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2014年5月27日 (火)

ヤマダ電機:転換社債で1,000億円の資金調達

ヤマダ電機は5月27日、2019年満期のユーロ円建ての新株予約権付社債(転換社債=CB)で約1,000億円の資金調達をすると発表した。このうち自社株買いの資金に500億円を充当する。CB発行で得た資金を自社株買いに充てることで1株利益を高めつつ、資本効率の改善につなげる狙いがあり、同社は2008年にも同様の手法を実施している。
今回発行するCBは、表面金利の付かないゼロクーポン債で、払込期日、発行日はいずれも6月12日(ロンドン時間)。株式への転換制限を付け、株価が転換 価格を30%以上、上回る日が一定期間ないと株式に転換できない。転換価格は日本時間5月28日の取引開始前までに決める。
自社株買いは発行 済み株式総数の16.79%に当たる1億5,000万株を上限とする。5月28日朝の立会外取引で1億3,333万株を取得する。取得期間は12月30日まで。自 社株買い以外の調達資金の残りは2008年に発行した15年満期のユーロ円建てCBの償還資金の一部に充てる。(日経QUICKニュース:5月27日)


ヤマダ電機について考える。


転換社債(CB)を買って自社株を買っても仕方ない気がする。CBは、社債(有利子負債でありながら株式に転換できる権利が付されていて、将来の新株発行が伴う資金調達の方法である。その目的になっている自己株買いは、株式市場から自社の株式を買い上げることである。買うのと転換されるのとに時間差があるから、きっと株主は違うことだろう。現在株式を所有している者と、CBを購入して株主になる者では、後者の方がリスクに対して許容範囲が広いような気がする。そんな気の長い話でもないように思うので、決算の推移から確認する。

■ ヤマダ電機3月期決算推移 (単位:百万円)
   年     売上高    営業利益    経常利益   当期利益
  2014    1,893,971    34,265     50,187     18,666
  2013    1,701,489    33,930     47,906     22,203
  2012    1,835,454    88,978    102,225      58,265
  2011    2,153,259    122,764    137,847     70,754
  2010    2,016,140    87,303    101,586      55,947
  2009    1,871,828    49,522     64,604     33,207
  2008    1,767,818    65,424     81,652     49,174
  2007    1,443,661    55,551     71,747     43,420
  2006    1,283,961    49,372     62,614     37,027
  2005    1,443,661    55,551     71,747     43,420
  2004    1,283,961    49,372     62,614     37,027

2011年3月期が良くてその後は往時の勢いを戻せずにいる。この期はエコポイントを称する買い替え促進がなされ、地上波のデジタル化の変更のテレビ受信機の変更の必要も生じていたから、家電製品の売上が伸びた年であった。しかし、この手の政策は、将来の売上を先食いしている感は否めず、実際その後のテレビ関係の不振は目も当てられないものになっている。2009年3月期に売上は戻っているという見方は可能だから、家電から住宅関係まで取扱品目を増やして商売をしようとして、利益面ではともかく売上面では効果があったと理解するのが妥当なところだろう。

自社株買いは、経営者が自社の株価が適正価格を大きく下回っているというメッセージを発信する効果があるといわれる。これにより、株価が上がるという現象に繋がる、いわゆるアナウンスメント効果が働くことが期待される。株価の上昇については、この先の結果を待つよりないが、調達した資金の半分を自社株買いという発表には、もしかしたら500億円の運転資金が必要なのではないかと勘ぐってしまう部分もある。

ヤマダ電機の創業者で現在会長である山田昇がオーナーである。少し前に話題になったことに、会長の長女が交通事故で亡くなって、多額の損害賠償を求めた裁判が話題になった。事故は2002年12月で、地裁判決があったのが2007年1月である。請求額が慰謝料を含めて計7億2,691万円であったが、判決は6,702万円であった。長女が35歳で取締役、50歳で社長になるという想定で、遺失利益を5億7,215万円と算定した。個人の生涯年収を超えるような支払いを求めることに合理性は乏しい。裁判所の考えるところもその辺にあったのだろうが、判決の金額もやや高めになっていると感じるから、その程度の遺失利益の算出の合理性は支持しているということだろう。まあ、ヤマダ電機が30年先も成長し続けて、それに長女が貢献するというのは、親心としては理解できても、経済活動としての合理的な見通しとは判断できないだろう。
会長に対して文句が言える唯一の存在が長女であったとされる。現場の問題が上がってこないという不満をもらしているようだが、問題が上がる仕組みを作るのは非常に大変で苦労するところである。問題点を上げれば叱責されるのが普通だから、問題は隠蔽するのが通常の行動である。隠蔽されたら被害は拡大すると決まっているから、情報伝達の仕組みを工夫するのである。これが経営である。資金の投入と人事が経営者の大きな仕事であるが、情報伝達の仕組みに対する方向性の決定は経営者の器が問われるもので、この両者は性質が異なっている。

ヤマダ電機の株価は300~400円というところだが、エコポイントの頃は600円前後あった。もっと前は1,000円を超えてたが、過去を思っても仕方なかろう。現在企業に勤務して生活をしている者やその家族、企業との取引先の生活は、昔のことより現実に差し迫った課題である筈だ。株価を支えるテクニックより、いかに売るかの経験を示して貰いたいものである。


PC故障の影響が解消するのはいつのことだろうか。

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