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2014年3月 7日 (金)

サンクス100店、ローソンに 京都や奈良、運営会社がくら替え

京都府や奈良県などのコンビニエンスストア「サンクス」約100店が4月から順次、「ローソン」に変わる。地域運営会社のサンクス京阪奈(奈良市)がサークルKサンクスとのエリアフランチャイズ契約を近く打ち切り、ローソンと契約を結ぶ。有力地域運営会社のくら替えにより、ローソンは店舗数トップの関西圏で存在感が一段と高まる。
サンクス京阪奈は2014年10月下旬までのサークルKサンクスとのエリアフランチャイズ契約を中途解約する見通し。すでに京都市内では一部の店舗を閉鎖し、ローソンに転換するための改装作業を始めている。ローソンは関西圏で約2200店を展開する。サンクス京阪奈は5月中をめどにローソンへの転換を完了するもようだ。サンクス京阪奈に19%出資しているサークルKサンクスの保有株式の取り扱いについては今後協議する。
ただ、コンビニの国内店舗数が5万店を超え、競争が激化するなか、セブン―イレブン・ジャパンなど大手はなお出店攻勢を強めている。商品開発力などで劣る中堅・下位チェーンは既存店の減収が続き、優勝劣敗が鮮明だ。店を運営する加盟店が中堅・下位チェーンから大手に切り替える動きも進んでおり、今後はさらなる再編が進む可能性もある。(日本経済新聞:3月7日)


コンビニエンスストアについて考える。


以前まとめた大手コンビニエンスストアの店舗当たりの売上比較を下に示す。

■ コンビニエンスストアの店舗当たりの年間平均売上高 (単位:百万円)
   1  セブンイレブン      234
   2  ファミリーマート      188
   3  JR東リテールネット    186
   4  ローソン           177
   5  サークルKサンクス    174
   6  ミニストップ         174
   7  スリーエフ          166
   8  セイコーマート       160
   9  デイリーヤマザキ     139
  10  ポプラ            133
  11  セーブオン         115
  12  ココストア           69

改めて数字を眺めると、店舗当たりの売上高でコンビニエンスストアの経営形態に違いがあると比較は難しい。セブンイレブンは最大手で、最近は小型店舗を止めて大型に切り替える動きがあるように見える。プライベートブランド(PB)や宅配サービスを行うとなると小型店では対応が難しいだろう。かといって、店舗によるサービスの違いがあることをこの会社は好まないようだ。そうなると、一定規模に満たない店舗は閉める方向になる。セブンイレブンと、JRの駅でNEWDAYSを展開するJR東リテールネットを比較すること、北海道中心に営業するセイコーマートと比較することは、但し書きの多い結果しか導けないだろう。
サークルKサンクスの店舗当たりの売上高はセブンイレブンに遠く及ばないが、今回別のチェーンに移動した先はローソンであるので、こちらとの差は小さい。サークルKサンクスの地域ごとの店舗数の推移を確認した。結果を下に示す。

■ サークルKサンクスの地域店舗数の推移
   年  北海道  東北  関東  甲信越  北陸  東海  関西  中国  四国  九州  計
  2006  228   577  1,493    186    404  1,891  962   179  367    85   6,372
  2007  211   585  1,462    197    404  1,861  959   186  379    92   6,336
  2008  205   560  1,424    202    390  1,807  912   177  366    96   6,139
  2009  203   492  1,125    214    219  1,710  801   175   0     0  4,939
  2010  194   488  1,143    219    217  1,715  795   176   0     11  4,958
  2011  191   473  1,153    230    221  1,744  792   174   0     23  5,001
  2012  192   540  1,395    240    342  1,969  906   184  372   158  6,298
  2013  191   558  1,434    253    359  2,048  903   187  280    61   6,274

サークルKサンクスは名前の通り二社が合併した会社である。それぞれの出自で、サークルKがユニー傘下、サンクスは長崎屋であった。長崎屋の業績不振でいろいろあってユニー参加に入って今日に至る。
上記で関東と東海を主な出店エリアにしているのが分かる。それ以外の地域の出店数が少ないことは、コンビニエンスストアの解説で良く用いられるドミナント戦略に影響が出てしまいそうなレベルである。数は少なくても効率的な運営が可能ならメリットも出せるのだが、数字上では少々心もとない状況ではある。サークルKサンクスの出店数の変動が多きのは、各地の有力企業とエリアフランチャイズ契約を締結することで店舗網を拡大してきた歴史と関係がある。国内のコンビニエンスストアチェーンとして後発であることから、店舗網を地域の企業に頼るよりなかったということである。しかし、地域の企業の思惑とずれが生じ、他のチェーンが進出を計れば看板が書き換わることも起きる。サークルKサンクスで移動記事が多いのはこの事情によるようである。
ローソンに移るという対象となっている府県が京都、奈良であるということなので、関西地域の各府県の店舗数の推移を確認した。結果を下に示す。

■ サークルKサンクスの関西府県店舗数の推移
         2006   2007   2008   2009   2010   2011   2012   2013
  滋賀     58    56    56    50    47    46    56    57
  京都    168   172   156    102   104    107   168    169
  兵庫    194   185   174    174   173    170   174    171
  大阪    412   427   417    408   405    400   400    398
  奈良    114   102    89    47    45    47    83    82
  和歌山    16    17    20    20    21    22    25    26
  関西計   962   959   912   801   795    792    906   903

京都と奈良の合計店舗数は150から280と変動が大きい。今回250あった中なら100がローソンになるということであるので、最も少なかった2010年の150水準に戻ることになる。特定の企業であることからすれば、特定の地域に偏っていることが予想されるから、店のないエリアが生じることになる。各社は顧客の囲い込みにポイントカードや電子マネーの利用をしているから空白地域が生じるのは囲い込みの網に大きな穴を作ることになり困った話になるだろう。コンビニエンスストア経営が楽でない、普通の言葉に替えれば大変苦しい仕事であることが知られてしまっている状況で、店舗開発が簡単にできるとは思えない。再び、地域の有力企業にお願いすることになるのだろうが、将来寝返る会社が出てこないとは限らず苦しいところではある。

コンビニエンスストアの売上の六割は食料品である。有名なナショナルブランド(NB)を販売するほかに、PBの販売に力を入れている。食料品は商品のなかで最も保守的な品目であり、地域の文化風習の影響を受けている。東京で売れているものを、名古屋へ、あるいは大阪に持っていったら売れるというものではないようだ。特に惣菜関係の販売に力を入れて高年齢層への販売で売上を伸ばすことを考えているのなら、関西の店舗数が1,000に満たないというのは商品開発上の制限になるだろう。PBに力を入れるには、販売数が期待できることが前提になるから、販売網の弱い会社では差別化が難しい。しかし、多数のPBがあってもコンビニエンスストアで売れないものなら無用の長物でしかない。といことは、大手のセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンと、それ以外の会社は違う道を選ぶことになるのだろう。セブンイレブンのように、大型店化、店舗数の拡大、PBの充実という流れに対して、小型店化して商品を限定する方向に持っていくしかなくなるのかもしれない。あるいは、地域の特徴を吸い上げたセイコーマートのような仕事を東海エリアで行うというのもあるのかもしれない。コンビニエンスストア業界は、方向転換の判断、あるいは曲がり角に来ているようである。


電子マネーやポイントカードが得だというが、自由な判断を妨げる要因になっている。

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