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2014年7月 9日 (水)

GSユアサのリチウムイオン電池、みえてきた黒字化

赤字続きだったジーエス・ユアサコーポレーションのリチウムイオン電池事業は、ようやく黒字化がみえてきた。ビルのバックアップ電源システムなど高収益事業を抱え、2015年3月期の純利益は過去最高を更新する見通し。鉛蓄電池やニッケル水素電池に比べ出力が高く有望なリチウムイオン電池事業も収益に貢献してくれば、業績は盤石になるとの期待が高い。
パソコン向けなどの小型電池は韓国勢との競争が激しく撤退済みで、自動車向けなど中大型電池に特化している。振動が加わる過酷な条件で使われ、技術力を生かせるためだ。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車向けは、三菱商事や三菱自動車と共同出資するリチウムエナジージャパン(LEJ)で製造。ハイブリッド車向けはホンダと共同出資するブルーエナジー(BEC)で手掛けている。2社ともGSユアサが51%出資し、連結対象に含まれる。
自動車用は14年3月期まで7期連続の営業赤字だった。依田誠社長は「工場稼働率がまだ低い」と語る。15年3月期も30億円の赤字見通しだ。
特に赤字が大きいのがLEJだ。07年の設立時に大型の生産設備を導入したが、三菱自動車の電気自動車「アイ・ミーブ」が想定ほど売れず、固定費が重くのしかかった。13年にはプラグインハイブリッド車「アウトランダーPHEV」に供給した電池に不具合が見つかり、リコール(回収・無償修理)関連損失を計上した。ただ、仏プジョーシトロエングループなど欧州向けに生産が増えている。アウトランダーのリコール対応も終わり、15年3月期の稼働率は70%に上昇する見込みだ。現在は自動車部品で世界最大手の独ボッシュや三菱商事と共同で、充電1回あたりの走行可能距離が倍となる高性能蓄電池の開発を進めている。ボッシュとはLEJを通じ欧州で販売協力しており、幅広い提携効果が見込める。BECはホンダ向けが伸びている。ハイブリッド車の電池はニッケル水素電池からリチウムイオン電池へ置き換えが進んでいる。14年3月期の下期は黒字に転換。15年3月期は稼働率が65%に上昇し通期での黒字化を目指している。依田社長は「(自動車メーカーが)EVを投入してくれないと(電池の)需要は伸びない」と指摘する。EV市場の裾野が広がれば、リチウムイオン電池事業は赤字脱却はもとより、目標とする売上高1000億円がみえてくる。(日本経済新聞:7月9日)


GSユアサについて考える。


GSユアサは、日本電池とユアサコーポレーションが2004年に統合してできた会社である。GSは日本電池で、創業者の島津源蔵のイニシャルである。ユアサの方の創業者は湯浅七左衛門である。電池会社で、自動車用鉛蓄電池では国内のシェアはトップ、世界でも第2位である。
GSユアサの四半期決算推移を下に示す。

■ GSユアサ四半期決算推移 (単位:百万円)
   四半期      売上高  営業利益  経常利益 当期純利益
  26年3月期4Q   107,527   8,435    8,964    5,070
  26年3月期3Q   92,557   6,023    6,290    1,867
  26年3月期2Q   82,279   2,130    2,421    2,918
  26年3月期1Q   65,632   1,609    2,658     127
  25年3月期4Q   78,631   3,312    4,099     248
  25年3月期3Q   68,397   2,406    3,207    2,372
  25年3月期2Q   64,581   2,631    3,025    2,085
  25年3月期1Q   62,900   1,426    1,927    1,062
  24年3月期4Q   80,181   7,103    7,989    6,006
  24年3月期3Q   73,358   4,130    4,935    3,251
  24年3月期2Q   71,547   3,985    3,881    2,345
  24年3月期1Q   60,348    812    1,186     131
  23年3月期4Q   75,074   5,634    5,318    3,681
  23年3月期3Q   69,418   5,841    6,366    5,428
  23年3月期2Q   68,793   3,873    3,750    1,798
  23年3月期1Q   59,229   2,241    2,079     815

