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2014年9月19日 (金)

広島土砂災害、遺体は大屋弘子さんと判明 最後の不明者

広島市の土砂災害で、広島県警は19日、安佐南区八木3丁目の捜索現場で18日に見つかった遺体について、最後まで行方が分からなかった近所の大屋弘子さん(67)と判明したと発表した。発生から1カ月になる20日を前に、死者74人全員の身元が判明し、行方不明者はいなくなった。
県警によると、遺体は18日午前、大屋さんの自宅から約50メートル坂を下った八木3丁目の県営緑丘住宅の2階の外階段の踊り場付近で見つかった。DNA型鑑定で大屋さんと断定した。8月28日に死亡が確認された夫の幸雄さん(71)も付近で見つかっていた。今月9日に男性の不明者1人の遺体が見つかってから、大屋さんだけが見つかっていなかった。大規模な土砂災害では不明者が見つからないことも多いが、県警幹部は「災害場所が集中していたので捜索場所を絞ることができた」と話す。(朝日新聞:9月19日)


話題になることの少なくなった災害について振り返る。


74名すべての犠牲者の身元が確認されたことを幸いと思わねばならないのだろう。74名の方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に謹んで哀悼の意を表します。
ゴルフをやっていた話を蒸し返されたくないのか、政府は話題にしたがらないようだ。もう一度山梨に戻ったことも批判の対象になったが、これは診察を受けることが目的であったという話も流れた。事情の事実関係はともかく、政府対応に不手際があったのは事実なので、言い訳をしたくないなら話題にしないのが上策ということか。ちょうど良い時に、朝日新聞が間抜けな作業をしてくれたので、政府に近いマスコミはこぞってそちらを扱うし、権威を嫌う習慣か体質か根性がある週刊誌はほだてまくる。紙面(誌面)は有限であるから、何を取り扱うかは悩ましい問題ではあるが、それもまた重要な仕事である。

災害対策の議論として、土砂災害防止の運用を積極的に行うことが話題になっている。この法律では、砂災害の恐れがある土砂災害危険箇所を、「警戒区域」「特別警戒区域」に指定する。ただし、この指定の進捗状況を示す指定率は自治体間のばらつきも大きい。この指定が遅れれば、住民が危険性を認識しないまま災害に巻き込まれる可能性があることから、自治体は指定を急ぐ動きになっている。今回の事故が発生したことで、自治体の怠慢が表に出ることになった形だが、怠慢ではなく指定したくともできない事情があったということのようだ。国土交通省が公表している数字によると、平成14年度に土砂災害の危険性がある地点を土砂災害危険箇所として公表した全国52万5307カ所の内、35万4769カ所が土砂災害警戒区域に指定されている。つまり、指定率は68%に留まっている。これは危険な地域であると指定されると、該当する土地の不動産価値が低下し、その周囲を含め財産価値が下がってしまうことが心配され、土地所有者が指定を望まないということが背景にある。
自治体が財産価値の心配をして下さるというのは、随分とご親切なことだと思う。それではと、ある法律を示してみる。

都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

これは、都市計画法の第1条である。昭和43年だから1968年に出来た法律である。最終改訂は平成18年 (2006年) でもちろん現在もいきている法律である。上記の条文に異議を挟む余地などないように思えるが、運用となるとそうはいかない。法律が出来て市街化区域と市街化調整区域を分ける (線引きと称する) 必要が生じたとする。市街化調整区域は建築が制限されるが、線引きの前からあったものは既存宅地として制限されない。このような事情が発生するのは郊外と決まっているから、この当時なら固定資産税が安くなるなどと、調整区域に入ったことを能天気に喜べた時代である。そもそも土地の評価が低かった。半世紀を経て状況が変わってくる。隣の市街化区域指定の土地には抵当を付けて資金の借り入れが容易であるが、市街化調整区域指定の土地では難しいか、評価額が著しく低くなってしまう。同じ寸法の土地と、同じような建物があってもこのような差が出る。調整区域では既存宅地と言えども開発は許されず、現状と同種の建築に制限される。一方、市街化区域では他の法律の規制の中なら自由に開発が可能である。市街化区域では道路や下水道整備の充実が期待されるが、当然、固定資産税が高くなる。隣接地であるなら、実生活で道路や下水道に差が付くことはないだろうが、税金と将来の開発は現実の話である。

なぜ、この関係の薄そうな都市計画法を引いたかというと、郊外では財産価値を下げられた例は過去にあったということを示したかっただけの話である。政府の無策 (一般的には無能という方が適切かと思う) によって、財産価値や固定資産税負担に不利益を押し付けてきた実績があるのに、財産評価額が下がることを心配しているのが滑稽である。法律の設定と評価額の下落にタイムラグがあれば、担当部署を異動するから問題がないというのが役所の考えであるのだろうか。
市街化区域と調整区域の評価額の差を10倍と思ったとしよう。土砂災害防止の指定地域と非指定地域の差が2倍程度なら受け入れなければならないだろう。評価額が下がって放置するのではなく、例えば建蔽率を下げて周囲からの土砂の影響を下げる余地を作る検討を行えばよい。土地の価格が半分で建蔽率も低いなら実務的な課題だろう。あるいは、簡素な建物を作ることを前提にすれば、土砂が流れ込んだら壊す覚悟をする一方で、そのような建物だから不安があれば速やかに非難するのを原則にして、避難場所を設けるという考え方もあるだろう。自治体がすべての災害対策を実現できる可能性など乏しいのだから、作らないか、但し書き付きで作るかに逃げるよりない。財産権の侵害を心配するなら、行政が生命の危険を知りながら放置した未必の故意を心配した方が良い。財産の評価損の総額より、死亡した人の補償金の方が安いという判断をする人があるなら、公共性のある仕事に関わらないことを強くお勧めしたい。


時間を掛けて進めれば良い。自分の責任でない仕事は役人の好むところだろう。

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