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2014年3月 2日 (日)

農地集約へ農業委改革 農家互選廃止、参入しやすく 政府、自治体の関与検討

政府は農地の売買や貸し借りの許可をする市町村の農業委員会について、農業委員を地元農家から選ぶ制度を2016年度にもやめる方向で検討する。首長に任免権を与える案などが浮上している。農業委員会に地元農家以外の声も取り入れ、農地の流動化を進め大規模化を促す。新規参入の壁となっていた農業委員会の改革で、企業や農業生産法人は広域で農業を展開しやすくなる。
政府は農業委員会の改革案を規制改革会議などで議論したうえ、6月にまとめる農政改革の柱のひとつにする。来年の通常国会に農業委員会法改正案などを提出したい考えだ。農業委は市町村単位で全国に1,710あり、農地の貸し借りや売買を許可する権限を持つ。現在は兼業農家や農協関係者が委員の大半を占めている。企業や農業生産法人が大規模農業を手がけるため広域で参入する際は各市町村の農業委と調整する必要がある。その調整に手間がかかり過ぎるため参入を断念する場合も多い。
農林水産省が2012年に実施したアンケート調査によると、農業委について「農地の集積について兼業農家の意見を優先し、担い手農家の声を聞かない」(農業者)との声が多かった。農地を集約して生産効率を上げないと、日本の農業の競争力は高まらない。こうした実態を踏まえて、政府は農業委員会の改革に踏み出す。現在は農業委員の約4分の3は地元農家が3年に1度の選挙で、農家代表を選んでいる。残る4分の1は農協や農業共済組合、土地改良区の各団体と市町村議会が推薦する選任委員だ。政府はまず農業委員会の委員の公選制をやめて、農家に限らず市町村長が任命する方式などに切り替えたい考えだ。市町村長の権限を強めることで責任の所在もはっきりさせる。大規模生産者が広域で参入する場合に自治体間の連携が進みやすくなるとみている。
政府関係者は「自民党がまとめた教育委員会制度の改革案も参考にしている」という。改革案はトップの任免権を首長が持つことや、首長が教育行政のおおまかな方針を決める案などを盛り込んでいる。政府は農業委に農家以外のメンバーが多数入れば、農地の縮小にも歯止めがかかると期待している。農業委には都道府県知事が農地転用を許可する際に意見を述べる権限がある。現在は農地を将来、転売することを期待して耕作しないまま持ち続ける小規模農家も多いとされる。農業委はほぼ全委員が農家で占められているため「身内に甘い」との批判もある。政府は選任委員のあり方も見直す。農業団体や市町村議会の推薦枠をなくしたり縮小したりすることで、市町村長が外部の人材を登用しやすくする。選挙委員と選任委員の統合も検討する。(日本経済新聞:3月2日)


農地について考える。


引用が長いのは要約するのが面倒だからではなく、新聞社が役人の言葉通り考えずに記事にしている様子が窺えるからあえてそうしている。
さて、記事の内容について考えていこう。政府の考え方は、国内の農業が衰退している理由は、以下の論理のようだ。
 (1) 大規模化が進まない。
 (2) 大規模化に貢献が期待される企業、農業生産法人の進出に農地確保が障害になっている。
 (3) この障害に農業委員会がなっている。
 (4) 農業委員のメンバーの選出を見直す必要がある。
上記の流れでいくつも誤解があるように感じるのだが、記事には解説はない。農業委員会に関する理解がないことが本質的な問題のようだ。農業委員会は農地の宅地転用に関して承認する権限を有するから、農地の利用について大きな権限があって、実際行使しているというのが記事の、というより政府の事務方の理解のようである。それが生じる理由として、農業委員会の主な委員である農業従事者が既得権を主張して、新規参入を妨害しているという論理を形成しているようだ。実際の地元農家の委員は、宅地造成に関する知識はないから事務方の説明に従って承認するという場合がほとんどだろう。農業従事者は農地を保有している、つまり不動産所有者であり、将来自分自身が宅地転用を申し出る可能性もあるのだからやみくもに反対することはない。ということは、改革案としている内容で、委員選出方法を変えても抵抗勢力が減る訳でもないのだから、表紙を替えて中身は変えないという結果になるのは必然である。役員が好む、何も変わっていないのに表札を替えるという仕事でしかない。負担が最小で、最大の仕事をしたポーズがとれるというものである。本質に迫っていない記事を追っても仕方ないのかもしれないが、もう少し進めてみよう。
1から4への流れが正しいとしても、4から1の流れが作れないのは容易に想像がつく。大規模化が進まない理由をもし農業員会に求めたとしても、農業委員会の反対理由は農地の継続的かつ安定的な使用が期待できないことに尽きるだろう。これを単純にその土地の利用に留まらず、周囲の農地への影響を含めて説明することが法人に出来ているかというと疑問がある。一定の大きなの農地を取得した法人が数年で耕作放棄をした場合、周囲で耕作している者に影響が出る。荒れ地からの雑草の種子が耕作地に入ることや、病害虫の懸念もある。また、栽培するにしても既存の農家が低農薬で商売をしているのに、効率化を目指して大量の農薬を使うといった問題が発生する場合もある。土地は切り取って使うことが出来ないのだから、周囲に心配を与えないのが農業の大原則である。周囲の協力で農作物を作った時代はそれほど昔の話ではなく、半世紀前には確実にこの国にあったものである。効率化を目指すのは良いが、単純な市場原理ですべてが説明が付くという単純な話ではない。大規模農地の取得に反対するのが、農作物の価格低下を恐れた既得権者の抵抗によるものという図式で理解するのは、市場原理主義に脳味噌が侵されている。農地の適正な利用が行われるのにそれほどの反対はない。適正な利用が行われない心配があるから反対するのであって、適正な利用でないことを認めさせるように委員会を見直しても、不適正な農地が拡大するだけでこの国の農業の為にならないという当然の結果に至る。理解が乏しい気がする。


だいたい農地面積を坪で表現するのは宅地開発が前提の話だ。農地利用なら単位は反である。

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