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2014年9月 2日 (火)

伊丹空港:「MRJ」対応の駐機施設新設 45年ぶり大改修

新関西国際空港会社は9月2日、大阪国際(伊丹)空港のターミナルの改修計画を発表した。待合室などを備えた駐機施設を現在の5から6に増やし、新たな施設は国産小型旅客機「MRJ」に対応させる。出発と到着時の利用者の動線も見直す。事業費は約200億円。45年ぶりの大改修で、今年度内に取りかかる。
伊丹空港は開港から75年たち、現在のターミナルビルは1969年に運用を始めた。現在2カ所ある到着口は中央エリアに集約し、2016年秋に先行開業する。2020年春には全体が完成する。MRJは客席の床が低いため、駐機施設の2階の床高は通常5メートル超だが、新たな施設は約3.6メートルに抑える。2階から搭乗橋を渡って航空機に乗りやすくなる。こうした低床の施設は国内の空港で初めてという。現行の駐機施設も古いため建て替え、耐震性を高める。最先端の自動チェックイン機の導入も検討している。伊丹空港は関空とともに運営権を売却する方針で、2016年1月の移管を目指している。(日本経済新聞:9月2日)


伊丹空港について考える。


伊丹空港と書いたが、大阪国際空港が正式名称である。関西国際空港と紛らわしいので、伊丹空港の通称が用いられるようだ。国際空港とあるが、定期国際航空路線は就航していない。国際の部分は、要人の専用機などの非営業用の発着が中心である。オフィス街へのアクセスが良いから、ビジネス用途での利用者は多いようである。
伊丹空港の近くには、関西国際空港と神戸空港がある。関西で利用可能な空港を確認し、滑走路長と合わせて下に示す。

■ 関西圏の主な空港と滑走路長
   空港名           滑走路長
  伊丹空港        1,828m   3,000m
  関西国際空港     3,500m   4,000m
  神戸空港        2,500m
  高松空港        2,500m
  徳島飛行場      2,500m
  八尾空港        1,200m   1,490m

先に述べた三空港の他に、四国の高松、徳島と大阪府内の七尾が比較的近い。和歌山県にある空港は南紀白浜空港で、県南部に位置しているから、関西の経済圏から遠い位置にある。岡山空港も同様に遠い。
四国とは橋で結ばれているので、アクセス可能と考えて比較したが、高松空港は香川県の中央部の内陸に位置している。ここは、標高185mの高台にある為、霧が発生し易い。それが原因で到着便の出発地への引き返しや降着地の変更が発生することが他に比べ多い。徳島飛行場は大鳴門橋から近いが、自衛隊徳島航空基地の飛行場を民間と共用している状態である。八尾空港は周囲を住宅地に囲まれていて、高さ制限を超える構造物や樹木が存在するなど、運用に問題を抱える空港である。
三空港が中心であることは間違いない。関西国際空港開業時には、ここが中心になって伊丹空港は役割を終えるものと思っていた。微妙な地域対立というのは、距離が近いほどエネルギーを蓄積し巨大化する傾向がある。あっちに出来たから、こっちを閉めるというのは相談になり難い。神戸空港と関西国際空港を自動車で走ると75km程度となる。これは成田空港と羽田空港の距離に近い。その間に伊丹空港が位置するのだから、協議が簡単に済むとは到底思えない。
話題を戻して、伊丹空港を発着する飛行機の機種と便数をまとめた。九月の時刻表に従い、1日の便数としてまとめた。結果を下に示す。

■ 伊丹空港発着便の機種毎の便数と座席数
   機種名           便数   標準座席数(代表値)
  ボーイング777        54      500
  ボーイング767        16      261
  ボーイング737        60      176
  エアバスA320         20      166
  エンブラエル170       72       76
  ボンバルディアCRJ200   45       50
  ボンバルディアCRJ700    9       70
  ボンバルディアDHC8    68       74
  サーブ340B           8       36

ボンバルディアDHC8とサーブ340Bがターボプロップで、他はジェット機である。伊丹空港の発着回数枠は1日370回までに設定されている。内訳はジェット機枠が300回、ターボプロップ枠が70回である。上記でターボプロップが回数制限を超えるのは、曜日により運休のものを含むことが影響している。大きな機種から小さな機種まで使用している空港である。神戸空港はというと、1日の便数が30往復に限られている。7時から22時までの制限と、1時間当たりの便数によるものという。運用時間の制限については、管制官の増員が必要(担当:国土交通省)になることが理由になっているが、逆に言えば増やせば良いこととも言える。そんな中、737が28往復、767が2往復している。

伊丹空港では、関西国際空港と競合する大型の国際便の乗り入れを期待するより、リージョナルジェットに重きを置くようにした方が良いという判断もあるのだろう。300~500席をカバーする777はともかく、120~190席の737の利用状況によっては、100席前後のリージョナルジェットで置き換えが可能となるかもしれない。
離島部への空路と公共交通の色合いが強いが、神戸空港のように制限があっては対応が出来ない。また、関西空港に乗り入れるのも難しいだろう。ということは、伊丹空港は地方路線と離島へのルートを確保して、関西の経済圏へのアクセスが良好なことに価値を見出したいところだろう。利用者の側からすれば、200人クラスの機体で4時間に1本より、100人クラスで2時間に1本の方が有難いし、1時間に1本なら利用者が更に増える気がする。それほど簡単な話ではないにせよ、横並びで同じ仕事をしていて生き残れる時代ではなくなっている。
伊丹空港で新規の設備を導入するということは、縮小や廃止への動きはないと判断して良いだろう。飛行機の騒音問題が改善していれば、昔のままの規制で良いとはなるまい。神戸空港はどうするつもりなのだろうか。
関西国際空港の話になると旅客便になりがちである。貨物便主体で考えてみるべきだと思う。旅客便も貨物室に乗客以外の貨物を乗せて飛んでいる。空輸するのは料金の高い生鮮品が多いから、人の荷物を扱うより経営的には良いこともある。成田空港に比べ有利な部分も多い関西国際空港だが、貨物の取扱量は少ない。2012年の取扱量を比較した結果を下に示す。

■ 世界の空港 航空貨物取扱量 (2012年 単位:トン)
  成田国際空港   2,006,173
  羽田空港       909,684
  関西国際空港    723,148

東京圏の購買力が大きいという事情はあるが、実際に支配している要件は、物を輸送させるシステムが東京を中心に構築されているという要素が大きいだろう。関西から物を合流させるには成田に一度入れなければならなくなる。関西国際空港を起点にした物流を構築しなければ何も変わらない。
これは輸入における話に限らない。農産品を輸出しようとしたときに、鮮度を保って輸出するのに成田が最適でない場合もあるだろう。例えば、山形産の佐藤錦(さくらんぼ)を上海に輸出するのに、山形からトラックで成田に陸送し、上海に空輸するというルートより、山形から関西に空輸して、上海に輸出するという方が好ましいという検討も出てくる筈だ。関西と山形を結ぶ空路に利用者が少ないというのが一般の意見だろう。佐藤錦が3万円/kgで当たり前に上海に輸出できると言うなら話は変わるだろう。陸送よりMRJのスペースを佐藤錦に充てて、余った分で人間を運べば良いのである。これが当たれば、山形空港と季節限定で直通便を飛ばせば良い。2,000mの滑走路があるから、税関関係を除けば対応可能だろう。
近所でいがみ合って、その先に明るい未来があるとは思えない。もっと先を見る必要がある。


この国に多くある空港を活用することから、地方創生を考えたらどうだろうか。

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