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2014年5月26日 (月)

自民党:プロ野球16球団に拡大提言

政府の成長戦略に対する自民党の提言では、地域活性化策の一環として、プロ野球のチーム数を現在の12球団から16球団に拡大する構想も打ち出され る。静岡県、北信越、四国、沖縄県といった球団の本拠地がない地域を例示し、政府に支援策の検討を求めた。ただ、球団数は1958年から変わっておらず、 一時は削減の動きもあった。運営に高額な費用がかかることもあり、企業などの動きが出てくるかは不透明だ。
提言では、米大リーグで地方都市に次々とチームが誕生して30球団となり「地域に根差した事業として成功している」と指摘。(共同通信)


大胆な提案であるが、何を考えているか想像してみる。


自民党の提案は、プロ野球が地域の活性化につながると信じているようである。この考えの基本にあるのは、昨年仙台で楽天の活躍により盛り上がったことがあるだろうし、高校野球での出身地の応援が頭にあることが想像される。そんなに単純な話ではないのだが、もう少し進めてみる。
プロ野球の収入は、入場者収入、放映権収入が大きい。これに加えて、球場内外での物品販売、広告などのスポンサー収入を加えた四つが柱になっている。支出のほうはというと、選手に払う年俸、遠征費、本拠地球場の使用料などが主なものである。情報公開の乏しい業界であるが、少数の例外(巨人、阪神、広島)を除いて赤字状態だと言われる。それでも事業を継続しているのは、親会社が赤字を補填しているからである。親会社が野球と関連している事業を行っていれば株主に合理的な説明が出来るだろうが、スポーツ用品を売っている訳でもない会社が企業イメージの向上の為に支払う金額として、株主が認めてくれるかというと難しいところだろう。

支出から確認する。選手の年俸の合計額が 330億円、球場使用料は1試合1,000万円を超えるだろうから年間でチーム当り8億円で12球団で 100億円となる。遠征費は移動距離がチームによって違うが、選手以外も含め60人が移動するというから 20億円といったところか。春季秋季キャンプの費用は、春がチーム当り2億円で秋が少し安いとみて 40億円というレベルとみる。監督コーチの人数は全体で250人くらいで 100億円というところだろう。ここまで合計すると 590億円となる。球団職員は1チーム100人を超えるから、人件費としては150億円くらい、その他の費用に30億円としたら 770億円となる。
日本のプロ野球12球団の売上高の合計は 1,400億円と言われる。しかし、赤字補填が売上として処理されているので、補填額が400億円とすると実質1,000億円ということになる。

自民党の提案に適うようにするには、球場使用料を自治体と協力して行い、球場での物品販売に優先的に行う必要はあるだろう。もっと大きな課題としては、放送料の収入が、各球団がテレビ局と交渉する方式から、プロ野球全体で包括契約して配分する方式にしなければ新規参入で経営の安定化は難しいだろう。プロ野球はコミッショナーが経営権を含めて統括しないで、各球団が独立して経営しているという方式である。相撲協会と部屋の関係に近いが、相撲協会よりプロ野球は権限が弱い。
テレビ放送も視聴率が下がり、放送回数が減っている状況である。地上波で8%くらい(現在では良い数字になっている)だとすると、CM料金が1%の視聴率1時間が300万円として、2時間放送するとしたら 4,800万円となる。半分が球団に入るとしても10試合程度では経営の柱にならない。地方局ならもっとあるだろうが、収入は桁が下がるレベルになる。何とも難しい話である。


Jリーグの地域との連携の良いところだけを、プロ野球に拾う感性が骨董品なみだ。

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