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2014年3月13日 (木)

博士論文、他にも流用か=企業HPと画像酷似、STAP小保方氏

新しい万能細胞「STAP(スタップ)細胞」を発表した理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが3年前、早稲田大に提出した博士論文の画像が、バイオ企業のホームページ(HP)の画像と酷似していることが3月13日分かった。博士論文の別の画像は、STAP細胞がさまざまな細胞に変わる能力を持つことを示す証拠として発表論文に流用された疑いが指摘されている。
今回流用の疑いが浮上したのは、骨髄に由来するマウスの細胞が神経や筋肉、肝臓の細胞になったとする実験結果の画像。肝細胞の画像が、コスモ・バイオ(東京都)がHPで紹介している製品「肝細胞培養キット」の画像と酷似していた。博士論文の審査員には、STAP細胞論文の共著者で米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授らが含まれていた。博士論文では他にも、米国立衛生研究所(NIH)の文書と一部が酷似していたほか、参考文献のリストと本文が一致しないなど問題点が多く指摘されており、早大が調査を進めている。(時事通信:3月13日)


論文の在り方について考える。


博士論文というのは、新規性と進歩性があることを求められるが、分野によってどちらに重きが置かれるかというのは異なるようだ。自然科学分野の論文では、革新的 ( innovationと呼ぶようだ ) であることに注目が集まる傾向があるようである。その結果として論文の構成が、革新的な事実を過去の定説に対してどのように革新的かを説明する図式になる。人文系の博士論文に比べて自然科学系の論文が短いという理由がこの辺にありそうである。
論文を書いて発表することが仕事であるという事情はあるだろうし、成果を公表しないままにすることが許されない環境もあるのだろう。生業とするというのは、少々の無理を通すことがあるということなのでいた仕方ない。時代錯誤と言われそうだが、一子相伝であっても良いだろうと考えているので、論文命を全面支持する気にはならないでいる。一子相伝といっても、実子の一人の意味ではなく、継承者の誰か一人、まあ弟子に継承する程度に理解してもらえば良い。深く長く考えることを、中間点でむやみに評価しようというのが、乱暴だし低レベルな気がする。中間点で点検するのは学部学生までで充分である。修士ないしは博士の前期なら、中間評価が必要な者は入学させないのが理性というものである。博士後期ならもとより当然である。
事実がどうであるかは横に置いて、なぜ今回のようなことが起きたかと言えば、科学に対する姿勢を無視して、革新的な成果を出すことを喜ぶ風潮があるからである。科学に従事するというのは、過去の人が成し得た成果の後ろに、自分の成果を加えることである。例えて言うなら、物理学という学問体系の書物に業績によって一行を書く加える作業である。一行の価値を説明するのが論文と考えれば良い。一行が加えられる前提条件は、過去のページで説明できない事実があることである。この作業とはすなわち、貢献した人、その多くは歴史的な意味では無名人に近いだろう、に対する敬意を表する手続きである。過去の業績との比較で参照することは必然的に生じるし、説明するのに引用する場合もあるだろう。許されないのは盗用することで、この行為は過去の業績に対する敬意の欠片も感じられない。大学で学ぶことがあるとすれば、この作法を体得することである。大学でなければ専用の設備がなく達成できないという指摘もあるだろうが、設備が成果を吐き出すのではなく、それに関わった一人の人間が創造するのである。必須要件は設備ではなく人である。
学問が高度に専門化が進み、生物学という表紙でまとまらなくなり、その先に遺伝学か細胞学か、あるいは生命科学というのかそれに属するのか今回の事案を区別する知識を有しないが、別の表紙の細かく高度な分野に属していることだろう。それでも、その本の前のページと無関係にある訳ではない。

博士論文で大量に引用するのは、単純な論文の嵩増しか、作業負担の削減というところだろう。楽をすることが為になることはない。大学で学ぶもう一つの重要なことは、自分自身が無能であることを確認することである。出来の悪い論文を書くことは、自分が無能であることを認識する作業である。無能の認識というのは誰かに指摘されるものではなく、自分自身で感じ取ることで将来の発展を約束するものである。
明日、理化学研究所は中間報告を行うということだが、創造的な活動は個人が担うものであるから、組織が対応する種類の話ではない。利害関係によるものなのだろうが、責任分担を誤っている。調査中ですという言い訳を長々するだけに終わりそうだが、かえって研究者を窮地に追い込むのではないかと心配する。持ち上げといて落とすというのは、この国の報道の特徴であるのだから。



前に似た話があったとiPS森口を思い出した。

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