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2014年4月18日 (金)

神戸夙川学院大、2015年度から募集停止

学校法人夙川学院(兵庫県西宮市)は4月18日、神戸夙川学院大(神戸市中央区)の20155年度以降の募集を停止すると発表した。観光文化学部のみの単科大学として2007年4月、ポートアイランドに開学したが、2012年度以降、定員割れが続いていた。
同法人は、少子化などで今後も経営的に必要な現在の入学定員(270人)を確保する見通しが立たないと判断したと説明。17日に文部科学省に報告した。同法人はほかに短大、幼稚園、中学、高校を運営。2011年には、金融先物取引の失敗による多額の損失を埋めるため、同窓会の預金を無断で教職員給与に流用していたことが明らかになった。(朝日新聞:4月18日)


新しい大学について考える。


神戸夙川学院大学は名前の通り神戸市にある大学で、2007年設置の新しい大学で観光文化学部のみの単科大学である。馴染みのない大学名は、こうべしゅくがわがくいんだいがくと読む。学校法人夙川学院が経営している神戸の大学ということのようだ。この学校法人は、大学、短期大学、高等学校、中学校、幼稚園を運営している。手広いのは結構なのだが、経営上の不祥事がたびたび報道されている問題のある法人である。
さて、その神戸夙川学院大学に関する日本高等教育評価機構の2014年3月の評価結果を確認した。これによると冒頭の認証評価結果として、

    【判定】
     評価の結果、神戸夙川学院大学は、日本高等教育評価機構が定める大学評価基準に適合
     しているとは認められない。

と厳しい評価になっている。総評として問題ありと指摘されている項目は以下の二つである。

   ・ 基準3. 経営・管理と財務
   ・ 基準4. 自己点検・評価

経営状態が悪いのに、一向に改善しようとする活動が行われないという評価である。大学設立時に設定した内容を満たしていれば問題ないとする判定基準のようなので、難しい作業を求められているとは思えない。だが、経営上の問題があるのに手当てしない状況があるので、これは指摘しない訳にはいかないということになる。

視点を変えて大学発表資料から、大学の入学者数の推移を確認した。入学定員は300名である。

■ 神戸夙川学院大学入学者数推移
           入学者数  留学生数(内数)  社会人学生数(内数)
  2007年度    208名     18名        2名
  2008年度    272名     31名        0名
  2009年度    264名     13名        0名
  2010年度    257名     14名        0名
  2011年度    265名     25名        0名
  2011年度    187名     17名        0名
  2013年度    175名     24名        1名

入学者数の確保が難しいと、留学生や社会人に求めるというのは定員割れした私立大学の典型的な対策である。しかし、社会人学生は、勤務先との距離の問題が生じるから都市部にないと難しい。神戸市のポートアイランドにあるから悪い立地ではないのだろうが、関西の経済の中心からすると離れているし、そもそも関西の経済規模は東京に比べれば小さい。東京でも社会人学生の確保に成功しているという話は聞こえてこないから、神戸で成し遂げるのは容易でない。留学生は定員の一割近くになっているが、シラバスの幾つかを読んでみると外国語での授業がある様子は認められない。外国語は、英語と中国語があるが、その内容は基本的なものに留まっている。日本語での講義であるのは仕方ないにしても、コース別専門科目での講義が日本人向けに留まっていれば留学生が来る価値がなくなる。実際にシラバスで、コース別専門科目のエア・クルーズツーリズムコースを選んで読んでみたが、中国人留学生が観光に関して学ぶ内容にはなっていない。おそらく、日本人でも大学のコースとして妥当なのかと考えたら、否定的な意見がたくさん出るだろう内容になっている。これはこの大学に限った事情ではないのだろうが、教養が低いことは大きな問題である。その程度の学生でも高校を卒業しているのだから、大学側には瑕疵はないという言い訳なのだろうが、大学で学ぶレベルに達していない者を受け入れて、卒業させてしまえば社会的な問題を引き起こしかねない。それほど高いレベルを求めるのではない。都立高校の入試問題(5教科)のすべての科目で七割以上の点を取れるレベルで良い。中学で学ぶ内容なのだから、大学生に求めても問題ないだろう。加えてセンター試験の1科目で七割以上、大学でのお好みの専門教育を加えればそれで良い。留学生に対応するのにこれが負担になるというなら、大学での理由科目の一部に英語での授業を設定するなどの配慮をして、留学生に教養を求める工夫をすれば良かろう。
大学の運営の話ではない。学生数について大学の資料を確認した。

■ 神戸夙川学院大学在学生数(2013年5月1日時点)
   収容定員   在学生数  収容定員充足率   留年者数   退学除籍者数  中退率
    1,200名    775名      64.60%        13名       125名      16.1%

収容定員に対し2/3を下回っているようでは経営に問題が出てくる。もっと問題なのは退学除籍者数が16%と非常に高いことである。講義が厳しく留年するという大学もあるようだが、ここはその限りではないだろう。学習意欲の乏しい学生が入学して辞めるという状況のようだ。ただでさえ定員割れなのに、更に退学者が出るようでは経営上問題が出てしまう。
世の中になくなって良い大学などあってはならないと思うが、大学であってはならない大学は消えて当然ということになる流れに入っている。全入時代といわれる中で、下位の一割の学生を受け入れている大学は特別なコースでなければ同じ運命になるだろう。
参考の為に記すと、この大学の代ゼミの偏差値は40である。観光学部のある首都圏の大学として、立教大学が60、東海大学が52、玉川大学が51、城西国際大学が46であった。首都圏も最も低いランクになっている日本文化大学法学部の偏差値が41である。大学の授業がどんな状態なのか別の興味があるが、きっと恐ろしいことが起きているのではないかと心配する。杞憂に過ぎないのかもしれないが。


どうでも良い話になってしまったので、STAP話を少し書く。
笹井の記者会見が4月16日にあった。功成り名遂げた研究者なのだから、すべては自分の指導が行き届かなかったことによるとして幕引きをして良かろうにと感じた。どうも、この頭の良い人の価値観が理解できない。小保方も理研もすべて守って自分が矢面に立てば、笹井を批難する人など激減出来ただろう。周囲にうごめくゴキブリ退治も同時に達成したかもしれない。それを済ませて、笹井が信じるというSTAP現象を調査して、事実確認をして報告をすれば失った名誉の多くは回復する。
そもそも、論文発表の共著者になった効果を低く見積もり過ぎている。研究者のグレードをムーディーズが付けたのなら、笹井芳樹や若山照彦がAaaランクであるのに対し、小保方晴子はBランクに留まるだろう。小保方の問題の多いSTAP論文という手形の信用が形成されたのは、笹井や若山の裏書きがあったからである。裏書きしたのだから、手形が落ちない責任を連帯してとるのは当然である。裏書きなど関係なく、純粋に科学的な点検によって審査されるなどという綺麗事を主張したりはしないだろう。投機的なクラスの小保方の論文を通す為に、笹井や若山の名前の他多数を列挙したのだから。
理研は小保方と民事でぐたぐだ裁判をしたくないなら、減俸程度の処分で済ませる知恵を働かせれば良い。論文に不備があったのだから処分は相当で、ここは小保方は争っていない。その上で一年の任期が来たら契約を更新しなければ良い。一年分の年俸が無駄になるが、裁判費用を考えればこれで済ませるのが最も経済的な選択である。


名誉と男と女の話に収斂していく。

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