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2014年12月10日 (水)

消費者心理4カ月連続で低下 11月「弱い動き」に下方修正

内閣府が12月10日発表した11月の消費者態度指数(一般世帯、季節調整値)は37.7となり、前月に比べ1.2ポイント下がった。月から4カ月連続で前の月を下回り、内閣府は基調判断を「弱い動きがみられる」に下方修正した。11月は株価などは上昇したものの、身近なモノの値上がりが消費マインドの足を引っ張った。
調査基準日は11月15日。今後半年間で「暮らし向き」や「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時」がどうなるかを聞いたところ、4つすべてが悪化した。全項目の落ち込みは9月から続いており、比較可能な2004年度以降で初めて3カ月連続の全項目悪化となった。11月は雇用環境の指標が前月差1.9ポイント悪化した。失業率は低水準で有効求人倍率も上向きだが、足元で改善スピードが鈍っている可能性がある。暮らし向きの指標も1.5ポイント低下した。物価上昇や消費増税に賃金の上昇が追いつかないことで、生活が苦しくなると考える消費者が増えている。日本総合研究所の下田裕介副主任研究員は「足元で進んだ円安の副作用が意識されている」と分析する。消費者態度指数の水準は、消費税率が5%から8%に上がった今年4月(37.0)以来の低さになっている。1年後の物価は「上昇する」との回答が88.8%になり、今年3月以来の高さとなった。足元でガソリン価格の下がりが進んでいるが、まだ消費者のインフレ予想への影響は限定的だ。(日本経済新聞:12月10日)


景気について考える。


円安によってデフレ脱却がなされて景気が回復するというのがアベノミクスのシナリオである。行き過ぎた円高が国内の景気に悪影響していた可能性は否定できないが、この円高により資源や食糧の国際価格高騰の影響を回避できたという側面もある。円高でも円安でも、プラスもあればマイナスもあるのは当然のことで、国民生活に深刻な影響が出易いのは、急激な為替変動であることは間違いない。
さて、基本的な情報を確認する。日本のGDPに占める輸出の割合を他の国と比較する。一つの年度での比較も不確定さを含む心配があるから、少し前のデータも拾ってみた。結果を下に示す。

■ 各国のGDPに占める輸出割合
                  2006年     2009年     2013年
  日本           14.8%      11.4%      14.5%
  アメリカ        7.9%       7.4%       9.3%
  イギリス      18.7%      16.0%       21.3%
  ドイツ          38.7%      33.6%      40.0%
  中国           36.6%      24.5%      23.7%
  韓国           36.7%      43.4%      45.8%

日本の輸出割合は15%程度である。アメリカは低くて10%未満である。アメリカがTPPに熱心なのは、内需中心から外需に経済を向けることを意識しているからと理解して良かろう。TPP参加国の中でGDPが大きいのは日本であり、輸出依存が低いのも日本である。TPP関連でこの手の報道が少ないのは不思議な話である。政府御用達マスコミというのがあるのだろうか。
近年景気の良い国として扱われるドイツと韓国は輸出が大きい。ドイツはユーロが全ユーロ基準で景気の悪い国を含んでいることで、国の実力に比べて安い為替レート設定されることが輸出に有利に働いている。韓国もウォン安を活かして輸出を増やしているとされる。円安になれば日本も輸出割合が増えるかというと、過去に急激な円高になった経験から海外への生産拠点移転を製造業では実施しているから、海外工場を閉鎖して国内に拠点を移すというのが多く発生するというのは期待できないだろう。つまり、この国は豊かな内需の国ということである。
この内需依存の豊かな (相対的な話である) 国で景気を良くするには、内需における個人消費が伸びることが大切である。しかし、円安が食料品を中心とした値上がりを引き起こし、個人の心理として消費を押さえつけることにつながってしまっている。ひと頃のガソリン価格の値上がりが、原油価格が下がったことで緩んだことはプラス材料になるが、食品の値上げは続いていて、品質問題に対する注目度が高いとなると安易にコストで生産国を選べる状況にない。

輸出が増えて、国内の設備投資が増大し、収益の改善が給与アップにつながるという理屈は、輸出は増えないし、設備投資もそれほど行われず、結果として給与が良くなる会社が限定的であれば、円安で景気が回復するとはいかないというのが妥当な理解だろう。
為替レートの変化は、投機筋に必ず利益をもたらす (同時に不利益も) 要素であるが、現品を扱うものには利益が出ることは少ない。円安であれ、円高であれ、それに対応する経営策を実施していくのが経営者の仕事である。最適な為替レートを黒田や安倍が決めるものではないし、黒田や安倍がトヨタや東レの経営をすれば収益が拡大するというほど、経営は簡単な話でもないだろう。不景気な話をすると、景気が悪くなるというのはあるだろう。しかし、能天気に景気が良いと話すだけで景気回復がなされるものでもあるまい。第三の矢というのがどんなものか示して貰いたいものである。


原油価格が下がって物価目標が達成されない心配をする。本当なら、日銀は産油国なのか。

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