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2014年6月 3日 (火)

キャタピラージャパン、排ガス規制対応の油圧ショベル

キャタピラージャパン 最新の排ガス規制に対応した11トン級油圧ショベルを6月30日に発売する。最新鋭の排ガス処理装置などを採用し、窒素酸化物(NOX)や粒子状物質(PM)の排出量を削減。日本のオフロード法2014年基準に適合する機種の発売は初という。燃費も従来機より約2割改善した。価格は税別1,166万円。(日本経済新聞:6月3日)


オフロード法について考える。


オフロード法は、2006年に道路走行しない特殊自動車に対して使用規制がなされたものである。オフロード法は通称で、正式名称は「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」という。排ガス規制なのだが、一般の自動車との区別の為に、このような呼び方がされている。対象となるのは、重機、建設用機械のほぼすべてだと考えて良いようだ。
2006年基準の規制と、さらに厳しくなった2011年、2014年基準の規制がある。記事にあるのは当然2014年基準になっている。規制内容としては、一酸化炭素(CO)、非メタン炭化水素(NMHC)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)、ディーゼル黒煙の数値が示されている。この法律の目的が、「特殊自動車の使用による大気の汚染の防止を図り、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全するため、公道を走行しないオフロード特殊自動車に対する排出ガス規制を新たに行う」とあるから、排ガス規制としては妥当な内容だと思う。
規制については、製造メーカーに対して、基準に達していない機械を販売・製造が出来なくなり、違反すると100万円以下の罰金、もしくは1年以内の 懲役が科せられる。使用者に対しても、定期検査(1年以内ごとに1回)、日常点検、定期点検の教育・講習の励行、運転方法のマニュアルの作成・従業員への教育の義務が課せられ、不正改造や整備不良によって、排気ガスの状態が悪化しているようだと報告徴収や立ち入り検査が行われることになっている。罰則規定もあり、改善が見られない場合や、立ち入り検査を拒否・嘘の報告をした場合は、30万円以下の罰金が科せらる。古いモデルの機械はどうかというと、これについては規制されない。つまり、古い機械を継続使用しても、使用者は点検などを怠らなければ問題ない。加えて、中古車としての販売・購入やレンタル用についても同様に問題はない。
規制で各年度で厳しくなった窒素酸化物、粒子状物質の規制値について確認する。下に規制値を示す。

■ オフロード法の窒素酸化物、粒子状物質規制値推移
                ≪      窒素酸化物 (NOx)      ≫ ≪        粒子状物質 (PM)       ≫
    定格出力        2006      2011      2014       2006      2011      2014
   19kW~ 37kW (D1)   6.0 (7.98)   4.0 (5.3)   4.0 (5.3)     0.40 (0.53)   0.03 (0.04)    0.03 (0.04)
   37kW~ 56kW (D2)   4.0 (5.32)   4.0 (5.3)   4.0 (5.3)     0.30 (0.40)   0.025 (0.033)   0.025 (0.033)
   56kW~ 75kW (D3)   4.0 (5.32)   3.3 (4.4)   0.4 (0.53)    0.25 (0.33)   0.02 (0.03)    0.02 (0.03)
   75kW~130kW (D4)   3.6 (4.79)   3.3 (4.4)   0.4 (0.53)    0.20 (0.27)   0.02 (0.03)    0.02 (0.03)
   130kW~560kW (D5)   3.6 (4.79)   2.0 (2.7)   0.4 (0.53)    0.17 (0.23)   0.02 (0.03)    0.02 (0.03)

規制は出力の大きい方が規制が厳しのは、排気量の大きなエンジンの方が排ガスデバイスが効果的に機能すること、出力低下の割合が小さいこともあるだろう。本質は排気ガスの量が大きい方を厳しくしておいた方が全体として環境影響が小さくできるし、価格の高い機械ならコストに吸収できるという目論見もあるだろう。この手の機械の販売価格は、1kWあたり10万円と思えば良い。だから一番下の欄の機械は1,000万円を超える。道路工事やビルの建設現場にある大きな機械のクラスである。

規制を掛けても古い機械は適用外となると、古い機械をメンテナンスして使うということもあるだろう。規制対象への切り替えが遅いとあらば、行政に関係する発注工事は規制をクリアーした機械を義務付けることにするかもしれない。高いコストが生じても機械を設計している会社は、置き換えが遅いということなら不満の捌け先は行政よりない。行政は自分で制御できる受注関係に持っていくよりないだろう。
北京みたいに曇ってしまうのは困りものだ。エンジンが性能通りに働き、排ガスデバイスが機能するには、本当のところ燃料が適正なものでなければならない。燃料の安定化の実現は長い時間を掛けて実現してきたものだが、結果として原料の調達先の自由度が下がってしまうことは困ったものである。いろいろ困ることが多いから、いろいろ考えねばならない。


そのうち刈払機まで規制するのだろうか。20㏄のガソリンエンジンだよ。

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