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2014年9月18日 (木)

富士入山料集金、山梨側は1億1000万円 予想下回る

山梨県は9月18日、世界文化遺産・富士山で今年から本格導入した入山料に、山梨側の登山者の55.8%に当たる11万6184人が協力し、計1億1394万4478円が集まったと発表した。80%の協力で2億円が集まるとした県の当初の想定を大きく下回った。外国人登山者やツアー客への協力呼び掛けが徹底しなかったことや、悪天候が多く登山者数が例年より少なかったことが影響したとみられる。
県は、7月1日~9月14日の開山期間中、「富士山保全協力金」の名称で1人千円を任意で徴収。吉田口5合目と麓の駐車場に窓口を設置し、5合目では24時間体制で支払いを呼び掛けた。人件費など徴収経費を引いた残りを、救護所の拡充やトイレの設置に充てるという。静岡県も今年から静岡側の登山道などで入山料を集めており、7月10日~9月10日の開山期間で約4万3千人から計約4380万円が集まった。(共同:9月18日)


富士山について考える。


富士山への登山にはルートが四つある。それぞれのルートについて、登山口から山頂までの距離と標高差、登り・下りのおおよその時間を下に示す。

■ 富士山の登山ルートの比較
  ルート     往復距離     標高差    登り時間       下り時間
  吉田      14km       1,450m    6時間10分     3時間30分
  富士宮      8.5km      1,350m    5時間30分      3時間50分
  須走      13km       1,800m    6時間50分     3時間20分
  御殿場     17.5km      2,300m    8時間10分     4時間20分

吉田ルートが山梨に属し、他は静岡になる。山頂までの距離などの問題より、登山口へのアクセスのし易さや、登山ルートにある山小屋の数などの設備によってルートは選ばれるのだろうと思われる。
各ルートの比較をする。吉田ルートは、山小屋や救護所などの施設が充実しているて、登山口までのアクセスはとても便利となっている。利用者が多いから充実するのか、充実することで利用者が多いのかということは考えないことにする。
富士宮ルートは、歴史ある登山道で、駿河湾を背にし、富士山の雄大さを存分に味わいながら歩くという魅力がある。標高の高いところから登り始めるから楽ということにはならない。単純な話で、傾斜は急になるし、高山病のリスクも高くなる。東海道新幹線新富士駅からのバスが利用可能であるから、関西方面からのアクセスが便利となる。関西の人が富士山に興味を持たない傾向があれば意味がないが、その辺は分からない。
須走ルートは、ほとんど樹木のない砂礫地帯を行くイメージになる。アクセスの起点は御殿場駅か、小田急線の新松田 (御殿場線の松田駅) となる。御殿場線の方が便数が多いが、新松田 (神奈川県である) には新宿からの便が良いので、その価値はある。
御殿場ルートというのは他と違うと考えた方がよいようである。標高差の大きさや距離の長さに加え、山小屋の数 (5軒) も少ない。当然これは下山にも共通する。下山は富士宮ルートでバスを利用して移動するという方法も選択できるようだが、それだから楽になるという話でもない。そんな事情があるから、入山者が少ないことから、アクセスでの混雑が少ないといえる。
富士山への登山者数の推移を関東地方環境事務所発表の数字として、登山ルート毎にまとめた結果が発表されている。方法は、平成17年(2005年)から富士山山頂部への登山者数を把握し、国立公園の適正な利用の推進に資する為に、4つの登山道 (吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート及び富士宮ルート) のそれぞれ8合目付近に赤外線カウンターを設置することによって、登山者数調査を実施しているいうことである。各年の登山者数を全体とルート毎の推移としてまとめた結果を下に示す。

■ 各登山道ルート別の登山者数の推移 (人)
   年       全体      吉田      富士宮     須走      御殿場
  2005     200,292    108,247     57,962     25,416      8,667
  2006     221,010    119,631     61,611     30,536      9,232
  2007     231,542    132,980     54,011     33,394     11,157
  2008     305,350    172,369     64,034     52,323     16,624
  2009     292,058    169,217     67,590     43,861     11,390
  2010     320,975    184,320     78,614     48,196       9,845
  2011     293,416    165,038     72,441     40,179     15,758
  2012     318,565    189,771     77,755     35,577     15,462
  2013     310,721    179,720     76,784     36,508     17,709

五合目へのマイカー規制の影響など変動要素はあるようだが、近年は30万人超という水準で推移していて、十年前の20万人水準と比べて大幅に増加しているのが分かる。どのルートも同様の傾向のようで、特定のルートだけが増加したということではないようだ。吉田ルートが全体の六割で、富士宮が25%、御殿場が5%前後で、須走が残りの10~15%というレベルである。
ついでだから、夏期の各ルートの登山者数を示す。これには今年の結果がある。

■ 富士山の登山者数の推移 (7月1日 ~ 8月31日)
   年     全登山者数     吉田      富士宮     須走      御殿場
  2005     200,292     108,247     57,962     25,416      8,667
  2006     221,010     119,631     61,611     30,536      9,232
  2007     231,542     132,980     54,011     33,394     11,157
  2008     305,350     172,369     64,034     52,323     16,624
  2009     292,058     169,217     67,590     43,861     11,390
  2010     320,975     184,320     78,614     48,196      9,845
  2011     293,416     165,038     72,441     40,179     15,758
  2012     318,565     189,771     77,755     35,577     15,462
  2013     310,721     179,720     76,784     36,508     17,709
  2014     243,662     141,996     57,054     29,109     15,503

傾向は同じである。ほとんどの人がこの時期に利用することが分かる。

入場料を取ることの目的が、入場者制限をすることか、入場料収入により施設整備を実施することなのか不明なのが分かり難いところである。きっと両方と答えるのだろうが、そういう仕事が成功した例はない。整備が目的ならどこの何をするかの議論が付いてくるものである。本音は入場料収入にあるのだが、建前として数の制限を詠わねばならない事情もあるのだろう。だいたい、富士山を商売にしている人が沢山いるのだから、入場制限をするのにもろ手を挙げて賛成という方向には向かわないだろう。
産業廃棄物の投棄が多い山梨県ではこの処理に入場料収入を使いたいところだろうが、静岡県では山小屋やトイレの充実に力を入れたい。というのは、これで静岡側の利用者の増加が期待できるという図式が成立するからだろう。なんのことはない、収入を自分の側の目的に使いたいという話に落ち着く。
入山料はともかく、山梨県と静岡県とが富士山のことで一緒に仕事をするというのが奇跡的なことである。最初の一歩は予想通り、まとまりが付かなくなったという結果になっている。奇跡的な作業によくある、必然的な結論に至っている。富士山がどっちから見たら綺麗かという素朴な対立に留まっていないのだから、ギスギスする要素に欠くことはない。
使い方を決めて、全員から徴収するのが本筋だろう。静岡と山梨の対立は、両県で好きにしてもらうとして、全体の方針は国立公園だから国が決めるよりないだろう。


山頂からは富士山は見えない。それと丹沢からの写真が綺麗だと言ったら問題になるのか。

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