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2014年3月26日 (水)

車載機器大手、対ユーロの円安が増益要因に

ユーロに対する円安進行がカーエレクトロニクス大手の2015年3月期業績を押し上げそうだ。パイオニアは約22億円の営業増益要因になる見通し。今期予想の連結営業利益(100億円)の22%に相当する。JVCケンウッドも営業利益が20億円程度押し上げられそう。両社とも売上高の欧州比率が10%を超えており、ユーロ相場の収益への影響が大きい。
パイオニアは欧州で自動車向けオーディオ機器や、クラブで使われるDJ機器の販売が好調。今期の売上高の欧州比率は13%程度と前期(12%)より拡大する。ユーロに対し1円円安になれば4億円弱の営業増益要因になる。今期は1ユーロ=135円の想定。足元の1ユーロ=141円前後の水準が続けば、円安が来期収益を下支えしそうだ。
欧州でイヤホンなどのオーディオ機器や業務用無線機が好調なJVCケンウも、欧州比率は今期で16%程度(前期は14%)のもよう。対ユーロで1円円安になれば営業利益は2億円増える。今期は1ユーロ=131円の想定で、営業利益は10億円を見込んでいる。(日本経済新聞:3月26日)


以前考えた気がするが、カーエレクトロニクス会社について考える。


パイオニアは地域別の売上高を公表していなかったので、JVC・ケンウッドHDの地域別売上高の推移を確認した。また、日本と欧州の割合推移も同時に示す。下の通り。

■ JVC・ケンウッドHDの地域別売上高推移 (単位:百万円)
    期      日本    米州     欧州   アジア  その他   合計   日本比率  欧州比率
  2013年3月  138,274   87,973   41,911   32,647  5,773   306,580   45%    14%
  2012年3月  141,387   81,943   50,210   40,774  6,553   320,868   44%    16%
  2011年3月  142,284   97,519   58,910   48,066  5,891   352,672   40%    17%
  2010年3月  162,378   104,310   80,800   48,879  2,292   398,663   41%    20%
  2009年3月  113,352   87,615   71,116   35,262  2,424   309,771   37%    23%

欧州での売上比率は記事にあるように15%前後となっている。欧州の景気が芳しい状態とはいえないので、伸び悩みがあるが為替の影響により増収となったと理解して良さそうである。為替の変動がどのくらいあるかを確認しないと影響が計れないので、パイオニアの決算短信に次期の為替予測の記載があったので拾ってみた。結果を下に示す。

■ パイオニアの決算短信での次期の為替予測
    期         ドル   ユーロ
  2013年12月     100    135
  2013年3月期     95    125
  2012年3月期     80    105
  2011年3月期     80    110
  2010年3月期     90    120
  2009年3月期     90    115
  2008年3月期    105    155
  2007年3月期    115    155
  2006年3月期    115    140
  2005年3月期    105    135

比較に決算に用いた為替レートの記載があると良いのだが、これについては残念ながらなかった。ユーロ建てで取引しているとすると、為替レートの変動は同じ製品を為替レート分だけ安くあるいは高く販売したのと同じことになる。つまり、売上に利くというより、利益に利くことになるので厳しい。アベノミクスの円安誘導でデフレ脱却、景気回復のストーリーはこの論理によっているのだが、利益集団である法人がこの不安定な状態を放置する筈もなく、適切なリスクヘッジとして現地生産の実施や、部品調達の工夫を盛り込むので一方的に有利になることはない。能書きは勇ましいが、やることが単純なのが政治家の行動様式といえる。
ユーロの為替を眺めてみると155円から105円と5年で32%も円高になっている。この時間では対応は難しいだろう。その後、105円から3年で135円と28%円安になったのが今回の決算見込みである。行き過ぎた円高の是正と称する結果なのだろう。決算は良いということになる。しかし、この先にある円安による材料費の高騰からは免れない。四割を国内に依存する会社であれば、消費税の税率アップによる市場の冷え込みを大きく被る可能性が高い。欧州市場やアジア市場での成長は欠かせない。日本と北米だけで商売できる時代でないことがこの業界の厳しさだろう。


ドルに比べユーロはそれほど注目していなかった。思いのほか大きく変化していた。

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