« ほっかほっか亭の勝訴確定 | トップページ | 維新、採決欠席は処分 原子力協定、石原共同代表を警戒 »

2014年4月 2日 (水)

ツタヤ図書館、1年で92万人来館したのに赤字

佐賀県武雄市は4月1日、レンタルソフト店「TSUTAYA」を展開する企画会社に運営を委託している市立図書館の来館者数が、委託から丸1年で約92万人に達したと発表した。
運営会社によると、当初の年間50万人という予想を大幅に上回り、スタッフの増員など人件費がかさんだため、収支は赤字になる見込み。市は2012年度から図書館の改装に着手。企画会社「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC、東京)を指定管理者に選び、2013年4月1日から同社の運営が始まった。蔵書の倍増やコーヒーチェーン「スターバックス」の店舗併設、書籍販売やDVDのレンタルコーナーの設置などで話題になった。(読売新聞:4月2日)


昨年4月16日に扱った記事のその後について考える。


図書館の管理を営利企業に任せるというのに非常に抵抗があった。その点については現在でも変わらない。問題は管理運営の方法によるのであるが、方法で逃れられるかというといろいろと問題が生じるのは容易に想像される。理由は簡単で、図書館に対して「図書館の自由に関する宣言」を尊重することを期待するからである。この思想に従っているので、有害図書の指定をして排除しようとする政治家の動きを嫌悪する。有害図書であっても図書館にはなければならないのである。だいたい有害無害は人が決めることで、この人というのは移ろい易い。図書館が移ろうても詮無い話にしかなるまい。
先日逮捕されたが図書館で書籍を切り取る行為をした者がいた。そこまでの仕事でなくても、図書館にある書籍に自分の思想信条と異なるページに、反対意見の書き込みをする者がいる。この手の本を世の中からなくす活動をしているのかもしれないが、随分と難解な活動を熱心になさっていると感心する。過去の経験では、左翼系の書籍に否定的な書き込みは見るが、右翼系の書籍への書き込みは見掛けない。右翼と左翼の行動様式に差があるということなのだろうか。図書館の本に、書き込みも折り目を付けるのも好まない。図書館の本というのはそういうものだと思う。

記事の図書館について利用者が多くなったのは、報道によって話題になったことが大きな宣伝効果をもたらしただろう。コーヒーショップの利用を目的に来館する者もあっただろうし、TSUTAYAの利用を単純に求めた利用者もあっただろう。これはまったくもってご同慶の至りである。収支が赤字というのも織り込み済みであったろう。集客が継続するかという課題をクリアーして契約期間の5年の合計で収支の辻褄が合えば御の字というところだろう。赤字額を公表していないようだが、赤字が大きければ三年目でも違約金を支払って撤退することもあるだろう。予想に満たない結果であれば撤退するのが営利事業を行っている企業の経営者の責任である。違約条項が決まっている契約なら、契約を守らないことが批難される理由にはならない。違約金を支払って貰えば、市は充分だと判断する金額、もしくは、その金額を支払うなら継続するだろうと思われる金額を契約で設定するものである。そのどちらの金額より小さな金額で、途中で止めたりしないだろうと大企業の看板に期待したのなら、担当者の能力が低過ぎる。
地方都市の図書館運営を営利事業と結び付けるというのは非常に難しい課題だろう。それに挑戦するとなると、「図書館の自由に関する宣言」を破るような行為に走るのではないかと心配する。逆に、そこまでしてやる事業でもない。


図書館の熱心な利用者はそのとき話題になっている本を集めるように求めるようだ。心情的には理解出来るのだが、それだと街の本屋と同じになる。平たく言えば営業妨害である。また一方で、利用されなくなった本は処分される。これもスペースが限られているから仕方のないことである。しかし、パソコンの歴史を調べようとして、8ビットCPUの時代の書籍を入手しようとすると国会図書館に行くということになるだろう。三十年前の話はある程度受け入れなければならないにしても、性能向上の著しい分野では十年前の情報を入手するのが結構難しい。例えば、雑誌に掲載された広告を比較するなどという行為は図書館の他に頼るところがないが、情報が古く利用者がいないと廃棄されてしまう。行ったことはないが豊田市中央図書館に行けば自動車の資料は多くあるようだが、そのような専門性の高い図書館を横並びでなく企画することの方が価値を高めることになるだろう。
地方都市では図書館の距離が大きくて実現不能だろうが、都市部の図書館は距離が近いので、相互に専門性を分けるやり方は検討出来るだろう。もちろん、一般的な書籍を一定レベル維持する必要はあるだろうが、隣接するA市、B市、C市で、音楽関係はA市、企業に関するものはB市、自然科学に関するものはC市というように専門コーナーを設ければ利用者も工夫の余地が増える。相互利用の拡大を計っているようだが、同じような図書館が十倍増えても価値はそれほど上がらない。予算は限られているのはどんな仕事でも同じだが、定年間近の役所の管理職が責任者という姿に甘んじていては何も変わらない。変わろうと思った者だけが変わるというのもまた事実である。


図書館の人は本が好きだ。その思いを、もう少し行動に移して貰いたい。

« ほっかほっか亭の勝訴確定 | トップページ | 維新、採決欠席は処分 原子力協定、石原共同代表を警戒 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ほっかほっか亭の勝訴確定 | トップページ | 維新、採決欠席は処分 原子力協定、石原共同代表を警戒 »

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