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2014年3月24日 (月)

車輪小さい電動自転車、充電時間を半分強に短縮:ヤマハ発

ヤマハ発動機は5月8日、電動自転車「PAS」で車輪が小さい「CITY-C」と「同X」の両モデルに、急速充電器を新搭載して発売する。充電時間は従来の半分強まで短縮。より使いやすくなった。  容量が8.7アンペアのリチウムイオン電池の場合、充電時間は従来の4.5時間から2.5時間に縮まる。このほか5.0アンペア、12.8アンペアの電池も使える。車輪は20型と小型だが、ペダルを1度回すと26型並みの距離を進むようになっている。  色は、足元のフレームが低い位置にあり女性でも乗りやすい「C」タイプが、新色「カカオ」などを加え4色を展開。希望小売価格は税込み10万9080円。直線的なフレームデザインでスポーツ志向の男性を主なターゲットとする「X」は、明るい緑など全4色で売り出す。価格は同11万2320円。(日経QUICKニュース:3月24日)


電動自転車について考える。


PASとあるので、電動原動機付自転車だと思ったら、アシスト自転車であった。仕様を確認した。主な項目を下に示す。

■ PAS CITY-C 20型〈PM20CC〉 仕様
  全長          1,540 mm
  全幅           585 mm
  サドル高        735-875 mm
  軸間距離       1,010 mm
  タイヤサイズ     20×1.75HE
  適応身長のめやす 143 cm
  車両重量       21.9 kg
  定格出力       240W (ブラシレスDCモーター)

この手の電動アシスト自転車としては標準的なところだろう。電気で走る自転車ではない。それだと原動機付自転車の区分になってしまう。ペダル付きの原付も過去に幾つもあったが、あまり流行しなかった。現在の法規だと、ペダルが付いていてヘルメット着用の義務があるというと、中途半端な製品になってしまう。法律の区分がそうなっているのを見直せば良いという議論もあるだろうが、自転車の走行に危険があるという時代に規制を緩くするのは出来ない話だろう。
ところで、類似した製品に高齢者など歩行に問題がある人が利用しているシニアカー (スズキの商品名はセニアカー) がある。電動車両であるが、特に運転免許の必要はないし、ヘルメットの着用義務もない。道路交通法では歩行者扱いになる。福祉車両の扱いであるから、消費税は課せられない。法的な要件の抜粋を下に示す。

■ 原動機を用いる歩行補助車の法的要件抜粋 (道路交通法施行規則第一条)
  全長          1,200 mm未満
  全幅           700 mm未満
  全高          1,090 mm未満
  原動機         電動機
  最高速度        6 km/h未満

6 km/hという制限は厳しい。このくらいにしないと歩行者扱い出来ないと考えれば当然であるが、6 km/hというのは1kmを10分で歩くのと同じ速さだから、健康な人からすると物足りない製品になる。もともとの目的が福祉であるのだから当然ではある。
さて、電動アシスト自転車であるが、補助できる動力に制限がある。速度によって異なり、10km/h以下では人力の2倍、24km/hで補助力はなくなり、それ以降なし。10km/hと24km/hの間は速度に連動して補助力が直線的に下がることになる。人力と補助力の割合が等しくなるのは17km/hになる。2008年12月の法律改正前は、15km/hまで補助力は人力と同じまでであった。補助力は大きくなった (24km/hで補助力はなしは同じ)。
街中を走行している自転車は歩くのより早い程度である。10~15km/hに相当すると考えれば補助力は人力より大きい領域となる。補助力が人力によって制限される。人間が自転車を利用して発揮可能な出力は100Wを確実に超えるが、一般の利用者で200Wを超えることはないだろう。ということは、人の出力の2倍までしか補助できないことを考えれば240Wは妥当なモータ仕様となる。もし500Wのモータを積んでも、人力が200Wを超えないなら能力を発揮することはないし、重いだけマイナスにしか働かない。電池の容量、能力を考えると工夫するのは軽くすることだろう。

違法なアシスト自転車が使われているというニュースがあった。1万円で売られている軽快車に2万円のモータと電池などを加えて5万円で売れるなら商売しようと思う気持ちも分かる。問題のある製品は、踏み出しの際の出力制限は掛けるが、その後はそのままアシストしてしまう、つまり人力なしでの走行が可能な製品もあるそうだ。
以前、小型のエンジン (おそらく草刈り機などの20cc程度のもの) を自転車に付けたものを見たことがある。これはアシストではなく、エンジン走行可能な製品だから当然自転車扱いにはならず、保安部品を付けることやヘルメットの着用などいろいろ要求事項が増える。随分と乱暴な製品であるが、草刈り機のエンジンなら数千円だろうからこっちの方が安い。利用者は取締りにあったのかひと月くらいしてから見掛けなくなった。どうなったのか気になるところではある。

21.9kgというのは正直思いと感じる。15kg程度に収まれば軽快に長時間利用出来そうだが、この重さはシティサイクルと称されるこの国で多く利用されている自転車は15kgを超えているだろうから部品が多いものに望むのは無理があるだろう。自転車の利用環境からすると、衝撃による破壊の心配のある炭素繊維を利用した軽量化は難しいだろうが、アルミの利用なら可能だろう。アルミを利用して軽くなるのは最大で3kg程度だろうし、転がり抵抗の少ないタイヤも使えないとなると改善に限度はあるが悪い方向ではない。街に溢れた重苦しい自転車を、軽快な走りを可能にすれば景色も変わるだろう。
スピードが出ることを危険なものとして扱う傾向があるが、これは間違っている。スピードの出ない製品の方が危険なことが多い。体力が乏しい利用者が重い自転車を利用すればスピードは出ないが制御も出来ない。体力が乏しいなら軽いものこそ望ましい。軽いことは走行性能を上げるだろうが、それは利用者が正しく制御することで危険を回避するものだある。
モータや電池の性能改善を盛り込むのは商品開発として当然のことであるが、市場をつくろうという志を持つのなら、街の風景を変えるくらいの気持ちがないといけないだろう。自転車産業は規模が小さいので出来る仕事は限られているかもしれないが、制限があるのはいかなる産業においても同様である。その中で工夫してより良い製品を提供することを使命と考えるのなら、まだやれることはあるように感じるのである。


ヤマハは自転車屋ではないから仕方ないか。

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