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2014年5月18日 (日)

テレビ局実績

テレビ局の経営状態を確認したが、テレビ放送に限定してもう少し考えてみる。


在京各社のテレビ局の経営を見てきたが、各社持ち株会社化し経営が複雑になっていた。そこで、テレビ放送に限定して売上高の推移を比較した。日本テレビは放送事業のみの発表がなかったので、後で述べるタイムとスポットの合計金額で代用した。四半期毎の売上高を下に示す。

■ テレビ放送事業の四半期売上推移 (単位:百万円)
   四半期     フジテレビ  テレビ朝日     TBS     テレビ東京  日本テレビ
  2014-Q4     88,789     57,912     46,613     19,820     59,459
  2014-Q3     84,358     59,165     46,556     19,523     59,252
  2014-Q2     86,862     53,154     44,817     18,353     53,179
  2014-Q1     86,852     57,241     46,168     18,969     55,899
  2013-Q4     85,265     54,737     45,573     18,528     56,378
  2013-Q3     90,021     56,804     47,174     18,818     57,137
  2013-Q2     89,599     51,727     43,731     18,604     51,929
  2013-Q1     87,203     55,740     47,769     18,443     55,817
  2012-Q4     87,444     50,936     45,438     18,336     55,444
  2012-Q3     95,514     56,180     48,114     18,736     57,980
  2012-Q2     89,944     48,844     43,906     17,559     50,590
  2012-Q1     82,313     48,098     42,651     17,272     49,374
  2011-Q4     82,670     49,254     43,422     17,770     52,591
  2011-Q3     88,410     53,115     48,473     18,899     54,782
  2011-Q2     89,535     48,193     42,632     18,095     49,371
  2011-Q1     86,841     50,620     46,087     19,239     52,519
  2010-Q4     86,194     47,848     44,167     19,921
  2010-Q3     87,918     52,220     46,695     21,136
  2010-Q2     88,737     45,935     36,624     21,926
  2010-Q1     85,227     49,107     57,672     21,397
  2009-Q4     88,033     49,825     50,816     22,638
  2009-Q3     95,041     54,466     54,993     22,649
  2009-Q2     93,596     51,812     54,657     21,801
  2009-Q1     93,698     54,509     57,672     22,936

テレビ朝日が好調で、フジテレビが近年不調というのはなんとなく理解できる。TBSはテレビ東京に追われているというのも分かるのだが差はある。視聴率比較の話と同じ流れになってしまうが、テレビ事業というのはそういう事業なのだろう。
さて、テレビ放送の事業について確認する。テレビ放送は放送で流すコマーシャル(CM)が収入の柱になっている。CMの長さに関する規制は、法律にはなく日本民間放送連盟放送基準で示されている。商業放送なのだから、広告で番組、放送が成立しているというのは事実である。一方で、電波は公共財であり、電波の発信について国が許認可を与えている状態であるとすれば、広告の時間を法律で規制するというのは、報道を制限することに近付くから自主規制の方が馴染むということだろう。放送基準で示される週間のCMの総量は、総放送時間の18%以内とされている。60分以内の番組では6分、30分以内の番組では3分、10分以内の番組では2分などと細かな規定がある。スポーツ番組および特別行事番組については各放送局の定めるところによるとされているから、全体で一割に収まるようにするということだろう。
CMによる収入を単純に時間平均すると、24時間連続放送として1時間あたりの平均CM料金は3,000万円(フジ)から1,100万円(テレビ東京)となる。テレビ朝日の資料で、全時間の平均視聴率が2014年3月期から過去にさかのぼって7.7%、7.8%、7.4%、7.3%とある。視聴率1%で各年度337万円、321万円、315万円、315万円となる。

CM契約は2クール(6カ月)が基本になっている。テレビCMには大きく分けて、タイムCMとスポットCMに分けられ、タイムCMはさらにネットタイムCMとローカルタイムCMに分けられる。タイムCMが、個別の番組を提供し、その番組に含まれるCM枠内で放送する広告であるのに対し、スポットCMは、番組とは関係せずに指定の時間枠内に放送する広告となる。そして、ネットタイムCMは全国に同時に流されるCMで、ローカルタイムCMは関東ローカルで流されるCMである。フジテレビの例では、タイムCMに含まれるローカルタイムCMの売上割合は12~13%で推移している。
テレビ朝日以外の各局のタイムとスポットの売上推移を下に示す。

