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2014年5月15日 (木)

パイオニア:AV事業売却先との協業も視野

パイオニアは5月15日、AV(音響・映像)機器事業の売却について、同事業を手掛ける子会社の株式売却を検討していることを明らかにした。パイオニアは株式の過半を売却する案を軸としており、売却先との協業も視野に入れるとみられる。
対象の子会社はホームシアターやオーディオコンポなどを手掛けるパイオニアホームエレクトロニクス(川崎市)。「AV機器事業の抜本的見直しについて、子会社株式の売却を含めた協業などを検討している」とのコメントを発表した。金融機関を通じて、船井電機などと話し合いを進めており、7月にも売却先を固める。パイオニアは策定中の次期中期経営計画において、カーナビゲーションを中心とするカーエレクトロニクスを重視する戦略を打ち出す方針。2013年度の営業利益が1億円にとどまるAV機器事業は他社との連携で収益力を高める。(日本経済新聞:5月15日)


パイオニアについて考える。


パイオニアについては過去に扱った記憶があったので調べた。2013年4月15日にシャープ、パイオニア株売却を検討ということで書いていた。長く同じようなことを書いていれば重複する可能性は高くなる。重ならないようなテーマを選べば良いというのが効果的な対策だろうが、興味があることを確認するというテーマ選びだから仕方がない。そのうち何か考えなければならないだろう。
前回の記事ではカーエレクトロニクスだったが、今回はホームエレクトロニクスである。過去の売上高と営業利益を全体とセグメントに分けて推移を示す。

■ パイオニアのセグメント売上高・営業利益推移 (単位:百万円)
        全体                カーエレ             ホームエレ
   年    売上高   営業利益      売上高   営業利益     売上高   営業利益
  2004   700,885    47,173     294,647    29,963     282,881     3,247
  2005   711,042     691      304,731    18,591     303,188   -22,127
  2006   754,964   -16,409     332,101    17,486     356,813   -35,184
  2007   797,102    12,487     359,802    22,116     369,446   -16,236
  2008   774,477    10,907     373,883    26,101     329,530   -17,921
  2009   558,837   -54,529     291,704    -12,337     209,257   -38,622
  2010   438,998   -17,514     249,331    -7,274     133,329    -9,160
  2011   457,545    15,817     254,129    14,044     157,565     2,542
  2012   436,753    12,514     270,785    10,292     123,057     3,560
  2013   451,841    5,997     312,568     9,786      95,925    -2,798
  2014   498,051    11,169     348,075    12,431     108,026      91

近年売上高の減少にはストップが掛ったが、厳しい状況は継続しているとみて良いだろう。ホームエレクトロニクスは赤字を脱した後に再び赤字化、この3月期の決算で黒字化している。売却先の候補として船井電機の名前が出ている。海外で有力な会社であるので、ホームエレクトロニクス事業の国内海外売上の推移を確認した。結果を下に示す。

■ パイオニアのホームエレクトロニクス国内・海外売上高推移 (単位:百万円)
   年     国内    海外
  2004   66,402   148,421
  2005   77,767   147,543
  2006   73,290   181,577
  2007   58,856   302,654
  2008   46,285   283,245
  2009   31,010   178,247
  2010   40,096    93,233
  2011   83,249    74,316
  2012   58,142    64,915
  2013   30,501    65,424
  2014   32,396    75,630

国内海外ともに、10年前の売上が半分程度に下がっている。海外売上の方が二倍高いという状態である。目立った特徴のない会社を譲渡するのは難しいものだろう。パイオニアの経営者がこの事業をどう扱おうとしていたかを確認してみる。2010年と2013年に立案された中期計画から、ホームエレクトロニクスの売上と利益の目標設定と、その後の実績がどうなっているかをまとめた。結果を下に示す。

■ パイオニアのホームエレクトロニクス中期計画と実績 (単位:億円)
      ≪   計画(2010)  ≫ ≪  計画(2013)  ≫  ≪   実績   ≫
   年    売上   営業利益    売上  営業利益    売上   営業利益
  2010   1,355     -92                     1,333    -91
  2011   1,540      0                      1,576    25
  2012   1,850     40                     1,231    36
  2013   2,120     55                      959    -28
  2014                   1,100    40      1,080     1
  2015                   1,150    45

2010年の計画では売上を伸ばす方向であったが、伸ばしきれずに次の中期計画では修正を余儀なくされている。2013年のホームエレクトロニクスに対する方針は下の通りである。
  
    ホームエレクトロニクス事業のホームAVと光ディスクの体制をスリム化し、
    売上拡大に依存しない黒字体質の事業に転換させる。

  

スリム化という文字が出てくる。事業計画でスリム化というのは撤退を検討するという含みが出てくるものである。譲渡するならもう少し前にしたかったところだが、そうもいかないのが経営というものだろう。現状の規模で特段の問題がないとしてら、譲渡金額は300億円くらいだろうか。赤字事業を処理するのは必要なことだが、5,000億円規模の会社が3,000億円規模になるというのは、経営者にとっては選択したくないところではある。5,000億円の会社の方がカッコいいという理由なら、経営者に資質に欠けるということなのだが。


集団的自衛権の会見は情緒的で論理的でない。責めてはいけない気の毒な人なのか。

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