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2014年8月28日 (木)

すかいらーくの東証上場を承認 10月9日付

東京証券取引所は8月28日、すかいらーくの上場を承認したと発表した。上場予定日は10月9日。市場区分は東証1部または2部で、公開価格が決まった後に決める。MBO(経営陣が参加する買収)で上場廃止になった2006年9月以来、8年ぶりの市場復帰となる。
すかいらーくは上場廃止後、11年に米投資会社ベインキャピタルの傘下に入り、経営再建を進めていた。上場にあたっては筆頭株主のベインキャピタルが6481万7100株、他の株主が163万5500株を売り出す。主幹事は野村証券。公募は国内で413万8000株、売り出しは国内で4314万7600株、海外で2330万5000株をメドに実施する予定。投資家の需要状況に応じて最大で709万2800株の追加売り出しも実施する。
MBOの際に巨額ののれん代を抱えたことから、会計基準は減損が発生しなければ償却の必要がない国際会計基準(IFRS)を採用しており、IFRSを採用する企業としては初の新規上場になる。(日経QUICKニュース:8月28日)


すかいらーくについて考える。


すかいらーくは2006年7月にTOBを実施して上場停止している。これがMBOの実施なのだが、このときに要した総額は2700億円であった。のれんは買収金額と純資産の差額で計算されるから、当時の純資産900億円との差額が暖簾になる。つまり1800億円である。買収資金の大半を借り入れで賄ったため、2007年12月期末の有利子負債は2000億円に達した(単体ベース)。日本会計基準では毎期75億円ののれん償却 (20年以内に償却、費用化が求められる) が販管費に計上されることになる。これで営業利益以下を押し下げるし、加えて、のれんは貸借対照表(バランスシート)の資産側に計上されるから、毎期減少していくことになる。当期利益の積み上げと、負債の圧縮が進まなければ、のれんの減少しだいで債務超過に陥る可能性も出てくると苦しい話ばかりである。
記事で国際会計基準の話が出てくるのはこれが理由で、のれん償却が不要な国際会計基準にすれば上場可能だと言っているようなものである。海外の企業のM&Aを実施する企業であるなら、国際会計基準を使う理由があると感じるが、国内市場向けのレストラン事業というのは、とってもドメスティックな色彩の強いものである。それが国際会計基準もないものだとも思うが、金融庁が2016年までに強制適用するとしていたのだから言い訳がないことはない。まあ、金融庁は先送りとしてしまったのだが。
見かけ上成績を良くしても、国際会計基準が緩いということではなく、減損の要否に関する判定が厳格であるとされるから、これから先は大変である。少なくとも、国際会計基準で会計処理をしている会社だと認識して株式を買わねばならないだろう。

2006年のときは横川竟が代表者であったが、2008年8月に業績不振を理由に解任されている。MBOの目的の一つは、創業家の影響を残しつつ、短期的な利益を求める株主の意見に流されない体制にしたいという希望であったようだ。その創業者はMBOの後に役員を解かれ、谷真が代表になって今日まで続いている。谷真はすかいらーく育ちであるようだ。国内市場が縮小する中で、新たな成長戦略をどのように打ち出すのだろうか。難しいかじ取りになることだけは確実である。


証券会社は上場しなければならない理由があるが、それだけで良いのかとも思う。

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