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2014年3月14日 (金)

三菱重、航空機エンジンテコ入れ IHIと提携

三菱重工業は航空機エンジン事業のテコ入れに乗り出した。同事業を本体から切り離し、日本政策投資銀行やIHIと共同出資する新会社に移転する。同事業は米ゼネラル・エレクトリック(GE)など海外大手に規模で劣る。世界競争に出遅れている事業の立て直しを狙った提携戦略が一段と加速しそうだ。
三菱重工は航空機エンジンに使うタービンや燃焼器などを愛知県の工場で生産する。売上高は数百億円とみられ、3兆円規模の連結売上高に占める割合は小さい。新会社の枠組みは今後詰めるが、三菱重工が350億円程度を出資し約7割の株式を握る見込み。日本政策投資銀行も3割程度を出資。航空機エンジン事業で国内最大手のIHIも約十億円を出資して少数株主となる見込みだ。月内にも基本合意し、7月をメドに新会社設立をめざす。IHIは米ボーイング向けなどの航空機エンジン部品に強く、同分野の売上高は3,000億円規模。三菱重工は「IHIと生産協力を協議中」としており、新会社で量産効果を高める狙いだ。
政府はGEなど欧米大手に劣る航空機エンジン事業の競争力を高めるため業界再編を後押ししている。三菱重工も税制優遇のメリットがある産業競争力強化法の適用を申請するなど支援の枠組みを活用する。日本政策投資銀行からは出資に加え融資も見込む。資金力を高めて格安航空会社(LCC)の台頭や新興国の需要の高まりに機動的に応じる体制をめざす。三菱重工はジェット旅客機「MRJ」の開発も進めており、国産旅客機の競争力を高める狙いもあるとみられる。
三菱重工は自前主義が強いとされたが、2013年4月に就任した宮永俊一社長は外部との提携を活用する方針を打ち出す。造船では最大手の今治造船と液化天然ガス(LNG)船の開発などで提携した。最大の収益源の火力発電システムも日立製作所と事業統合した。宮永社長は現在、年約3兆円の売上高を「5兆円まで引き上げる」と公言する。今後も補完関係が見込める他社との提携を進める公算が大きい。(日本経済新聞:3月14日)


航空機エンジンについて考える。


航空機産業は宇宙産業と重なりが大きく、当然のことながら防衛産業ともつながることになる。しかし、防衛産業のみを事業とすると防衛費が削減されると事業の継続が困難になることから、民間用の航空機産業とバランスさせないことが経営に求められるというのが近年のこの産業の特徴になっている。さて、今回話題の航空機用エンジンについて、世界市場がどのようになっているかを確認した。売上高を基準にして、日本航空宇宙工業会の航空宇宙産業データベース(2013年7月)から引用した。結果を下に示す。

■ 世界主要エンジンメーカーの航空エンジン生産(売上)高シェア (2011年)
 会社名        シェア ( % )   売上高 (億円)  国
  GE            26.6       15,030      米
  P&W          19.0       10,740      米
  Rolls-Royce      17.7       10,000      英
  Honeywell        7.6        9,940      米
  Snecma         8.1        4,580      仏
  MTU Aero Engines  5.8        3,280      独
  IHI             4.3        2,430      日
  Avio           3.4        1,920      伊
  Turbomeca       1.8         1,020      仏
  KHI           1.4         790      日
  Volvo Aero       1.4        790      スウェーデン
  ITP            1.0         570      スペイン
  MHI           0.7        400      日

GEはGE-Aviation で、商用機で多くの実績がある。P&W は、Pratt & WhitneyでUnited Technologies の一部門である。Rolls-Royce を含めた三社が航空機用エンジンのビッグ3と呼ばれる。Honeywell は2000年にGEとの統合を試みたが欧州委員会の反対により流れている。Avio はGEに売却されているし、ITP はRolls-Royce との関係が深いということで、宇宙防衛産業中心で独立しているか、大手と提携するかという流れのようである。これは産業の特徴として、大きな投資が必要なことと、事故発生により経営が傾く心配があることを考慮すると必然的な流れと言えよう。
IHIと三菱重工(MHI)と川崎重工(KHI)が日本の企業であるが、どれも規模で見劣りする。類似した技術を用いた製品として、自動車用のターボチャージャーがある。この製品の市場占有率は Honeywell と BorgWarner が多く三菱重工がそれに次ぐ。Honeywell は、Garrett airesearch の名称の方が有名かもしれない。1985年にThe Allied-Signal と合併、1999年に Honeywell に吸収されている。BorgWarner も1996年にKKKを買収している。こっちもKKKの名称の方が通りが良い時期があった。F1ターボ時代に IHIもホンダのエンジンに採用されていたことを広告に使っていた。高温、高回転であることは技術的に同じであっても、大量生産品と少量生産の高品質品は異なることが多いのかもしれない。実際、ターボチャージャーは内製している割合が一定量あるようだ。簡単な技術だとは思えないが、数万円の部品は購入するより内製化というのが自動車産業の流れのようである。

三菱重工は自前主義が強い会社とあるが、IHIとの新会社で作ったエンジンをMRJに載せるというのであれば自前主義に他ならない。新規の製品を市場に提案するなら、エンジンが自社であるかより、利便性が勝ることが優先される。エンジンは安定して性能の価格のこなれたもので、機体に新規技術を導入したものを提案する方が顧客には有難いと思う。もともと、小型ジェット機市場というのが良く分からない。この市場が成長するのなら、現在とは異なるだろう。一般には、低騒音や低燃費が重視されると予想されているが、そればかりでもないだろう。その程度で新規市場が立ち上がるなら、市場はあるものを流用して動き出すものである。足らない幾つかの欠片を拾う作業がまだ足りない。三菱重工やIHIという日本を代表する会社がやるのだから、実績を残して貰いたいものである。


小型機が混んでる羽田で離発着する姿は具合が悪いから、別の飛行場を利用するのだろうか。

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