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2014年5月20日 (火)

国内8社、ディーゼルエンジン開発で共闘 欧州勢に対抗

トヨタ自動車やホンダなど国内の乗用車メーカー8社は5月19日、ディーゼルエンジンの性能を上げる技術を一緒に研究すると発表した。ディーゼル車は新興国で販売が伸びているが、国内メーカーの開発は遅れている。ライバルどうしの異例の「共闘」で、先行する欧州勢に対抗する。 8社はほかに、日産自動車とスズキ、マツダ、三菱自動車、ダイハツ工業、富士重工業。今年4月、「自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)」を立ち上げた。2014年度は国の補助金5億円を含め、約10億円の研究費を使う。2020年までに、二酸化炭素の排出を2010年時点より3割減らすことを目標にする。 軽油を燃料にするディーゼルは、排気量が同程度のガソリンエンジンより燃費が良い。国内では黒いすすをはき出すイメージが強いが、欧州では「クリーンディーゼル」と呼ばれる環境対応型が主流になっている。一方、日本勢はこれまで、ハイブリッド車などの開発を優先し、力を入れてこなかった。 トヨタがBMWからディーゼルエンジンを買うなど、欧州メーカーに頼るメーカーもある。追いつこうにも、「技術が複雑化し、個別で研究をするには限界がある」(AICEの大津啓司理事長)といい、協力し合う機運が高まった。 共同研究で得られた成果を生かして、各社がそれぞれ独自のエンジンを開発する。将来は、ディーゼル以外の分野にも、協力関係を広げる構想もあるという。(朝日新聞:5月19日)


ディーゼルエンジンについて考える。


乗用車用ディーゼルエンジンの開発について、日本の企業が遅れているということだろう。理由は単純に、ディーゼルエンジンを求める市場がなかったということに尽きる。日本メーカーの重視している市場は、日本、北米となっている。2014年3月期の主要メーカの地域別販売数・金額を連結ベースで比較すると下記のようになる。

■ 日本メーカー各社の地域別販売割合 (2014年3月期:トヨタ・ホンダ=台数、日産・マツダ=金額
   地域        トヨタ   日産    ホンダ    マツダ
  日本         48%     22%     23%     34%
  北米         19%     43%     49%     31%
  欧州          6%     16%      5%     20%
  アジア・その他   27%     19%     23%     15%

台数ベースと金額ベースが混ざっているので比較が解釈が難しいが、日本と北米を合わせれば過半数を超え 2/3レベルにある。ディーゼル乗用車の割合は、日本が1%未満、北米が1%程度である。欧州でディーゼル乗用車が多く、世界全体の3/4が欧州市場だともいわれる。欧州主要国のディーゼル乗用車の割合の推移を下に示す。

■ 欧州主要国のディーゼル乗用車の販売割合推移
   年      1995     2000     2005     2011
  英国      20%     14%     37%     44%
  ドイツ      15%     30%     42%     45%
  フランス    47%     49%     69%     73%
  イタリア    10%      34%     58%     55%
  スペイン    34%     53%     68%     -

現在の欧州全体のディーゼル乗用車の割合は55%くらいである。日本市場の諸々の事象についてガラパゴス化という表現を安易に用いるが、欧州のディーゼル割合は特異な現象でありガラパゴスと呼んでも良いくらいだ。
ディーゼルとガソリンの性能比較を行うという技術論は無意味である。理由は簡単で原油からガソリンとディーゼル燃料である軽油を任意に生成、加工出来る訳ではなく、原油の種類によって決定されてしまうからである。原油の精製比率のイメージを下に示す。

■ おおよその原油精製比率
  石油化学原料    17%
  ガソリン        28%
  灯油          17%
  軽油          15%
  重油          22%
  アスファルト      1%

ガソリンは軽油に比べ二倍近く取れる。この割合で使用すれば無駄がないのだが、トラックなどはディーゼルが圧倒的に多いことを無視してしまえば、ガソリン車がディーゼル車の二倍であって良いことになる。都合、ディーゼル乗用車の割合は33%となる。商用車でのディーゼル利用を考えればもう少し低いところが最適点になると考えられる。
実際、ディーゼル利用の拡大した欧州ではガソリンが余って、北米に輸出されるということが発生している。精製後は無駄な輸送をしないのが最良であるのは当然のことだから、日本の状態は見直されねばならないところである。無論、欧州も然りである。

ディーゼルエンジンは重くなりがちであるから、小型車ではガソリンエンジン、中型車より大きいサイズでディーゼルエンジンということになろう。ガソリンハイブリッドは、複雑で重くなるから小型車では最適解にならないだろう。車両価格のことを考慮すれば、途上国市場でハイブリッドは選び難く、小型ガソリン車が中心になる。
道路が整備され、移動距離が大きく、渋滞発生も少ない国を市場として考えると、ハイブリッド車のメリットは出し難い。この条件の最適解がディーゼルで、欧州はそういう市場であるということだろう。この市場が無視できず、欧州の排ガス規制も厳しくなっていることを考慮すれば、ディーゼルエンジンを欧州メーカから購入するだけの対応では将来の可能性が限定されるから、共通の事情を抱える会社で協力しようというのは当然の話なのだと思う。


PCが壊れて、公開順が乱れている。内容が乱れているのはPCとは無関係だ。

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