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2014年11月 5日 (水)

黒田総裁「物価目標実現のため、できることは何でもやる」

日銀の黒田東彦総裁は11月5日、都内で「2%の『物価安定の目標』を確かなものに」と題して講演した。足元の経済状況については「雇用・所得環境の改善は着実に進んでいる」とし、景気は基調的には緩やかに回復しているとの認識を改めて示した。また消費増税の影響を除けば、賃金の伸び率と生鮮食品を除く消費者物価の伸び率は共に前年比1%程度だと指摘。「基調的には、賃金と物価がおおむね整合的に上昇している」と述べた。 10月31日の金融政策決定会合で追加金融緩和を決めた理由については、需要の弱さや原油価格の下落が物価の下押し要因となっており、予想物価上昇率の改善が遅れるリスクがあると説明。追加緩和はこうしたリスクを未然に防ぐためのもので「(物価目標達成への)我々の揺るぎないコミットメント(約束)を示すものに他ならない」と述べた。 追加緩和を踏まえた上で、今後の経済や物価の下振れリスクとして「駆け込み需要の反動減や実質所得減少の影響はなお残存しており、引き続き見極めていく必要がある」と指摘した。また、消費の落ち込みを受けて「企業が再び低価格戦略を志向する動きが広がることがないか注意してみていく必要がある」と話した。 物価目標について「2年ちょうどで2.0%にできる中央銀行は世界中にない」としたものの、「2年」という期間にこだわる理由として「デフレ期待を払拭し、人々の気持ちの中に2%を根付かせるには、それなりの速度と勢いが必要だ」と強調。「物価安定の目標を早期に実現するため、できることはなんでもやる」と話した。 講演後の出席者との質疑では、このところの円安進行について「経済、金融のファンダメンタルズを反映したものであれば、プラス効果がマイナス効果を上回る」と話した。また、今後の政策調整の手段について「緩和の手段に限りがあるとは思っていない」と述べた。(日経QUICKニュース:11月5日)


金融政策について考える。


引用が長いのは問題があるが、要約すると意味が変わりそうなので無精を決め込むことにした。
日銀黒田の行動原理はアベノミクスと関連しているとみて良い。そのアベノミクスが描く経済再生のシナリオというのは、大胆な金融政策 [第1の矢]、機動的な財政出動 [第2の矢]、成長戦略 [第3の矢] を総動員する。その結果として、企業収益の改善 → 賃金上昇・雇用拡大 → 家計消費の増加 → 景気上昇、といった経済の好循環が発生し、それが定着すれば成功したということだ。デフレ状態が長く継続するなかで、これを抜け出す為には、これまでにない仕事をしなければならないと日銀総裁になるときに考えた。まあ、それ以前から考えていて、それをやりたくて総裁になったというほうが本当の気もする。どっちでも良い話ではある。現時点で第3の矢は放たれたとは言えない状況であることは記す。
黒田の政策は少々乱暴な実験であると考えているが、乱暴なことをしなければ変わらないという立場もあるだろうから、その部分については理解はする。しかし、2013年4月の黒田バズーカと呼ばれた作業も、中央銀行がマーケットに深く介入することで歪みが発生する懸念を心配する声が大きくあった。少なくとも、円債市場の財政規律に対する警告機能は事実上失われた。それでも、企業業績が改善すれば良かったが、得た成果は株高・円安であった。これが景気の改善とイコールで結べるのなら黒田の判断は正しいが、そうとは言えまい。円安は輸入品の価格を上昇させている。世界的な景気の後退により、原油価格は下がっていてエネルギー価格の上昇は出ないで済んでいる。しかし、食品関係の値上げ傾向は進んでいて、ここにきて価格改定が目立っている。食品というのは値上げを感じやすい商品であり、これに消費税アップの話がぶら下がると具合が悪いことこの上ない。さてどうする黒田というところである。

日銀が消費税関連の動きとつながっているというのはあってはならない仕事の種類であろう。マスコミは関係を疑うし、国民もそう思うところである。こういうところに黒田の弱さがある。日銀の政策決定として発表したものが、政府のご機嫌伺いと思われては効果が半減すること必至である。
黒田は2013年4月の発表で、今回のようなことをしないという発言をしていたと記憶するが、成果を得げる為なら手段は択ばないようだ。選択肢を制限するのは不利になることが多いから、自由度は高くした方が良いのだろう。だったらつまらないことは言わねば良かったと思うが、きっと本人も思っていることだろう。
不愉快な印象が残るのは、中央銀行が自由に動けば景気の回復など簡単だと思っているように見えることである。これは驕りである。そんなに単純に人間は行動しない。そして、中央銀行に国民は白紙委任したこともない。もう少し節度があって良いし、適切な説明責任を果たすべきだろう。少なくとも今回は反対意見が多かったのだから、大胆な政策決定と行動は良しとしても、他人を意見を聞くという謙虚な姿勢を示す必要はあるだろう。


物価目標実現の為なら何でもするのは結構だが、日銀物価目標だけ仕事をするつもりか。

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