    12,627     7.2%
    7区      ―   40,003    95,796     146,710    10,911     7.4%
    8区      ―    50,947    126,684     188,551    10,920     5.8%
  長崎3区     ―   31,650    82,354     123,460    9,456    7.7%
  熊本2区     ―   36,769    92,873     139,566    9,924    7.1%
    3区      ―    29,981    100,824     139,834    9,029    6.5%
    4区      ―    32,223    101,581     147,247    13,443     9.1%  次世代の党
  宮崎2区     ―   30,841    111,850     148,975    6,284    4.2%
    3区      ―    29,599    108,051     142,083    4,433    3.1%
  鹿児島2区    ―   31,823    91,670     130,886    7,393    5.6%
    5区      ―    25,168    94,977     124,208    4,063    3.3%
  沖縄2区     ―   85,781    52,156     141,630    3,693    2.6%  社民党
    3区      ―    89,110    59,491     151,358    2,757    1.8%  生活の党
    4区      ―    71,227    65,838     139,783    2,718    1.9%  無所属

共産の小選挙区での獲得得票数は2万票というのが相場である。東京では5万票近いこともある一方で、北陸などの保守優性の地域では1万票に届かない場合もある。上記に九州が多くある。民主党が候補者を擁立出来なかったということは、保守的な土地柄ということなのだろう。ところが共産に3万票前後の得票数がある。自民への批判票を受けているということだろうか。ところで、各選挙区の総投票数から2候補の得票数を引いた数字を計算した。選挙管理委員会の発表がなされていないところも多いので、有権者数と投票率から計算した。無効票数の総投票数に対する割合は、沖縄3区の1.8%を最少に、最大の大阪3区で15.3%と差が大きい。自民の支持者が公明候補に投票するのを躊躇っている可能性を考慮すれば、公明の小選挙区9名を調べる必要がある。ということで同様にまとめてみた。結果を下に示す。

■ 公明党候補者の立候補した小選挙区の結果
   選挙区     公明      共産     民主     維新   次世代   投票者数   無効票数  無効率
  北海道10区   86,722    20,803    71,219     ―     ―     178,744     9,001      4.8%
  東京12区    88,499    44,721    40,067     ―    39,233   212,520    10,615     4.8%
  神奈川6区    78,746    23,013    43,464    52,368    ―    197,591     8,198      4.0%
  大阪3区      84,943    63,529     ―       ―     ―     148,472    26,717    15.3%
  大阪5区      92,681    68,430     ―       ―     ―     161,111    28,199    14.9%
  大阪6区      94,308    42,265    30,792     ―     ―     167,365    21,612    11.4%
  大阪16区    66,673    22,809    38,331     ―    26,567   154,380     7,779      4.8%
  兵庫2区     78,131     31,575    48,796     ―      ―    158,502    11,142     6.6%
  兵庫8区     94,687     60,849     ―       ―      ―     155,536    18,081    10.4%

公明は全ての小選挙区で勝っている。もちろん、自民とは選挙協力してるので候補者を立てていない。この9つの選挙区で、共産と2人だけが3つである。これ以外は民主がいて、維新、次世代がある選挙区がある。投票中の無効率は公明、共産の選挙区で高くなっている。投票率が50%程度で、無効票が投票者の一割ということは、有権者の5%が誰にも投票したくないと考えていることになる。無効票が次点候補に入って逆転するのは、大阪3区と5区だけだが、公明・共産のどちらにも入れたくないと考えて無効票にしたのだから、考える意味がそもそも存在しない。その他の選挙区では逆転はしない。
この低投票率でも投票に行くのだから、許されるのなら自民に投票したいと思っている人がこの位いるという解釈で良いだろう。小選挙区は政権交代可能な二大政党制を目指しているのだろうが、大政党が小政党と選挙協力して、二番目である筈の代表的な野党が候補者を立てないというのでは小選挙区の意味がない。
具体的に東京12区の投票結果の推移を確認してみる。

■ 衆議院議員選挙・東京12区の得票数の推移
                     2014年    2012年     2009年
  政党名      候補者    得票数    得票数     得票数
  公明      太田昭宏    88,499    114,052    108,679
  共産      池内沙織    44,721     41,934     31,475
  生活(民主)  青木愛      40,067     56,432     118,753
  次世代     田母神俊雄   39,233      ―        ―
  幸福実現   服部聖巳     ―       9,359      ―
  幸福実現   与国秀行     ―       ―        3,813

10万票を獲得していた公明が、次世代に自民系の票が2万票流れてしまったという結果である。田母神に女性関係の問題が発覚しなければ生活からもう少し票を奪っていたかもしれない。民主の流れは女性に弱いところがある。都知事選では田母神が女性票を集めたと言われていたから痛かったと言える。結果、次点は共産である。


現行の小選挙区を維持したまま、有権者の投票先を任意に選べる方式にするという乱暴な方式を提案した。この理由は、現職の議員が平等な権利の実現や、二大政党の緊張感のある議会やらを目指すことは決してないからである。高感度な天秤機能を有する裁判所は、公平性を目指すことを当然と考え、達成されないのは諸般の事情によるものと理解するだろうが、議員は自信の利益や権限の拡大には裁判所以上に敏感に反応するが、その逆には強く抵抗する。あるべき姿など描きはしない。その卑しさが、今回の解散のきっかけになっているのである。
裁判所が選挙制度を提案する、つまり立法するというのは、彼らの感覚には大きな違和感があることと思う。だから、一票の格差を解消するだけの目的で、有権者に自由を与えることを命令する。それだけの話である。有権者に自由を与えることで、議員、即ち選挙命の輩たちの、過去の経験が活かせない領域に投げ込まれる。福岡6,7,8区では、自民党候補が七割を超える得票数を得て共産候補を破っている。しかし、この三選挙区の共産党の票数を一つの選挙区に集めると共産が当選する。自民は小選挙区から降りられないから、票を調整するという芸当が使えない。この選挙方式は少数政党に有利に働く。そして、地元に利益をもたらすという政治行動が、他の地域の反発を招いて、対立する別の候補に投票するという、いわばマイナス投票のような効果をもたらしかねない。それは、一般にマスコミに出ると有名になり選挙に有利という動きが、気に入らない発言であるとはるか遠くの選挙区から対立候補に票が入るという現象として表れることになる。この不確定な選挙をするくらいなら、選挙制度を改めようと思うならそうすれば良いし、この制度が良いと思うのなら手直しを加えて継続すれば良い。開票の負担が大きいというのも、即日開票を止めて翌日行えばそれで済む話である。夜中に仕事をすることはない。堅気の仕事はお天道様が上がった時間にするものである。


裁判所はいい加減国会に選挙制度改革を求めるなどという酷な要求をやめよう。

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