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2014年8月 1日 (金)

「ミラーレス一眼」初の2割超え デジカメ1~6月世界出荷

ミラーレス一眼カメラの出荷が拡大している。カメラ映像機器工業会(CIPA)が8月1日に発表した1~6月期のデジタルカメラ統計で、ミラーレス一眼の世界出荷実績が初めてレンズ交換式の中で2割を超えた。
ミラーレス一眼の出荷は8カ月連続で前年実績を上回った。1~6月の世界出荷額は前年同期比40%増の607億円で、レンズ交換式のうち22.3%を占めた。統計のある2012年以来、1~6月期で初めて2割を超えた。一方で、デジタル一眼レフは15.7%減の2113億円だった。
ミラーレス市場では富士フイルムやソニーやパナソニックといった日本企業の存在感が大きい。12年にミラーレス市場に参入した富士フイルムの古森重隆・会長兼最高経営責任者(CEO)は「写真愛好家層は描写力のあるカメラを好み、ミラーレスはそれに対する最強の答えだ」と話す。
14年度の出荷台数は前年度比56.6%減200万台を計画する。低価格コンパクトを大幅に縮小する一方、利幅の大きいミラーレス一眼の販売を拡充する。4~6月期の販売実績は68万台と出足は好調という。
14年2月に発売した「X-T1」は発売以来、当初予定の2倍、2万台で5カ月間増産している。電子式ビューファインダーの性能向上にこだわり、ミラーレスの弱点とされてきた表示速度の遅れも大幅に改善した。ミラーレスの普及を加速させたのが、昨年11月以降に各社が発売した高性能機種とされる。ソニーやパナソニックなど、平均単価が10万円を超える高級ミラーレスが続々と登場している。ソニーの「α7」は一眼レフに使われる「フルサイズ」と呼ばれる大型撮像素子を搭載した。ミラーレス一眼の苦手分野だった自動焦点で、世界最速の0.06秒の高速性能を持つ「α6000」を14年3月に売り出した。08年に世界初のミラーレスを売り出したパナソニックも4月に世界初の4K対応機を発売し、赤字のデジカメ事業の採算改善を急ぐ。
ミラーレスが市場に登場してから6年。4倍以上の市場規模を持つ一眼レフは依然として根強い支持を得ている。スマートフォン(スマホ)に需要を奪われ縮小傾向が続くデジカメ市場で、成長分野としてさらに競争が激しくなりそうだ。(日本経済新聞:8月1日)


なんとも怪しい匂いのする記事である。


デジタルカメラが売れていないのは事実で、ミラーレス(ノンレフレックス)が売れているという記事を以前扱ったが、それ程のものでもなかった。おとなしく、CIPAの生産台数の推移から確認することにしよう。ミラーレスのある2012年以降の月生産台数推移を下に示す。

■ デジタルカメラ生産台数推移 (単位:千台)
    月  デジタルカメラ計 コンパクト 交換式一眼レフ 一眼レフ ノンレフレックス
  2014年6月    3,406    2,267     1,138      866     272
  2014年5月    3,562    2,340     1,222      973     250
  2014年4月    3,826    2,599     1,227      981     245
  2014年3月    3,158    2,121     1,037      775     263
  2014年2月    2,899    1,964      935      755     180
  2014年1月    2,951    1,954      997      791     206
  2013年12月    3,187    1,913     1,274     1,000     274
  2013年11月    5,865    4,103     1,762     1,310     452
  2013年10月    6,297    4,449     1,847     1,480     367
  2013年9月    5,586    3,924     1,662     1,292     369
  2013年8月    5,458    3,858     1,600     1,294     306
  2013年7月    5,055    3,577     1,479     1,273     205
  2013年6月    4,359    3,032     1,327     1,106     221
  2013年5月    5,179    3,785     1,394     1,174     221
  2013年4月    5,626    4,289     1,337     1,175     162
  2013年3月    5,252    4,138     1,114       915     200
  2013年2月    4,329    3,389      940       769     172
  2013年1月    4,813    3,732     1,081       847     234
  2012年12月    4,634    2,967     1,667     1,344     324
  2012年11月    8,213    6,120     2,093     1,504     588
  2012年10月    9,626    7,528     2,098     1,466     632
  2012年9月    7,431    5,670     1,761     1,502     259
  2012年8月    8,775    6,804     1,971     1,602     369
  2012年7月    7,963    5,983     1,980     1,636     343
  2012年6月    9,075    6,999     2,076     1,777     299
  2012年5月    9,279    7,501     1,778     1,438     340
  2012年4月    9,664    8,242     1,422     1,147     276
  2012年3月    10,924    9,179     1,745     1,433     312
  2012年2月    8,878    7,411     1,466     1,155     311
  2012年1月    5,913    4,881     1,032      856     176

