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2014年5月19日 (月)

BS放送とAMラジオの経営

テレビ局の経営で気が付いたBS放送とAMラジオの経営について考える。


在京各局はBS・CS放送(以下BS放送)を行っている。各社のBS放送セグメントの売上高の推移を下に示す。

■ 在京各社のBS・CS放送売上高推移 (単位:百万円)
   年    フジテレビ  テレビ朝日   TBS    日本テレビ  テレビ東京
  2014    13,810    13,351    14,716    13,494     12,209
  2013    11,816    12,400    13,646    11,498     9,730
  2012     9,587    10,995    11,437     10,989     7,618
  2011     7,477     8,413     9,330     5,233     3,430
  2010     6,379     7,064     7,857     6,764
  2009     5,673     7,225     8,195

BS放送の会社が別会社であったものを子会社化するのが各社に共通の傾向のようだ。そもそも事業性があるかについて難しいとする見解もあって、地上波とは別法人で事業を開始したが、経営合理化の流れで統合されたようだ。現在ではBS放送に一定の市場性はあると判断されているようだ。理由としては地上波のデジタル化に伴い、BS放送の受信にアンテナ以外の装置が不要であること、地上波に満足しない年齢の高い世代がBS放送を支持していることがある。地上波の番組が少々煩く感じるところはあるので、別に何かないかと行き着いたのがBSであるのかもしれない。
現在の100億円を超える売上は数字だけの印象なら大きいと思うが、例えばTBSの放送事業で1,800億円あるとすると放送事業者として十分とは言えない水準であるのだろう。しかし、テレビ東京の放送関係の売上高は770億円であるから、120億円は無視できない数字になっているという見方も成り立つ。地上波の売上が伸びない環境の中で、BS放送の市場に期待する事情は分かるし、実質的に多チャンネル化の流れに乗るのは悪くない選択に思える。

この幾らか成長したBS放送に対して、AMラジオの売上高を比較してみる。東京近郊の民放AM局には、ニッポン放送、TBSラジオ、文化放送、ラジオ日本がある。売上高の数字がそろわなかったラジオ日本を除いた各社の売上推移を下に示す。

■ 在京AMラジオ局の売上高推移 (単位:百万円)
   年    ニッポン放送  TBS    文化放送
  2014    18,360    10,786    ----
  2013    19,203    10,802    7,742
  2012    18,837    11,144    7,681
  2011    19,209    11,364    7,899
  2010    20,834    11,419    8,417
  2009    22,518    13,451    9,112
  2008    23,189    14,939
  2007    24,947    15,048

ニッポン放送はフジ・メディアHDの傘下に、TBSラジオはTBS HDの傘下にある。ラジオ日本は売上高18億円強(2013年3月期)で、日本テレビHDとの関係が深い。文化放送は、フジともテレビ朝日とも若干の関係があるが、実質独立系のAM局になっている。AMラジオが災害に強いということで見直されている部分があるにしても、ビルの陰などで難受信地域が拡大しているという事情も生じている。ラジコを利用したインターネット配信も行っているが、これが根本的な解決になるかというと難しいだろう。インターネット経由で、スマートフォンなどで聴取する利用者が増えたとすると、従来の聴取者の枠と変わることになる。新たな法人に営業することになるが、例えば文化放送の社員数は110名(2012年4月)、ラジオ日本は35名(2012年4月)である。柔軟な対応が出来る陣営ではないだろう。
ラジオのデジタル化が困難という結論に至ったのは、売上が伸びない状況での設備投資に耐えられないということだ。FM化なら投資額が小さいから実現性は高いが、既存のFM局から不満が出そうである。この国は既得権に優しい。AM局は経営が苦しいといっても一定の規模がある。地方のコミュニティFMの電波に乗せたらどうかとも思うが、どの番組を選ぶかの判断が難しいところだろうか。一部で行われているようだが、受信状態の悪い地域にAM番組を届けるという意味で検討する価値はあるかもしれない。これなら既存の顧客との乖離は小さそうである。


新しい媒体には注目が集まるが、消え去るものは消え去る瞬間しか輝かない。

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