第1四半期の売上が低く、第4四半期が高いという傾向が認められる。日本の企業にはよくある傾向のようだが、平準化した方が経営効率が上がりそうである。誰もがそう思っていても、誰も手が出せない領域なのかもしれない。年間売上高が4,000億円規模の会社であるが、自動車の国内製造台数が大きく増えないとなると、成長戦略を描くのは大変そうである。
セグメント売上高を下に示す。

■ GSユアサ四半期セグメント売上高推移 (単位:百万円)
   四半期   国内自動車電池  国内産業電池    海外     リチウム     計
                       及び電源装置          イオン電池
  2014年3月     15,830       28,232       46,740     14,682     105,484
  2013年12月     16,647       20,182       42,020     11,348     90,198
  2013年9月     13,884       19,137       41,620     5,375     80,015
  2013年6月     12,053       14,287       35,375     1,524     63,241
  2013年3月     14,288       25,742       31,253     4,166     75,450
  2012年12月     15,961       18,836       28,992     1,863     65,651
  2012年9月     14,074       16,324       30,058     1,652     62,107
  2012年6月     12,671       13,945       30,979     3,143     60,740
  2012年3月     15,768       23,321       30,426     7,789     77,305
  2011年12月     16,580       17,815       30,724     5,400     70,519
  2011年9月     15,367       17,082       31,415     5,036     68,899
  2011年6月     12,716       12,531       30,023     2,982     58,254
  2011年3月     15,269       21,453       30,165      ―      78,988
  2010年12月     16,546       17,067       29,044      ―       62,657
  2010年9月     15,293       17,088       30,978      ―       63,358
  2010年6月     13,197       12,589       29,589      ―       55,377

記事で扱われているリチウムイオン電池事業の売上は順調に伸びているようだ。四半期で100億円を超えるレベルになっているが、1,000億円ということは250億円を四半期に上げなければならないからもう少し先の話にも見える。
従来25%レベルであった自動車用国内が売上を維持した状態で15%レベルになり、国内産業電池及び電源装置が順調に伸びている。海外の売り上げ割合は45%前後というところだから、為替の影響が利益に出易い事業構造ではある。

■ GSユアサ四半期セグメント利益推移 (単位:百万円)
   四半期   国内自動車電池  国内産業電池    海外     リチウム     計
                       及び電源装置           イオン電池
  2014年3月      851        6,174        2,652       -417     9,258
  2013年12月     1,813        3,030        2,127      -1,756     5,214
  2013年9月      542        2,429        2,168      -3,435     1,705
  2013年6月      104         566        2,049      -1,635     1,084
  2013年3月      649        5,733        1,100      -4,037     3,445
  2012年12月     1,958        2,776        1,678      -4,225     2,188
  2012年9月      958        1,823        1,914      -1,933     2,761
  2012年6月      366         481        1,688      -1,054     1,482
  2012年3月     1,225        5,255        2,026      -1,021     7,484
  2011年12月     1,946        2,266         829       -874     4,167
  2011年9月      858        1,781        2,066       -536     4,170
  2011年6月      237         338        1,085       -834      826
  2011年3月      929        4,119        2,346       ―      6,122
  2010年12月     1,991        2,290        1,803       ―      6,085
  2010年9月     1,285        1,668        2,367       ―      5,319
  2010年6月      632         359        2,077       ―      3,069

セグメント利益によるとリチウムイオン電池の利益は、大きな赤字であったものが改善してきている。国内自動車の利益は少ない。海外の利益が大きいのは円安傾向の為替の影響が出ているだろう。EVやPHEVの普及が進めば、このセグメントの売上は伸びるだろうが、少々不確定性の高い事業見通しではある。自動車関係に大きく依存している一方で、この分野の成長性を見いだせていない状況となると、経営のかじ取りはさぞかし難しいことだろう。自動車の生産台数は伸びるのだろうが、価格は安くなる方向にならざるを得ないというのが、自動車関係の部品会社に共通する悩みであろう。


柱があるのは頼もしいが、依存度が高いと自由度は失われる。

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