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2014年5月23日 (金)

日産:Zオープン車の生産終了へ

日産自動車は5月22日、スポーツ車「フェアレディZ」のオープンカーモデル「ロードスター」の日本向け生産を、ことし9月末までの受注分で終了すると発表した。欧米を中心とした海外向けの生産は続ける。
現行のロードスターは2009年10月に登場。屋根のある通常モデルから大幅に軽量化され、走行性能の高さが特長だ。だが最低価格が400万円台半ばと、通常モデルより約70万円高いことなどがネックで、ことし4月末までの約4年半の国内販売は798台にとどまっていた。2008年に発売した現行の通常モデルは国内で約1万1千台が売れており、日産は今後、通常モデルの販売に力を注ぐ方針。(共同通信:5月22日)


フェアレディZについてスポーツカーを考える。


スポーツカー市場は北米に依存しているといわれている。しかし、北米の保険制度がスポーツカーに厳しい方向に変更されて市場環境が厳しくなってしまった。また、車高の低いクルマが運動性能が高いという状況が、車高がある程度高くても運動性能を犠牲にしないように技術が進歩し、重量も居住性を犠牲にしないで小さくするというのが自動車設計の流れになっている。加えて、安全性の規則が増えたことで、デザイン上の自由度が下がってしまったことも、カッコいいデザインとスポーツカーとを結び付けるの障害になったともいえる。
車両の価格と維持費が高いクルマに乗るというのは、差別化が単純に出来るということで魅力になる可能性もある。屋根のないクルマも、屋根のあるクルマとの違い、非日常性を演出したりと価値を見出す可能性もある。少なくとも、少し前の米国市場におけるスポーツカーでは、売れる売れないに無関係にオープンカーをラインナップさせておく必要があった。
まずは、米国でフェアレディZ (米国名:370Z) の価格と、価格的に競合するであろうスポーツカーの価格を下に示す。価格はUSNews Best Cars より、2014年モデルの価格を採用した。

■ 米国での自動車価格 (出所:USNews Best Cars 2014年モデル)
  Maker     Model            Price
  Nissan    370Z          $29,611 - $44,703
  Ford     Mustang        $22,733 - $59,326
  GM      Chevrolet Camaro  $24,206 - $60,246
  BMW     Z4           $47,096 - $62,168
  Audi     TT           $39,900 - $51,700
  Porsche   Boxster        $49,099 - $60,279
  Benz     SLK-Class       $41,903 - $65,853

3万ドルから4.5万ドルという価格レンジは、フォードのマスタング、シボレーのカマロの米国製で、ドイツ製は少し高い価格レンジになる。マツダのMX-5(日本名:ロードスター)は、2.3万ドルから3万ドルと370Zと重ならない価格レンジにある。他にもスポーツカーは多くあるが、高価格帯になっている。しかし、米国の消費というのはすごいものである。ポルシェ911が年間1万台売れている。価格は8万ドルから18万ドルである。フェラーリも2,000台を超えている。自由と夢の国は、大きな欲望で溢れているようだ。
米国で370Zと競合する可能性のあるモデルの販売台数推移を確認した。結果を下に示す。

■ 米国でのスポーツカー販売台数推移
Maker - Model         2013   2012    2011   2010   2009   2008
Nissan 370Z          6,561   7,338   7,328  10,215  13,117  10,337
Nissan GT-R          1,236   1,188   1,294    877   1,534   1,730
Mazda MX-5 Miata      5,780   6,305   5,674   6,370   7,917  10,977
Ford Mustang         77,186  82,995  70,438  73,716  66,623  91,251
GM Chevrolet Camaro   80,567  84,391  88,249  81,299  61,648   -
GM Chevrolet Corvette  17,291  14,132  13,164  12,624  13,934  26,971
BMW Z4             2,480   2,751   3,479  3,804   3,523   5,879
BMW BMW 6-Series     9,762   8,208    3,903  2,418   3,549   6,533
Audi TT             2,053   2,226   2,236  1,531   1,935   4,486
Benz SL-Class        7,007   4,899   1,449  2,385   4,025   5,464
Benz SLK-Class       4,757   4,595   3,220  1,980   2,566   4,941
Porsche 911         10,442   8,528   6,016  5,737   6,839   8,324
Porsche Boxster       4,570   2,894   1,773  2,177   1,909   2,982
Porsche Cayman       3,383    462   1,377  1,322   1,966   3,513

2002-2008年に販売された前のモデルの350Zは、2004年に3万台を超える販売台数であったが、その後減少している。MustangやCamaroが7万台売れるのに、1万台売れないのには何か理由があるのだろう。北米、日本、欧州の順に多いのがこのモデルの販売数で、北米は日本の四倍程度、欧州は日本の七掛けのイメージだろう。日本市場は、スポーツカーもセダンも売れず、ワンボックスと軽自動車しか売れない環境だが、売れないのを市場環境の責任にするなら商売はやめた方が良い。売るのはいつでも難しいし、顧客は気まぐれである。
国内のオープンモデルを販売中止にするのは妥当な判断だろう。オープンカーに適する気候は寒く乾燥している時期であり、不適なのは暑く湿度の高い条件である。この国でオープンで楽しめる期間は短く、故に贅沢な商品と言える。この高度に成功した社会主義国の経済環境には贅沢品は馴染まない。まあ、社会主義国にも特権階級が存在するのは常なのだが、彼らは国産品はお気に召さないようだ。この考えで顧客をとらえれば売れるものも売れなくなる。


片山豊が簡単に Z-car を売ったとは努々思うなかれ。

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