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2014年4月10日 (木)

北海道産生乳5円引き上げ 飼料高止まり影響

ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)は4月9日までに、2014年度の北海道産生乳の価格を、前年度と比べ1キロ当たり平均5円47銭(消費税8%分含む)引き上げることで大手、中堅乳業メーカー15社と妥結した。値上げは4年連続。
ホクレンによると、輸入飼料価格の高止まりが続き、世界的にも乳製品の品不足で価格が上がっている状況から、大幅な引き上げとなった。用途別ではそれぞれ、バターなど加工向けは1円50銭、チーズ(ゴーダ・チェダー)向けは10円、生クリーム向けは3円の値上げ(いずれも消費税別)。価格は全メーカーと合意すれば正式決定となり、4月1日にさかのぼり適用する。飲料向け乳価は引き続き交渉する。(産経ニュース:4月9日)


生乳と乳製品について考える。


まず、生乳に付いて確認する。データは、農林水産省の生産地域別の生乳用途別取引数量及び取引価格指数による。北海道の生乳の全国に対する生産割合を2014年2月度の数字から算出した結果を下に示す。

■ 北海道の生乳生産量の国内生産に対する割合 (2014年2月分より算出)
飲用牛乳等 はっ酵乳等 クリーム 脱脂濃縮乳 濃縮乳 ナチュラルチーズ 特定乳製品  全体
  19%      16%      87%     100%    100%     99%        81%      52%

生乳の約半数を北海道が占めている。特に、加工品については北海道が多くを占めているのが分かる。飲用牛乳等とはっ酵乳等については北海道の割合が低い。これは重量の大きな商品を大きな距離移動させるより、消費地の近郊の生乳を使用する方が好ましいという理由と考えられる。参考の為、地域別の割合を下に示す。

■ 地域別の飲用牛乳、はっ酵乳用の生乳割合 (2014年2月分より算出)
       飲用牛乳等  はっ酵乳等  全体
  北海道    19%      16%      52%
  東北     13%      13%       8%
  関東     26%      32%      16%
  北陸      3%      1%       1%
  東海     10%       9%       5%
  近畿      5%       2%       2%
  中国      6%      12%      4%
  四国      4%       1%       2%
  九州     14%      15%       9%
  沖縄      1%       0%       0%

北海道の生乳は、加工用の比重が大きいことが分かる。ナチュラルチーズについて、取引量と取引価格 (月単位) の推移をまとめたグラフを下に示す。

C_1_3
取引価格指数は、2002年度の全用途別価格(消費税相当額及び乳成分加算単価を除く)の全国平均を100としたものである。
ナチュラルチーズ用の取引量の変化は小さいことが分かる。これは加工している会社の処理能力の問題があり、変動し難い製品であることも影響していると推定される。2008年に国際的な穀物相場の高騰の影響があり価格の高騰があったがその後戻り、その後一年ごとに価格が改定されている。配合飼料の価格が継続的に上昇傾向にあること、石油価格が上がったこと、最近では円安の影響と生乳を取り巻く環境が厳しくなっていることから販売価格で対応しなければならない状況である。
ナチュラルチーズ用と飲用牛乳との価格は、飲用牛乳を基準にするとナチュラルチーズ用が約半分となっている。上記の期間で、飲料牛乳用を100としてナチュラルチーズ用が平均50、最大60、最小46、標準偏差3 である。
ナチュラルチーズの輸入価格の推移を財務省貿易統計からまとめたのが下のグラフである。
C_2
通貨単位が円になっているので円安の影響を受ける。ナチュラルチーズの輸入関税は29.8% である。乳加工製品は国際的な流通がなされているから、国際的な価格競争から逃れることはできない。今日において保護貿易的な関税率の設定は不可能と考えてよいし、更に進んで関税の撤廃を求める交渉がなされている。TPPに代表される交渉は、自国の競争力の低い製品について妥協しつつ、相手国の関税率を撤廃乃至低下させる作業であるから、日本の農業生産品は交渉の為に捨てられる製品群にあると考えて良いだろう。

長くなったので、データを再度確認して、生乳の状況を引き続き考えることにする。


期限が設定された職業研究者の地位保全の訴えだと解釈すれば、大きく報道する話ではない。

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