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2014年8月13日 (水)

カット野菜:カゴメとキユーピー

カゴメは市場が急拡大しているカット野菜に参入する。専業大手など3社で8月12日、共同出資会社を設立した。新工場を建設し、栄養価を高めた機能性商品を2015年1月から首都圏のスーパーで売り出す。サラダ用カット野菜はシニア層の利用が膨らんでおり、14年中にも市場が1000億円を超える見通し。飲料事業が伸び悩むなか、農業ベンチャーなどグループの資産をいかし新たな収益源に育てる。
新会社はマルアキフーズ(横浜市)と青果の仲卸大手と設立した。約9億円を投じて横浜市内に新工場を建設する。延べ床面積は約5000平方メートル。集荷から洗浄、パック詰めまで一貫して手がける工場としては関東地区で最大規模になる。複数の食品スーパーなどと交渉を進めており、まず数百店規模で取り扱いを始める。17年までに年間50億円の販売をめざす。第2工場や関西工場の建設も検討する。カゴメは12年からのトマトブームが一巡。14年4~6月期は、野菜飲料の伸び悩みもあり、連結営業利益が前年同期比で半減した。収益力が鈍るなか、グループの資産をフル活用して新しい事業の柱に育てる。(日本経済新聞:8月13日)


カット野菜について考える。


以前、キユーピーがJA全農と業務上カット野菜で合弁会社を設立することを扱った。2013年8月のことであるが、この工場の操業開始は今年の10月になっている。売り上げ目標は、2015年に売上高18億円とあり、処理能力は年間8,000トンとある。キユーピーはこの他に、三菱商事との合弁でサラダクラブという会社を1999年に設立し2013年の売上は206億円となっている。ここはパッケージサラダの製造販売、マヨネーズ、ドレッシング、ソース、その他調味料の販売とあるから、カット野菜だけではないが、商品を見るとカット野菜が中心である。この会社の増産は決まっていて、10億円を投じた広島県三原市の新工場を12月に稼働させるほか、熊本市と群馬県伊勢崎市のグループ工場でも新たに生産を始める。全体の生産能力を2割増の1日85万パックに引き上げるとしている。サラダクラブの売上高推移をまとめた。

■ サラダクラブの売上高推移 (単位:億円)
   年     売上高
  2013    206
  2012    171
  2011    132
  2010    115
  2009    109
  2008     99
  2007     90
  2006     76
  2005     63
  2004     50
  2003     46

順調に伸びている。この会社は、三菱商事が野菜の原料調達、キユーピーが技術開発、サラダクラブが商品開発と生産販売という役割分担で運営しているという。三菱商事が販売をしないとメリットが小さい気もするが、それではまとまる話もまとまらないということだろう。
原料調達が三菱商事かJA全農かというだけで、過去の記事と類似している。出資比率はキユーピーが51%であるのは共通である。同じ仕事を別の会社と同時期に提携するというのは作法の悪いやり方である。一方の会社に制限があってという事情がないとこれはしないだろう。ということは、JA全農でないと仕入れ難い野菜があるということだろうか。あるいは、JAが関係していないと売れない客が存在するということか。売り上げ目標の設定も微妙に低いし、三菱との話が全国なのに、神奈川からというのも気になる。

さて、カゴメの話である。サラダバンクシリーズは今年の2月に新発売を発表した製品で、3月から関東で販売を開始している。類似した他社品より一割から二割高いという。こちらの仕入先で名前が出るのが果実堂である。熊本県益城町にある農業ベンチャーである。この会社を調べると出資者に創業者の他に、三井物産 、カゴメ 、エア・ウォーター 、矢崎総業 、富士通九州システムズ 、ミクニとある。金額順だろうからカゴメは大きな出資者である。調達するのはベビーリーフや発芽大豆だという。葉物野菜の単価は500円/kgくらいで考えれば良いが、これはもう少し高いだろう。参考に記すとトマトは300円/kgだが、カゴメが加工用に調達するのは100円/kgを下回る筈だ。果実堂の生産量と栽培面積は、年間400トンと45ha である。ほうれん草などの面積当たりの収量は、10aで1トンと見積もれるから平均的なレベルである。果実堂の従業員数は120名(パート含む)で、年間売上高は計算上20億円となる。現実的な話としてはこの七掛けが相当だろうが、半分より上なら農業系の法人としては良い線だと思う。


カット野菜が流行るのは、健康志向と手間が掛らないことだろう。使わずに捨ててしまう野菜が減るのは結構な話である。そうは言っても、カットした後は傷みやすいし、栄養が減ることも起きるだろう。国内市場に依存する会社が市場を掘り起こす必要は理解するし、単一製品に依存していて拡大が期待できないとなれば手を打たなければならない事情も出る。
サラダクラブの売上高の推移からすれば成長している市場であるのは明らかだが、高くても売れるという市場があるというのは少々楽観的だと感じる。もともと割高である商品で、ブランドを活かした販売だから受け入れられるとまで簡単ではない。市場が拡大すれば適正価格はそれ以前より低くなる。高価格帯に小さな市場を求めるのはベンチャーには選択肢になっても大手には馴染まない。


健康志向に乗って、不味い商品を無理やり売るのに未来を感じない。

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