「ダイソー」が下請法違反=不当に返品、勧告2回目:公取委
国内外で100円ショップ「ザ・ダイソー」を展開する大創産業(広島県東広島市)が、商品製造を委託する国内の下請け業者62社に商品を不当に返品するなどしていたとして、公正取引委員会は7月15日、下請法違反で同社に再発防止を勧告した。
同社は既に、不当な返品分など総額約1億4500万円を業者に支払った。同社への勧告は、公取委が2004年から社名を公表するようになって以降、12年3月に続いて2回目。(時事通信:7月15日)
100円ショップについて考える。
主な100円ショップチェーンは4つある。これらの会社について資本金、店舗数、従業員数について比較した。結果を下に示す。
■ 主な100円ショップチェーンの資本金・店舗数、従業員数比較
社名 資本金(百万円) 店舗数国内 従業員数 パートタイマー
ダイソー 2,700 2,800 1,000 -
セリア 1,279 1,173 374 6,690
キャンドゥ 3,028 867 804 3,056
ワッツ 440 929 - 2,501
ダイソーの会社名は大創産業である。今回の記事の主役は、この業界の最大の企業である。ダイソーは株式を公開していないので、公表されている情報は限られている。例えば、直営店とFCの店舗数などというのは、新たに加入しようと考えるオーナーさんには興味のあるところだろうが、公表されていない。セリアは直営店が1,090店と非常に多い。キャンドゥは、2013年11月決算資料によると、全店舗数854の内、直営店が585店舗、FC店が269店舗とある。ワッツは、2013年8月決算資料によると全店舗数901の内、直営店が848店舗、FC店が53店舗とある。100円ショップの経営は、FCより直営が好まれる体質があるようである。コンビニエンスストアとの違いがありそうだ。ここら辺りに着目して分析した資料があれば教えて欲しい。誰が教えてくれるというのか想像が付かないが、偶然このページに行き着いた奇特な人が存在しないことを証明するのは大変なことである。コメントを入れてくれれば幸いに思う。
さて、四社の売上高の推移を確認した。単位は億円で、決算期が異なるので、適当に合わせたというと語弊があるが、見易いように並べた。結果を下に示す。
■ 主な100円ショップチェーンの売上高推移 (単位:億円)
社名 2002年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
ダイソー 2,400 3,414 3,411 3,415 3,519 3,763
セリア 609 762 834 936 982 1,094
キャンドゥ 297 628 624 630 627 627
ワッツ 95 331 346 382 408 417
最近の5年分と、12年前のものを参考の為に記した。4年前に比較して、ダイソーは10%増、セリアは43%増、キャンドゥは横ばい、ワッツは26%増となっている。商品がコンビニエンスストアに比べるとチェーンによる商品構成に差がありそうなので、単純な売上比較で済まないのだろうが、最大手のダイソーは苦しい立場にあるという見方も成り立ちそうである。もっと古い2002年と比較してダイソーの伸び率が低い。チェーンの完成度の違いであるかもしれないし、別の要因があるかもしれない。まあ、結局何も分からないという話なのであるが。
委託する国内の下請け業者に商品を不当に返品したということだが、製造の多くを中国に依存しているというのがこの業界の環境のようだ。とすると、国内の下請けの先に中国があるということか。そうだとすると、ダイソーは中国製の品質や供給のリスクを背負わずに、国内の下請けに押し付けていたという想像も成立する。リスクの大きさと利益の大きさがバランスしていれば正当な取引であるが、元請け側にとても有利に出来ていれば問題があると指摘される。ことの本質はこっちの方にありそうな想像が働くのだが、本当のところどうなのだろうか。総額約1億4500万円というのは、返品処理にしては金額が大き過ぎると感じるし、二度目とは言え公取委の動きもフットワークが軽い。
公取委はいつでもこの位動きが良いと、この国の様子も変わりそうである。
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