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2014年11月19日 (水)

CCC、電子マネー参入 Tカードにチャージ

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は11月19日、電子マネー事業に参入すると発表した。傘下のTポイント・ジャパン(東京・渋谷)が運営する共通ポイントの「Tカード」を電子マネーとして使えるようにする。新たな機能を付けることで、カードの利便性を高める狙いだ。ドラッグストアチェーンを皮切りに、利用できる加盟店を順次広げる。電子マネーの名称は「Tマネー」。5月に設立した子会社のTマネー(東京・渋谷)が運営にあたる。第1弾として、25日から富士薬品グループのユタカファーマシー(岐阜県大垣市)が運営する「ドラッグユタカ」の160店舗で利用できるようにする。利用者は持っているTカードに現金をチャージし、残高の範囲内で買い物をする。利用可能額は1000円から3万円まで。店頭でTポイントを提示すれば、電子マネーとして商品を購入できるうえ、Tポイントが付与される。購入額に応じたポイントとは別に、月額500円(税別)の利用につき1ポイントを付与するようにした。
現在、Tポイントの利用者数は約5110万人(10月末時点)。同社によると、うち8割が常にカードを携帯しているという。最近では、図書館の入館証やライブ会場でのチケットとしてTカードを使えるサービスを始めている。(日本経済新聞:11月19日)


ポイントカードについて考える。


CCCは、TSUTAYAA事業とネット(EC)事業、Tポイント事業の3つの事業を中核事業としている。この中でTポイント事業は、各種購買情報を元にした生活に密接に関わる情報(パーソナルデータ)を収集・集計・解析し、販売することを事業としている。
ポイントを利用するのは顧客の囲い込みを目的にしている。しかし、競合会社も同様のポイントサービスを実施すると大きな効果を発揮するのは難しくなる。無理に競争を行えばポイント付与のディスカウントを拡大することになる。直ちに収支に影響する値下げ競争より、見えるまでに時間が掛るぶん性質が悪いものになる。自社発行のポイントカードを運営しているヤマダ電機の決算から、売上高とポイントに関係する数字を決算から拾って推移をまとめたのが下である。

■ ヤマダ電機の決算推移 (単位:億円)
   決算期      売上高   純利益 POINT引当金  POINT販促費 P-販促費/売上高
  2014年3月期    18,940    187      176      439       2.3%
  2013年3月期    17,015    222      213      593       3.5%
  2012年3月期    18,355    582      215      808       4.4%
  2011年3月期    21,533    708      175      858       4.0%
  2010年3月期    20,161    559      185     1,436       7.1%
  2009年3月期    18,718    332      177     1,534       8.2%
  2008年3月期    17,678    492       72      932       5.3%
  2007年3月期    14,437    434      126      899       6.2%
  2006年3月期    12,840    370      123      784       6.1%
  2005年3月期    11,024    288      157      646       5.9%
  2004年3月期     9,391    192      167      698       7.4%
  2003年3月期     7,938     56       76      230       2.9%

決算短信にあったが、あるときからサマリーのような発表になってしまたので、有価証券報告書を参照した。公表資料に継続性が乏しいと価値が下がるというのは、このブログで資料をまとめる際に幾度となく感じている。情報公開の大小より継続性の方が重要と感じる。恐らく経営者が情報公開を進めようとすることと、公開したくない事情 (単純に事業部門の経営悪化だろう) とが幾年かの間に発生したのだろう。もちろん経営者は同じでなく、別の人物に替わっていることもあるだろう。もう少し継続性に神経を使って貰いたいと思うのである。
話を戻す。過去に扱ったが、ポイントの期末残高は流動負債として扱われる。調べてみるといろいろな考え方があるようだが、会計の専門家でないので理解が難しい。幾つかの会社の決算を確認しただけだが、ポイント引当金を負債計上しているから、これが標準的な方法にあっているように思える。
ポイント発生の金額はポイント販促費と考えて良いだろう。売上高に対する割合は変動があるものの以前は6%程度、近年は4%程度になっている。この変化の要因として考えられることは、2006年7月からUCブランドのヤマダLABIカードを発行をしていたものを、2009年11月からセゾンカードとしてANAマイレージクラブ機能のついた新カードを発行するようになっている。この新しいカードにはクレジットカードが付いていて、こちらを用いるとポイントが増えるようになっているので、利用頻度の高い顧客はこちらに誘導されることになる。このクレジットカードに関係するポイントは会計処理上、通常のポイントとは別の処理に、即ち費用として処理されることになり、負債処理ではなくなる。つまし、負債額が減ることになる。販売促進の為に行っている作業であるが、期末に負債として残るのと、費用として処理する違いが生じる。
費用として処理することを重視すればポイントカードごとグループ外の会社に渡してしまえば良い。グループ外というのは、連結決算に関係しない会社の意味である。これの代表例がCCCのTポイントカードとなる。広く使えることは利用者にとってメリットがあるが、店側からすれば、顧客の囲い込み効果が乏しくなってメリットが出難くなる。それだと、それまで使用してきたカードの切り替えに伴う費用発生と、その後の効果を考えると二の足を踏む店が多くても不思議はない。実際Tポイントカードの利用店を確認すると、ファミリーマートとスリーエフのように競業が確実な会社、ドトールとロッテリアのように競合する可能性のある業務を営む会社もあり、どのような効果があるか分からない部分もある。この状況ではポイントカードの取り込みをこれ以上増やすのは難しいだろう。

そもそもポイントカードにより還元というのは、原資を売上に求めなければならないのだから、ポイント利用しない人が一定数いる状態でなければ、単純に本来の価格より高い値札のついた商品をポイント経由で買っているに過ぎない。ポイントカードを無くして安く売れば良いという理屈になるが、宣伝せずに安く売れば良いというのも同じ流れの理屈なので、そう簡単に論じられるものでもない。
それでも個人情報を渡すことを前提に、幾ばくかの金を渡すシステムである汎用のポイントカードに電子マネーを付加するのなら、複数のカードを作り電子マネー用のTカードは別にしたいものである。ほうぼうの情報を同じ会社に監視されていることは気持ちの良いものではない。高々年間数千円程度で売るには抵抗がある。もちろん、多くの人はそんなことを気にせずに使うのだろう。


電子マネーが多すぎて使い勝手が悪くなりそうである。
ヤマダ電機のまとめ作業で何度も作業が中断し公開が遅れた。

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