■ 在京放送局のタイム、スポットCMの四半期売上高推移 (単位:百万円)
            フジテレビ         TBS             テレビ東京        日本テレビ    
  四半期     タイム  スポット     タイム  スポット      タイム  スポット    タイム   スポット
  2014-Q4    31,404   27,656    22,405   21,321    12,522   7,298    30,089   29,370
  2014-Q3    30,828   28,982    20,654   22,847    12,529   6,994    28,987   30,265
  2014-Q2    31,192   24,389    22,670   18,835    12,200   6,153    27,655   25,524
  2014-Q1    30,023   28,841    20,839   22,481    12,302   6,667    26,886   29,013
  2013-Q4    31,595   27,028    25,696   20,756    12,343   6,185    28,442   27,936
  2013-Q3    31,345   30,680    17,777   22,607    12,249   6,569    28,452   28,685
  2013-Q2    33,952   24,464    22,636   18,030    13,324   5,280    28,928   23,001
  2013-Q1    31,602   32,322    22,486   22,262    11,915   6,528    26,626   29,191
  2012-Q4    31,405   30,591    21,076   21,604    12,514   5,822    28,676   26,768
  2012-Q3    33,363   34,420    21,086   24,283    12,181   6,555    27,926   30,054
  2012-Q2    32,632   27,113    22,232   18,737    12,172   5,387    27,067   23,523
  2012-Q1    31,139   27,440    21,021   18,880    12,075   5,197    25,189   24,185
  2011-Q4    30,045   30,078    20,084   20,553    12,075   5,695    26,410   26,181
  2011-Q3    31,401   32,047    23,408   22,139    12,703   6,196    26,428   28,354
  2011-Q2    33,214   26,415    21,058   18,513    12,821   5,274    26,705   22,666
  2011-Q1    32,779   30,830    22,003   20,955    13,301   5,938    26,383   26,136
  2010-Q4    32,661   27,249    22,662   10,819    14,216   5,705
  2010-Q3    32,870   30,057    23,153   11,752    14,597   6,539
  2010-Q2    35,289   24,231    26,071   13,106    16,279   5,647
  2010-Q1    33,899   28,149    25,019   12,318    14,819   6,578
  2009-Q4    38,476   25,800    28,411   14,330    15,636   7,002
  2009-Q3    37,722   29,880    29,013   14,693    15,650   6,999
  2009-Q2    40,311   25,882    31,979   14,805    15,522   6,279
  2009-Q1    38,302   32,400    31,109   15,690    15,603   7,333

テレビ東京以外はCM売上に対するタイムの割合は、フジテレビ、TBS、日本テレビが50~55%程度である。テレビ東京はタイムの割合が高く68%前後となっている。理由を考えてみたが合理的な結論に至らなかったのでここまでにする。
スポットCMでは市況による価格の影響が出易いが、タイムCMでは長い期間の関係がある場合が多いだろうから価格変動は小さいだろう。変動が小さいからお得ということではなく、割高の場合もあるだろうし、番組に問題があればそのイメージを商品を結び付けることもあるだろう。もちろん、割安の場合も、番組と商品イメージが重なってプラスになることもある。企業に元気がないと、一社提供の番組を維持するというのは難しいだろう。だかといって、日本民間放送連盟放送基準でタバコ、酒、消費者金融、パチンコなどの業種には制限があるから、スポットCMを売りたくても自由にはいかない。

テレビ朝日の相棒 season12 という番組は、平均視聴率17.4%であったという。CMは1分のものを2社、30秒のものを9社提供している。1%で300万円とすると上の式で計算すると5,220万円となる。全部で6.5分であるから、1分あたりのCM料金は803万円になる。半年間2クール19回を契約することになるだろうから、1分CMを流すスポンサーは15,000万円を支払うことになる。金額は平均からの算出なので妥当か否かに疑問はあるが、このくらいの桁の金額であるというのは外れていまい。視聴率が下がったといっても、大きな資金の動く媒体であることは間違いない。しかし、以前と同じやり方でやっていけるかというと疑問もある。難しいところである。


パチンコ関係のCMは、企業イメージのCMの位置付けのようだ。反社会的勢力のイメージCMは無理か。

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