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2014年9月 1日 (月)

高島屋和歌山店が閉店 県内の百貨店は近鉄だけに

高島屋の和歌山店(和歌山市)が8月31日、営業を終えた。周辺の人口減に加え、量販店との競争や大型商業施設の進出で、赤字が続いていた。高島屋の閉店で、和歌山県内の百貨店は近鉄百貨店和歌山店だけになる。
和歌山店は1973年、南海電鉄の和歌山市駅ビルにオープン。売上高はピークの1991年度には65億円だったが、2013年度は22億円に落ち込んでいた。約90人の従業員は大阪店などに転勤するという。和歌山市内にはかつて四つの百貨店があったが、98年に大丸百貨店が撤退し、01年には丸正百貨店が倒産した。百貨店は全国的に減っている。沖縄三越(那覇市)が9月に、県民百貨店(熊本市)が来年2月に閉店する。両県とも残る百貨店は一つになる。川崎市のさいか屋川崎店も来年5月で閉店し、政令指定都市では初めて百貨店がなくなる。
青山学院大学の宮副謙司教授(流通論)は「百貨店を支えてきたファミリー層が新しくできたショッピングモールに流れている。旧来の古い建物では太刀打ちできず、特に地方は厳しい」と話す。(朝日新聞:8月31日)


地方都市について考える。


和歌山市は大阪府の南側に近接していると理解している。箱根のこっちに暮らしているとこの程度と括ってしまえば批判もあるだろうが、少し離れると分からないことが多いというのはどこにでもあるものである。
和歌山市は和歌山県の県庁所在地であり、和歌山県の北部に位置する。和歌山県の四割の人口が集まる。和歌山といえば梅やみかんと考えるが、梅は県の中央に位置する田辺市で、みかんも中央部で盛んなようだ。和歌山県は山が多い県だが、和歌山市の最高点の標高は雲山峰(大阪府との境)で490mであるから、和歌山市は山が多いということではないようだ。
周辺の人口減と記事にあるので、和歌山市について世帯数と人口の推移を確認した。結果を下に示す。

■ 和歌山市の世帯数と人口の推移
   年      世帯数       人口
  1993     137,534     395,882
  1998     143,762     389,809
  2003     147,248     381,539
  2008     149,923     371,001
  2013     155,465     365,910

20年前に比べ人口は一割減っている。逆に世帯数が増加しているが、これは全国的な傾向と合致している。人口構成が変化しているのではと思ったが、適当なデータが入手できなかったので今後の課題にする。
30万人を超える人口と、周辺に5万人水準の市が複数あることからすれば、購買力が不足すると判断するには無理がありそうだ。人口50万人以下では百貨店経営が成立しないとなると、百貨店が出店可能な都市は都市部の極限られた地域になってしまう。実際のところ、それに近い状態があるのかもしれない。ということで、日経MJ(2014年8月14日)から百貨店店舗別売上高ランキングの関西エリアの店舗の売上高を抜粋した。関西圏と近畿のどっちにしようか迷ったが、大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山を対象にした。全国順位と合わせて下に結果を示す。全国100位までから抜粋した。

■ 近畿地区百貨店売上高 (単位:百万円)
      店名           所在地    2013     2012   順位:2013 (2012)
  阪急うめだ本店        大阪    192,214   144,698     2位 (4)
  高島屋 大阪店         大阪    120,685   119,997     8位 (7)
  近鉄あべのハルカス本店  大阪     91,643    82,370    13位 (18)
  大丸神戸            兵庫     85,202    82,985    15位 (16)
  高島屋             京都     85,191    83,866    16位 (15)
  大丸大阪・心斎橋      大阪     84,085    82,985    17位 (16)
  阪神梅田本店         大阪     82,413    89,239    19位 (13)
  大丸京都            京都     69,062    68,503    24位 (22)
  JR京都伊勢丹        京都     64,962    64,041     27位 (24)
  大丸大阪・梅田        大阪     61,575    62,831     28位 (26)
  京阪百貨店・守口      大阪     55,366    55,000     38位 (32)
  JR大阪三越伊勢丹     大阪     30,363    30,257     62位 (61)
  近鉄百貨店・奈良      奈良      27,003    27,178     67位 (66)
  近鉄百貨店・上本町    大阪     26,527    26,734     69位 (67)
  西宮阪急           兵庫     25,116    24,180    72位 (72)
  近鉄百貨店・和歌山    和歌山    23,486    23,771     73位 (73)
  西武高槻            大阪     21,375    21,169     84位 (84)
  高島屋・泉北         大阪     20,178    20,419     88位 (88)
  山陽百貨店         兵庫     19,835    19,913      92位 (93)
  近鉄百貨店・橿原      奈良     19,557    20,046     94位 (91)
  川西阪急           兵庫     17,549    17,711    100位 (98)

大阪、京都、兵庫を除くと、奈良の近鉄の他は、和歌山の近鉄となる。滋賀県を対象にしていないが、近鉄草津店(138位)が最上位なので対象にしているがランキング外という説明も付く。
さて、問題の高島屋和歌山店であるが、閉店が決定されているので売上は高島屋大阪店に含まれている。20億円くらいと言われる売上高なので、大阪店の1,200億円と比べれば小さい。20億円の百貨店に適当な比較例が思い付かないが、マルイ吉祥寺店や松屋浅草店は60億円を超すレベルである。売り場面積の小さい店、例えばショッピングモールへの出店といったものを別にすると、100億円水準の売上高が期待できないと、量販店との競合が強まるのかもしれない。

百貨店が撤退したからと言って生活に影響しないという意見もあるだろう。百貨店が生活を豊かにする条件ではないという論理である。ネット通販で十分という話もその延長にはあるだろう。百貨店があれば生活が豊かとは言えないとしても、百貨店がある程度の暮らしは豊かさを感じるかもしれない。
地方創生とか政府が声高に主張している。田中角栄が1972年に発表した日本列島改造論は地方の活性を目指したものである。つまり、地方が重要と主張するのは四半世紀前から表紙にあるが、実現されたためしがないという存在なのである。その程度のことを新しい発見があったように扱うのに抵抗を覚える。地方は結局金目だということか。その一方で民間の活力をというフレーズが出てくる。しかし、規制緩和はしない。この辺りをまとめると、アベノミクスの途中経過を総括すると、景気が良くなったのを感じるのは都市部の富裕層であるということになる。それでは駄目なのは明らかだが、その先の言葉が聞こえてこないのである。


長期政権になれば、デフレからの脱却と五年後も言っている気がする。

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