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2014年11月10日 (月)

シチズンHD純利益6%増、減益予想一転 15年3月期

シチズンホールディングスは11月10日、2015年3月期の連結純利益が前期比6%増の185億円になりそうだと発表した。従来予想(5%減の165億円)から一転、増益予想となる。自動車産業など製造業の設備投資拡大を追い風に、工作機械事業が想定を上回るため。為替の円安傾向も寄与する。
売上高は4%増の3230億円と、従来予想を40億円引き下げた。景気低迷を受け、中国などアジア市場で時計の販売が計画を下回る見通し。一方、経常利益は15%増の290億円の見込みと、従来予想を20億円上方修正した。工作機械が国内外で堅調に推移するほか、円相場の下振れも利益を押し上げる。同日発表した14年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比49%増の98億円だった。売上高は6%増の1559億円、営業利益は30%増の123億円。上方修正した通期の純利益予想に対する4~9月期の進捗率は53%となった。(日経QUICKニュース:11月10日)


シチズンについて考える。


シチズンは時計で知られているが、工作機械メーカとしても有名である。時計の方はムーブメントから自社一貫製造する時計メーカーであるからマニュファクチュールと呼んでよいのだろうが、セイコーやシチズンにはこの呼称を用いることは少ないようだ。パテック・フィリップやジャガー・ルクルトには用いて日本のメーカーには使わないというのも変な話だ。マニュファクチュールが高級時計メーカーの中で識別を与える為の呼称に過ぎないのかもしれない。自社の時計を買い戻したり、事業が継続していない古いブランドの時計をオークションで高値で買い取った後に、ブランドを復活させたりと高級時計の世界は何でもありである。実用性に加えて趣味性が加わるのは当然の世界であることは理解するが、趣味性に投機性が支配的要素として入ってしまっては、良い趣味とは言えないと感じるのである。実用性と趣味性の現実的なバランスとしては、グランドセイコーやザ・シチズンの機械式は良い選択肢になると思うが、実用性が優っていると商品性が弱いというのがこの手の市場ではあるようだ。
脇に逸れた。シチズンの四半期毎のセグメント売上高の推移を下に示す。

■ シチズンの四半期セグメント売上高推移 (単位:百万円)
  期  四半期     時計     工作機械   デバイス  電子機器  その他   合計
2015年3月期 7-9   41,118    13,503    16,120    6,178    3,131    80,051
         4-6    38,029    11,607    16,710    6,451    3,115    75,914
2014年3月期 1-3    37,093    13,442    17,500    6,776    4,226    79,035
        10-12    50,396    10,149    18,964    5,837    4,203    89,550
         7-9    41,663    10,200    19,451    7,214    4,195    82,723
         4-6    36,469     8,312    16,205    5,773    3,217    69,978
2013年3月期 1-3    33,546     9,063    15,303    5,790    3,989    67,691
        10-12    41,529     6,444    15,449    5,787    4,419    73,628
          7-9    35,551    10,827    17,695    5,857    3,369    73,299
          4-6    31,967     9,726    16,749    5,108    4,561    68,113
2012年3月期 1-3    33,387    12,304    15,320    6,154    3,287    70,453
         10-12    42,861     9,786    16,804    5,360    4,871    79,682
          7-9    35,868    11,028    17,630    6,351    4,248    75,125
          4-6    31,292     9,434    16,765    5,807    2,980    66,280
2011年3月期 1-3    31,641    11,735    18,493    6,243    3,425    71,538
         10-12    41,744     9,057    19,673    5,892    4,824    81,190
          7-9    36,000     9,686    20,341    6,127    3,976    76,129
          4-6    31,432     7,423    20,452    4,606    3,851    67,766

時計の売上高が全体の半分といったところである。シチズンはHDD用のガラス基板の製造に参入 (2005年頃) していたが2012年3月期に撤退している。デバイスの売上に含まれるだろうと思われるが、ピーク時で四半期売上高で50億円くらいだろう。10億でもないが100億でもないと言う程度の話である。2011年3月期に比べこの分が下がっているというのは合っていえるかもしれない。
セグメント利益の推移を確認する。

■ シチズンの四半期セグメント営業利益推移 (単位:百万円)
  期  四半期      時計   工作機械   デバイス 電子機器  その他   合計
2015年3月期  7-9    5,493    2,084    1,121    260     -197    8,761
          4-6    2,236    1,404    1,655    386    -155    5,527
2014年3月期 1-3     1,587    2,215     836    407     -125    4,919
         10-12     8,322    1,111    1,152    198     204    10,986
          7-9    4,344     574    1,326    526     16     6,788
          4-6    2,962     -95    1,167    326    -120    4,240
2013年3月期 1-3     1,136     153     -204    233      -71    1,245
         10-12    4,369     -258     -131    111     246    4,337
          7-9    3,420    1,187     667     69      -26    5,318
          4-6    2,032    1,015     604     45      337    4,035
2012年3月期 1-3     1,814    1,709     -383    302    -267    3,176
        10-12     5,726    1,197     200     35      221    7,380
          7-9    3,597    1,301     607    282     -6     5,780
          4-6    1,910     883     543    226    -335    3,228
2011年3月期 1-3     2,138    1,054     -546    337    -203    2,780
        10-12     6,268     518     369    149      259    7,564
          7-9    3,633     703    1,190    306    -107    5,724
          4-6    2,413     405    1,231     43     -211    3,883

利益についても時計事業が支配していて、六割前後といった水準で推移している。利益面でみると工作機械の割合が高くなっている。安定性に欠けるきらいがあるが時計事業の大幅な拡大は期待できないからこちらに期待することになる。
為替の影響がどのように出るのかを確認すべく、2014年3月期決算の地域別売上比率を下に示す。

■ シチズンの地域別売上高比率 (2014年3月期)
  地域     地域別売上高比率
  日本       33.8 %
  アジア      32.8 %
  アメリカ     19.7 %
  ヨーロッパ   12.9 %
  その他      0.8 %

海外依存度の高い会社である。売上高が伸びない中での利益の増大は、為替の影響が大きいと理解して良いようだ。ということは、先々円高方向に振れた場合には苦しいことが予想されるということである。なんだ、工作機械は支配的な要素ではないじゃないか。


売上高予想は正しく、為替の影響で減益予想が一転したということか。

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