ミラーレスが増えているかといえばその傾向は認められるが、市場を必発原動力には力不足に見える。一方、レンズ交換式一眼レフはというと、ひところのような勢いは失ったようだ。大きく重いものが高性能と等しいというのは、現在でも一部で真実であるのだろうが、画質を決定するのがイメージセンサーとその処理技術であることからすると、大きく重いものより新しい製品に最良が移ることになる。高いカメラを買うより、ほどほどの価格で常に新しくするというのが良い写真を得る最良の手段ということか。これを信じる者が多ければカメラ会社は助かるのだが、スマートフォンのカメラとの性能差がウェブ上で見えなければ訴求力に乏しいということになる。
レンズ交換式カメラの出荷台数が伸びない中で、その一部が少し伸びているというのではカメラ会社の商売は厳しい。手ぶれ補正技術などの適用で最新のレンズが好ましいという流れをつくり、レンズで儲ける商売にしたかったようだが、たくさんレンズを集めるというユーザは限られているようだ。
何とも愛想のないまとめなので、平均単価に注目して推移をまとめた結果を下に示す。

■ デジタルカメラ平均単価推移 (単位:円)
    月    デジタルカメラ計  コンパクト  交換式一眼レフ 一眼レフ   ノンレフレックス
  2014年6月     16,992     10,857     29,209     29,927     26,920
  2014年5月     16,674     10,380     28,725     28,679     28,906
  2014年4月     15,989     10,109     28,448     28,850     26,839
  2014年3月     17,001     10,703     29,880     31,605     24,793
  2014年2月     16,786     10,591     29,800     30,742     25,849
  2014年1月     16,590      9,493     30,501     31,147     28,016
  2013年12月     19,442     10,989     32,132     33,022     28,890
  2013年11月     16,632     10,361     31,234     30,750     32,640
  2013年10月     15,662      9,943     29,439     30,349     25,767
  2013年9月     15,837     10,173     29,212     30,624     24,270
  2013年8月     15,212      9,245     29,607     30,946     23,939
  2013年7月     15,349      9,881     28,574     29,155     24,975
  2013年6月     14,432      9,389     25,951     26,348     23,965
  2013年5月     13,818      9,387     25,846     26,303     23,416
  2013年4月     12,829      8,353     27,188     27,493     24,977
  2013年3月     11,584      7,365     27,248     28,365     22,128
  2013年2月     12,369      8,158     27,546     28,520     23,184
  2013年1月     11,799      7,427     26,885     27,889     23,244
  2012年12月     15,535      8,837     27,454     28,263     24,097
  2012年11月     12,417      7,974     25,409     26,220     23,335
  2012年10月     11,637      7,806     25,383     26,605     22,550
  2012年9月     13,072      8,338     28,316     29,088     23,841
  2012年8月     12,038      7,458     27,847     29,406     21,080
  2012年7月     12,762      7,619     28,304     29,355     23,291
  2012年6月     12,312      7,591     28,228     28,948     23,940
  2012年5月     11,284      7,492     27,284     28,019     24,176
  2012年4月     10,513      7,556     27,650     28,464     24,265
  2012年3月     10,928      7,690     27,960     28,694     24,582
  2012年2月     10,572      7,748     24,846     24,912     24,602
  2012年1月     11,434      8,260     26,439     27,140     23,030

スマートフォンと直接競合するであろうコンパクトタイプの単価はひところより上昇している。安くてほどほど写るというのではスマートフォンに負けるから、安い製品は淘汰されて性能差のあるものだけが残っているということだろう。先の台数ベースで見ても悲惨なくらい台数は減っているから当然のことではある。
一眼レフタイプはどうかというと昨年末に上がったものが下がってきていて、同じような価格に届きそうな雰囲気である。イメージセンサーを大きくする、即ち保存する画像データが大きくなり、画像処理のソフトウェアの処理能力も要求されて、価格が高くなる要素満載でも製品価格は安くなるのである。ソフトウェアの代金は台数が沢山出れば吸収できようが、台数の伸びもないとなれば八方ふさがりである。
ミラーレスでも似たようなものだが、一眼レフとの共通化を進めてコストの吸収をおこなうということなのだろうか。

カメラ事業というのは、製品に愛着を持って長く使うというタイプの産業として特徴付けられていたと思うが、銀塩からイメージセンサーに切り替わって、産業の特徴が大きく変わったようだ。変わったのに、経営側の意思決定が同じであれば躓くことは必定である。さて、今後どのように舵取りをするのだろうか。


提灯記事を載せる事情はあるのだろう。新聞社の提灯記事はどこに載せてもらうのだろうか。

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