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2014年12月11日 (木)

ICTで田植え効率化 井関農機、搭載機15年12月発売

井関農機は12月11日、ICT(情報通信技術)を活用した田植え機を2015年12月に発売すると発表した。センサーを搭載し、肥料の散布量を自動調整して作業を効率化する。ICT農機の投入などを通じ、17年度に農機の国内売上高770億円(14年度見込みは約670億円)をめざす。
前輪にセンサーを搭載し、超音波で土の深さ、電気抵抗で肥料の肥沃度を検知する。結果を分析し、適正な量の肥料を自動でまく。稲の生育の平準化で収穫効率が上がり、肥料コストも低減できる。価格は未定。農家の高齢化や営農の大規模化が進むなか、低コストや省力化を可能にする農機の需要が高まっている。ICT農機にはセンサーや全地球測位システム(GPS)を搭載され、トラクタの軌跡の可視化や機器の作動実績を記録できる。11日に都内で開いた新商品発表会では収穫した稲麦の水分量などを測定するコンバインなども発表した。15年10月には農作物の先端栽培技術やICT農機の研究所を開設する。茨城県つくばみらい市の自社の研修施設内に設置し、農家に普及指導もする。研究棟と屋内作業棟の新設に10億円を投じる。(日本経済新聞:12月11日)


農業について考える。


井関農機の装置は、石川県農業総合研究センターとの共同開発による。従来技術との違いは、土壌の状態測定と、土地の位置を関連付けすることにある。土壌測定には、作土深と土壌肥沃度で、前者を超音波センサにより、後者を電極センサによる。加えて温度センサがあり、土地とデータのマップ作成を行うことを可能としている。この情報により、田の全体に均一に肥料を施すことを実現する。
素人が野菜の栽培した場合に、肥料過多になり不具合が生じるという典型的な不作要因がある。しかし、玄人の場合には肥料過多は少ない。しれでも、同一の田の中で肥料の不均一により、稲が倒れる(肥料が多い)、生育が悪い(少ない)が生じることがあった。これに対する対策である。従来は田植え機の進行と同時に肥料を施していたが、作土深が大きくなると抵抗が大きくなり速度が低下する。その結果、肥料が多く施される部分が出来てしまう。作土深が大きいのは、耕運がし難い、というか折り返す端では深く耕すことになり、時間間隔を一定にしても、車輪回転と連動させても、肥料が多くなることになる。GPSで得られた情報により肥料量を一定にすることが達成される。玄人の場合には、肥料コストの圧縮が達成されるというのが実際的なメリットになるだろう。
石川県農業総合研究センターの発表資料によると、この技術により概ね 2~3 割の減肥が可能となり、収量は同等程度から 5% 程度減少するが、収穫時期に倒伏がなくなることからコンバインの収穫作業効率は 0.51ha/h と慣行比の 20% 向上するという結果を得ている。この技術導入の効果が発揮されるには一定の面積が求められるが、20ha 以上の大規模経営を行う生産者や集落営農を実践する営農組織を対象としている。小規模は対象外ということである。2005年の農水省の調査によると、一戸当り稲作の耕作面積が 20ha を超える農家の割合は 18.9% とある。一戸当り稲作の耕作面積の過去の推移を下に示す。

■ 1戸当りの耕作面積推移
       年            1965  1975  1985  1995  2005
  1戸当りの耕作面積[ha]    1.06   1.12   1.27   1.46   1.64

大規模化は一定程度成果が上がっているようだが、米国の農地耕作面積180haと比べれば差が大き過ぎる。耕作面積の拡大による生産性の向上は、国土面積が小さいこと、平坦な部分が少ないことといったこの国の国土の特徴を考えれば、限界が近いところにあるのが容易に想像される。大規模化を困難にしているのは、耕作の中心になる場所に倉庫が出来たりと、過去に農業より工業関係に転換することを優先した結果であるから、これをボタンの掛け違いと考えるなら土地の有効利用の為にある種社会主義的ともいえる手法を用いるよりない。
大規模化の限界は民間企業には解決しようもないから、この技術を利用した機械の販売を海外展開することになるのだろう。農業での技術利用では、効果を発揮するのに技術指導が必要となる。この機械の場合には、石川県農業総合研究センターが担当するようだ。技術を広げる作業の対応も、実務には大きな課題になるようだ。


技術指導の技術は誰のものだったのだろうか。

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